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グッドデザイン賞が教えてくれたこと

こんにちは。デザイナーの廣田(@nacchin777)です。ユーザベースが開発・運営するスタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL(イニシャル)」のデザインを担当しています。

早いもので2021年も残りわずか。DESIGN BASEのnoteが始まったのが今年の4月。そこから、みんなでバトンを繋いで、毎週月曜日に記事を公開してきました。

すごくないですか?
1回たりとも、遅れたり、スキップしたりしてないんですよ。← 自分の番でリズムを崩しちゃいけない、、、というプレッシャーもすごいですが。笑

そして、私の順番も3回目となりました。
何について書こうかなあと思ったんですが、やっぱりここはINITIALにとっても、私個人としても思い出深い、今年のグッドデザイン賞のことを書くことにしました。

INITIAL、「2021年度グッドデザイン賞」を受賞

プレスにも掲載しましたが、グッドデザイン賞審査委員による評価コメントはこちらです。ありがたや、ありがたや。

グッドデザイン賞審査委員による評価コメント
スタートアップのデータベースと、それらの会社の関連情報を網羅的に見ることができるサービス。ベンチャーキャピタルなどにとっては便利なことこの上ないだろう。日本のスタートアップを盛り上げる環境の育成には、投資額の向上やインキュベーションもさることながら、こうした情報的な観点での解決が有効なのではないだろうか。固有性の高いメディアとしてのブランディングやUX/UIも高いレベルでまとめられており、過不足のないデザインで好感が持てる。

GOOD DESIGN AWARD

ここでは、グッドデザイン賞をいただくまでの細かな道のりを残すのではなく、グッドデザイン賞の応募をきっかけに、自分のデザイナーとしてキャリアや、サービスを通して叶えたいことなど、今、心にあるものを全部記しておきたいと思ったのでした。

2015年の私、「デザインで何か賞を取る」

2015年、私が入社した頃のユーザベースでは、半期ごとに直属のリーダーと一緒に目標設定を行なっていました。ユーザベースでは、ゴールセッティング(GS)と呼んでいます。注:今は組織も個人もOKRを導入しています。

その目標は、いつまでに達成したいのか。
目前の期の目標だけでなく、2-3年後ぐらいの中期目標と、5年後くらいの長期目標も一緒に考えます。長期目標は、将来の夢にも近い規模感になるのかしら。

当時の私、、、2015年下半期の長期目標のところに、こんなことを書いていました。(Evernoteに書いてた下書きが見つかった)

まだ、「何か」としか書けなかった当時の長期目標

これを書いたのは、入社3ヶ月後。当時は、そんな先のことに意識を向けられる余裕は全くなく、ただひたすら目の前の仕事(当時はSPEEDAのデザイン)だけを追いかけていた時期。だってねぇ、、、ノンデザイナーからの転職で、ユーザベースでデザイナーになった私。「デザイナーとして独り立ちすること」「周囲から信頼してもらえること」 それが何より大事なことだったからね。

・・・とはいっても、中期の目標も長期の目標も考えなくちゃいけない。うぅーん、、、と悩んで、「まあ、いつかね。」ぐらいの気持ちで書いたのが「デザインで何か賞を取る」でした。そう、、、「何か」ぐらいの曖昧さ。

ですが、誰もが知るグッドデザイン賞が頭をよぎったのは本当。どんな賞があるのかも含めて、長期目線で考えていくんだろうなあ、、、と、当時は考えてました。その中で、知名度のあるグッドデザイン賞を受賞できれば、B2Bサービスであっても、もっと多くの人にサービスの存在を知ってもらうことができるよなあ、、、と思っていました。

・・・と、ワクワクする一方、グッドデザイン賞の応募方法とかもろもろを調べると、自分の想像以上に大変ってことがわかる。「わっ、一人じゃ無理だわ〜」・・・と、そーっとPCを閉じたのを覚えています。苦笑

