タイムマシンの扉 -「３台目のタイムマシン」（２）-

｢３台目のタイムマシン｣とは

私たちは、当然のことながら現在を生きている。そうでない人は、現実逃避という状態なのだろう。なぜ、現実逃避という状態になってしまうのか。それは、理想と現実の間で葛藤が起こるからである。現実逃避とまではいかなくても自分の今に満足して生きている人はどれだけいるだろう。人は大人になるにつれいろいろなことを知ったり経験したりする。それは、良いことばかりではない。そのことによって、過去への後悔や未来への不安といったネガティブな感情が生まれる。そして、過去への後悔と未来への不安をもちながら今を生きることとなる。この感情と上手くお付き合いができないと現実逃避になってしまうのだ。ということは、こういった感情がなくならない限り今に満足して生きられないのである。では、後悔や不安に縛られないで今を生きるにはどうしたらよいのか。簡単である。そういった感情をもたなければ良いのだ。そのことを知っている人は、無意識に「３台目のタイムマシン」を探している。そして、その扉を開く鍵もまた自然と手にしている。それは、自分の心に正直であること。その心が「３台目のタイムマシン」を探し出し扉を開いてくれるのだ。

「タイムマシン」とは一般的に、過去や未来へ時間旅行ができる乗り物のことである。この乗り物は科学的には無理な代物であろう。では、「３台目のタイムマシン」はどこが違うのか。「３台目のタイムマシン」は心が乗る乗り物なのだ。いわば心の中のタイムマシンである。過去への後悔や未来への不安を消し、今を生きるための新しい自分を作るための道具なのだ。自然と見つけ扉を開くことのできる人もいる。しかし、「３台目のタイムマシン」はそういった人達だけのものではない。誰もがその扉を見つけ鍵を開けることができるのである。

｢３台目のタイムマシン」を見つけるには

子供の頃の夢を覚えているだろうか。もしくは、今、夢をもっているだろうか。夢は子供がもつものであって大人には必要ないという人もいるだろう。というのも、夢を叶えることのできる人はごく少数であるとか、夢は叶わないから夢であるといった考えをもっているからである。確かにその考えも否定できない。しかし、この裏に隠されている真実を多くの人は気付いていない。それはこういうことである。

夢はすべての人が叶える事ができる。しかし、大多数の人がその途中で違う道を選ぶ、もしくは、その道を選ぶのをためらってしまう。だから、夢を叶える人は少数なのである。また、夢はいつか叶える事ができるから夢なのだ、だけど、多くの人は叶わなかった夢を忘れてしまう。だから、夢を捨てない大人になるのは難しい。

夢はなくとも自分の好きなことは何か分かるだろうか。実は自分の好きなことや適性が分からないまま生きている人は多い。そういう人は、まず自分を見つめ直すことから始める必要がある。大人になっても自分の好きなことや適性が分からず生きている人は、安易な生き方を選択しやすい。そして、周りの人がすごく楽しそうに見え、自分の人生がつまらなく思えてしまうのだ。果たしてそれで自分の人生を生きているといえるのだろうか。

自分の人生を生きるとはどういうことか。人生の意義を考えたことはあるか。若いうちからこのようなことを考える必要は無いかもしれない。しかし、人生の早い段階で自分の心とゆっくり対話することができたなら、その人の人生はとても幸せなものになるだろう。自分と向き合うことは意外と難しい。それは、欠点や見たくないこともありのままの自分として受け止めなくてはならないからだ。ありのままの自分を受け入れ自分に正直になれたなら、その心が「３台目のタイムマシン」を探し見つけ出してくれるのだ。

｢３台目のタイムマシン」取扱説明書

「３台目のタイムマシン」の扉を開くことができたなら、そこからタイムトラベルを始めることができる。過去への後悔を消し、未来への不安を生きる力に変える心の旅に出かけるのである。しかし、この旅においていくつか注意しなくてはならないことがある。

まず、「３台目のタイムマシン」は私たちの心を乗せて過去や未来に行くことができる。しかし、必ず現在に戻ってこなければいけない。過去や未来で生きるということは決してできないのである。

次に、扉を開けた瞬間からタイムトラベルは始まるが、それを勝手に自分で終わらせてはいけない。そう、一度心の旅に出かけたならば、その旅の終わりを決めるのは「３台目のタイムマシン」である。それに逆らおうとすると時空の溝というものにはまってしまう場合がある。

最後に、旅を終えた後、多少の後遺症に悩まされることがある。しかし、それは必ず解消されるものであるから心配しなくてもよい。

以上が「３台目のタイムマシン」使用上の注意である。このことを踏まえた上で、いよいよタイムトラベル開始である。

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