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女性のためのヨガの教科書25

妊娠出産とヨガ


妊娠出産は女性にしか出来ないことですよね。
人間を身体の中で作ってしまうのだからそれはそれはものすごいエネルギーが必要とされる期間ですが、妊娠が判明したからと言って次の日から生活をガラッと変えられるわけではないのが現状だと思います。

胎児はまだお母さんが妊娠に気付けてもいない妊娠初期に一番活発に細胞分裂を繰り返し、
頭、脊椎、の重要な部分が形成されたのち、手足が伸びてくる。
妊娠自体いつからなのかと言うと、卵子が受精した時、ではなく、
最終月経開始日から数えるので、妊娠0週0日はママの生理が開始された時。
(ん?妊娠してないじゃん?)
そこから2週間後の排卵の時に受精したと考え、さらにそこから1週間経って子宮内膜に着床すると考えるので、妊娠が成立するのは妊娠3週目。

そう言えば生理来ないなと気付いて、
もしかしたら?と検査しても、正しい判定が出るのは早くても5週目以降だそう。
なので妊娠検査薬の使用は生理開始予定日から1週間以上経ってから。

初期の妊娠は、計画的ならまだしも、
ほとんどの方はそんなことを考えてもおらず、
その期間にアルコールやカフェインを摂取したことを後悔したり、
キツめの運動をしてしまったなど、安定期に入るまでずっと心配でたまらなくなる妊婦さんも少なくないでしょう。

そのナーバスな時期に軽いストレッチやヨガの呼吸やリラクゼーション方法などを知っていれば、心配や不安から酷くなりがちなつわりや貧血、めまい、腹痛、倦怠感などの症状も緩和されるのではないかなと思っておりますが、お医者さんからヨガなどをして良いとOKが出るのは妊娠5ヶ月を過ぎてから。
インストラクターも安定期に入るまでは関わりを持てず、歯痒いこともあります。

それまでほとんど運動経験のない方に、
5ヶ月以降から出産に向けての身体づくり、体力づくりをするというのは少々無茶な話です。
現状はリラクゼーションや股関節周りのストレッチ、
お腹に影響のない肩こりなどの解消、呼吸法などが主なマタニティヨガの内容です。

それまでヨガをされていた方は、
ご自身の状態経過を観察しながら腹部を圧迫しない立ちポーズや、
バランスなどを除いた軽い動きを行って頂くというのも、
そこは双方の信頼関係かなと思っております。
マタニティヨガの資格や出産経験のあるなし云々よりも、
その人のことをよく知っているかが大事なポイントなのではないでしょうか?
インストラクター側からしたらそうと言えます。

妊娠中と妊娠前の違いがわかった方がアドバイスしやすいですしね。

産後は大きく張り出したお腹から元に戻していくために、
直後から産褥体操を指導されると思います。

私が出産したのは25年以上も前のことなので、
今の入院生活と違っているかもしれませんし、
先生や病院によっても違うでしょう。
私の場合は漢方医が営む産院で、
運動や食事など、とても積極的に行わせるところでした。
コルセットのようなものでお腹をギュッと締めて、母子も同室でしたので、
それほどゆったり休めたわけではありませんでしたが、
若かった私にはそれが一番でした。

当時知らなかったことの一つに、
「腹直筋乖離」が挙げられます。

腹直筋はいわゆる割りたい腹筋。
ただ乖離してしまったままだと、真ん中がくっついていない状態で、二人目三人目の妊娠で元に戻らず、永久ポッコリお腹の原因に。


妊娠中大きく丸く突き出たお腹は、
腹斜筋や腹横筋は大きく横に伸びるのですが、
縦に付いている細長い繊維の腹直筋は、
妊娠後期には真ん中で左右に割れてしまうのです。

その真ん中で分かれた腹直筋を戻すためには、
いわゆるお腹を丸めるような「腹筋運動」の動作はあまり良くありません。

骨盤底筋から体幹を縦に伸ばしながら、両サイドから中央に引き付けていくような動きや、開いた骨盤によって圧迫され続けていた仙腸関節周りを緩めていくような動きなどが大切です。

抱っこで腰を使うのではなく、脚で支えるようなヨガの立位はとても良いでしょう。

そして割と安静傾向の日本に比べて、
欧米だとジョギングしたり、水泳や登山なども皆普通に行っている印象です。
出産後も1日で退院ですし、考え方が全く違うなと思います。

何が良いか悪いか、一概に言えるものではありません。
私はこれから親になって子育てをしていく上での慣らし期間だと思っています。

大事に大事に、食品添加物やその他いろんなことに敏感になって、子供を守ろうとすることも、
大丈夫大丈夫と、おおらかになんでもその子に合わせて様子を見ていくことも、
また一人目二人目三人目などでも違うでしょうし、
自分が育った環境や周りの意見などでも影響を受けるでしょう。

近年になるまで、
妊娠出産で命を落とす母子は少なくなく、
軽く考えてはいけないことですが、
基本的には、自分の生命力、赤ちゃんの生命力を信じて、
愛情を拡げられれば良いのではと思います。

親しいもの同士、
肌と肌が触れ合ったり、
体温を感じたりする場面で分泌されるオキシトシンという別名愛情ホルモンですが、
出産時と出産後にものすごい量分泌されるのだそうです。
出産時の恍惚感やなんとも言えない心地良さはそのおかげもありますし、
母子共々出産のストレスを忘れ去ってしまうほど強力なんだとか。

そして目に見えない絆をお互い強く感じ合い、
その先の長い関わりの礎となっていくのです。

私は若かったからもありますし、
全く心配をしていなかったんですね。
出産も育児も。
無知だったというのもありますが、
思えばずっと気分が高揚していたような気がします。

でも皆さんそうではないのですよね。
不安に駆られたり、
睡眠不足やホルモンバランスの急変化がストレスとなり過ぎて育児が苦しくなってしまうことも少なくありません。まだ喋れない相手と何日も二人っきりで過ごすのは辛くなる時もある。

産後ヨガやベビーヨガなどのクラスもありますが、
なので同じくらいの月齢の子を持つママ同士、育児の悩みや自分の身体や心、生活の変化などをお喋りし合うコミュニティの要素が強いのかなと思います。

身体に関しては、本当、
妊娠出産前にヨガを知っていると大きな助けになるのではないかと思います。
信頼できる先生を見つけることも大事ですね。

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PranicYoga 新宮由希子
ヨガインストラクター歴は18年。既に成人した息子をシングルマザーとして育ててきた経験から、ヨガを軸に、女性の生き方、医療でカバーできない健康のこと、などを発信していきます。