2021年の私、「えっ? まだ早いですよ。」

そこから時を経て2021年。今、私はスタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL(イニシャル)」を担当しています。デザイナーが私一人だった頃とは違い、新しいSaaS事業のFORCASも立ち上がり、デザイナーもUI、BX、コンテンツと、それぞれのプロフェッショナルが多く在籍する、SaaS Design Divisionができました。

大きくなったデザイン組織のリーダー、CDOの平野との1on1での一コマ。突如、、、

「ひろたさん、INITIALでグッドデザイン賞に応募してみない?」

そのときの私。

「うん?」
「えっ?本気? いやいやいや、そんなのまだまだ早いですよ。」
「あれもできていないし、これもまだやりかけ。応募するとしても、まだ先ですよ。」

・・・という、一見?謙虚のようにも見える私の反応ですが、本当のところはただのビビリです。「賞取れなかったらみんなをガッカリさせちゃうし。自分も落ち込むし。」「応募するのもめちゃめちゃ大変だし(リソース的に)」というネガティブに思う気持ちもたっくさんありました。ぐぬぬ、ごめんなさい。

でも、挑戦する人たちを応援するサービスとして、私たち自身が挑戦しないって選択肢はないよね。ユーザベースの7つのバリューにある「迷ったら挑戦する」は、ただのお飾りじゃない!

そんなこんなで「応募する!」と意思を固めた時に、ふと思い出したんですよ。あっ、そういえば、入社当時の私、「デザインの賞を取る」って目標を掲げてたなあ、、、って。

はい、すーっかり忘れてましたけどね。でも、なぜか、意思を固めたら、ハッと思い出したわけです。このタイミングで思い出すって、ちょっと自分でも笑えたけど、過去の自分に背中を押されたような気分になりました。笑

INITIALの価値を再認識

グッドデザイン賞の応募にあたり、INITIALが成し遂げようとしていることをどう伝えたらいいのか。たくさんの価値はあるけれど、どこにフォーカスするとより伝わりやすいのか。

INITIALにどっぷり浸かっていると、そういう大事なこと、たまに見失います。ほんと、たくさんあるから。笑

それを、CDO平野が、私にインタビューするような形で引き出してくれて、それを応募書類にまとめてくれました。本当に平野の言語化能力、すごいんです。まるで、私より長くINITIALに携わっているデザイナーのよう。。。

そこで、あらためて、INITIALのやっていることの意義を再認識し、デザイナーとして大きな使命感を感じたのでした。

世界のさまざまな課題に挑戦し、より良い社会へ向けて取り組むのがスタートアップ。ですが、その生態系はわかりにくく、情報がクローズになりがちです。INITIALはそんなスタートアップの世界をオープンにして、もっと身近な存在にしていきたい。

スタートアップの世界が身近になれば、そこに興味を持つ人たちが増えくるでしょ? 関わる人が増えれば、そこから新しい挑戦が生まれ、育ち、拡がっていく。そして、次の新しい挑戦へとつながっていく。そんな世界に少しでも近づくよう、INITIALの持つ確かなデータと想いを乗せたコンテンツを、デザインの力でさらに前進させ、社会に役立てて行きたいと思ったのです。

INITIALのビジョン

INITIALは、ユーザベースの一事業ですが、社会事業のようにも思ってるんですよね。社会をより良くしていくためになくてはならないサービス。挑戦する人たちがイノベーションを生み出し、新しい産業を作っていく。社会を作って行くのだから。

私たちがビジョンで描いている『挑戦者であふれる世界』に向けて、多くの人にINITIALを知ってもらいたい。この賞がきかっけで、INITIALを訪れてくれる人が少しでも増えて、スタートアップがより身近になると本当に嬉しいな、、、と思いながら、粛々と準備を進めました。

二次審査の展示会用に資金調達レポートを冊子印刷しました

そして、応募から約半年後の9月2日、二次審査通過、つまり受賞内定をWebで知りました。当日は、平野と一緒に、コロナ禍で人のほとんどいないオフィスで、ドキドキしながらWebサイトにアクセスしました。訪問者が殺到して、一時的に、アクセスがしにくい状態になりましたが。。。笑

受賞内定を知り、静かなオフィスで、平野と二人、歓喜したのは言うまでもありません。笑

最初、Webサイトの見方がよくわからず、また、なかなか冷静でもいられず、えっ?どっち?どっち?と騒いでいたので、何も知らないオフィスにいた人から見ると、さぞかし不思議な光景だったことでしょう。

次の目標設定

デザイナーになって、もうすぐ丸7年。
人間の成長で言うと、中学1年生ぐらいでしょうか。

私たちのデザイン組織 DESIGN BASEが掲げるビジョン『DESIGN FORWARD』は、デザインの力を信じて、デザインの力で、世界を前に進めるという想いが込められています。普段は「前を向いて」「前進させる」ためにデザインしているわけですが、今回の応募をきっかけに、デザイナーになりたての頃の自分を思い出しました。

がんばってたな、必死だったな、悔しかったな、、、などなど。

「デザインの何かの賞を取る」

とっても曖昧な目標設定でしたが、図らずも、有言実行となり、今につながっています。これって、夢が叶ったってことよね?

もしかして、今あらためて、次の3年や次の5年の目標を立てれば、それもまた叶うってことじゃない? だとしたら、絶対にやらないと! ← 我ながら単純。。。

3年後、5年後、私は、どこを目指すのか、何を目指すのか、何に挑戦するのか。うぅーん、今ここで、スパッと言えたら、めちゃめちゃかっこいいんだけど、そうカッコよくは決まらないのが私。笑

うん、良い機会なので、年末年始にゆっくり考えようと思ふ。「今できること」の延長ではなく、思いっきりジャンプしてみるぞっ、と。

あっ、たまに口にしてる「いつか本を書きたい」も、リストに入れとこっーと。

グッドデザイン賞が教えてくれたこと

グッドデザイン賞への応募をきっかけに、昔の自分が見ていた未来(現在)を思い出すことができました。INITIALというサービスの価値を再認識しました。これまで多くの方がINITIALに関わり、その人たちの手によってサービスが育って来たのだということを、改めて感じました。

すべての想いがつながって、グッドデザイン賞の受賞に至ったこと。たまたま、そのタイミングでデザイナーとして関わったのは私ですが、これはINITIALに関わる(関わった)全員の成果であり、価値あることをしている!ことの証明であり、ご褒美。みんなにおめでとう!!!

INITIALの原点、自分の原点に立ち返って、これからもできることを精一杯やっていこうと思ったのでした。

GOOD DESIGN SHOW 2021

最後に…

最後になってしまいましたが、INITIALのグッドデザイン賞の応募に際し、本当に多くの方にお世話になったので、ここであらためてお礼を伝えさせてください。

グッドデザイン賞の応募書類の作成、一次審査、二次審査、、、どのプロセスにおいても、CDO平野に頼りっぱなしでした。平野の経験上のアドバイスはとても的確で、めちゃめちゃ心強かったです。

書類応募のための素材づくりや、二次審査の展示会用のクリエイティブ、展示会の準備まで。私の雑なディレクションにも関わらず、一緒にアウトプットを出してくれたShioriさん。本当にありがとうございました。

受賞のプレスを出すに当たり、各方面とのやり取りをきめ細かく進めてくださった、PRチームのみなさま。ありがとうございました!

二次審査の後、家族で神社にお祈りに行ってくれたINITIAL事業CEOの千葉さんをはじめ、entrepedia、ami、INITIALに関わるすべての人へ。本当にありがとうございました!! 株式会社ジャパンベンチャーリサーチ(INITIALの前身)創業から10年目の今年、グッドデザイン賞の受賞でお祝いすることができて、本当によかったぁ。

INITIALのことをもっと知りたいなーと思った方は、こちらもどうぞ!

おしまい

(バナーデザイン:Kurumi Fujiwara)

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