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麻雀市場の縮小と新しい麻雀の形、そしてZENTSUが出来ること

はじめに

私は都内で麻雀サークルZENTSUを運営している。noteではポロポロというハンドルネームだが、Twitter上ではオカルトメンタンピンという名前で活動している。
ZENTSUは2020年4月に6名のメンバーで創部し、11月30日現在 およそ130名の
麻雀サークルとなった。

この記事ではサークル運営と麻雀市場に目を向けて考える私の個人の見解を述べていく。

10年後雀荘はどうなっているのか。
私が老後に通える雀荘は果たして残っているのか。
ふとそんな悪い予感を思わせるほど麻雀市場は貧窮している事をこの記事でお伝えしたい。

※この記事を読む場合麻雀の歴史や社会的背景がわかるこちらの記事も併せてご一読ください。

麻雀市場の縮小と衰退

麻雀市場が大幅な規模縮小の一途を辿っているのはご存知だろうか。

ここでいう麻雀市場とは「雀荘」市場である。

ネット麻雀やMリーグなどの興業は除き、純粋な麻雀市場の基盤となっている雀荘市場が縮小し続けている。

「雀荘が潰れているとはいえまだまだ雀荘あるでしょ。」
「こないだ雀荘行ったらフリー満卓だったよ。」

こんな意見を耳にする事が多く、雀荘市場が縮小の一途を辿っている事をあまり意識したことない、あるいは感じた事がないといった方は多いだろう。

では、全国に雀荘の数は一体何店舗あり、事実利益をあげているのはどれだけいるか、そもそもの麻雀人口がどれほどなのかご存知だろうか?


激減した雀荘と人口に関する話

麻雀の人気の絶頂期は今から約30〜40年前に至る1980年代〜1990年代だ。

この時の雀荘数は、登録されているだけでも35000店舗を超える。(1978年の時点で36,173件を記録している)また当時の麻雀人口は推定で約2200万人いたと言われている。

一方で現在の麻雀市場はどうなっているかというと、2018年の時点で雀荘は8276店舗、人口は600万人を切るというデータが出ている。

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全国の雀荘数の推移 引用元

登記している雀荘の数であって、実際は廃業届を出していない雀荘も多くあると予想されるため実際の数はもっと少ないとも言われている。約30年で麻雀の市場は大幅に縮小し、雀荘数はピーク時の23% 人口も同様に27%までに落ちている。市場として8割近くが消失しているのだ

なぜこうなるに至ったのかは様々な要因があるわけだが、(上部に添付した記事の変容する麻雀を参照)この記事では人口の特性について着目していきたい。

麻雀を始める平均年齢を20代中盤と仮定すると麻雀ブームの熱狂を支えた人口層は現代における50代〜70代の年齢層の方々と言える。この年代に麻雀市場が熱を帯びたわけだが、麻雀市場だけでなく社会的背景としてもう一つこの年代に共通する事項があるのだ。

それはベビーブームである。

ベビーブームは第二次世界大戦後出生率が一時的に急増していた年代を指し、第一次ベビーブームの際は1947年から1950年ごろ。第二次ベビーブームは1971年から1974年とされている。まさにこのベビーブーム時代の層が麻雀絶頂期を支えた年齢層に該当するのだ。つまりそもそもの人口が多かったのも一つの要因として言える。

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こちらがベビーブームのグラフになるわけだが、第一次ベビーブームに関しては私の年代(1997年生まれ)の約3.3倍、第二次ベビーブームでも約1.7倍の出生数が記録されている。

20代や30代の方に想像していただきたいのだが、小中学生のクラスが自分たちの時の2倍や3倍以上いると考えるとかなり人数が多いことが実感できるはずだ。

根本的な日本人口が超少子高齢社会である以上、長期にわたり存在する既存の市場は縮小していくのは当然の流れなのである。例外なく雀荘市場もそれに該当するわけだが私はそれを素直に受け入れられないのだ。

そのためこの記事では私なり、この市場を盛り上げるにはどうすべきなのか持論を展開していきたい。

新しい麻雀の形

以前の記事でも記述したが2000年代以降麻雀はオンラインゲームとして楽しめる要素が加わり、賭博としてではなく遊戯としての属性を有した。そこから麻雀は雀荘に行かずとも楽しめる本来のテーブルゲームの要素を獲得したわけだが、今は新たな要素が加わった。

それは競技性である。

元々競技麻雀はプロ雀士におけるもの、という印象ではあったがMリーグにより一般に対しての浸透と競技麻雀が一つのエンタメとして確立しつつある。

実際雀魂での大会や麻雀サークルの大会や雀荘でのリーグ戦などが多く見受けられるようになってきた。

雀荘におけるリーグ戦の一例 引用元
麻雀サークルの大会の一例 引用元

これらの企画は麻雀業界における新たなニーズの一要因として大きく効果を発揮している。麻雀の本来の遊技として、そして新たなエンタメとして確立しているのだ。

では一見盛り上がりを見せてる麻雀市場ではあるが、私自身まだ一押し足らない気がしている。

それは新規参入の壁だ。

新規参入の壁とプロ雀士と市場の確執

これは私個人の見解であるが、麻雀、特に雀荘に初めていくときの参入障壁が非常に大きい気がするのだ。いわゆる「敷居が高い」というやつだ。

他の遊戯に比べて、そもそもお店に行きにくいという印象がある。それは麻雀のゲーム性が複雑であることや完全に知らない他人と一緒にプレイするという問題など様々な要因があるわけだ。

「ゲームが難しい」「知らん人と遊ぶ」

こんな二つの要素があったらそもそも初心者が参入できるわけがない。字面だけでもやばい匂いがぷんぷんする。

カラオケやボーリング、ダーツやビリヤード近年だとアミューズメントカジノなど娯楽施設が複数存在しているわけだが、その中でも雀荘というのは最も足を運びにくい場所ではないだろうか。

そこを「仕方ない、雀荘なんてそんなもんだ」で投げてしまうのが問題点として私は列挙したい。

雀荘のオーナーさん数名とお話しする機会があるわけだが、

何かイベントを催したとしても根本的に全くの初心者や未経験者は来ない

と口を揃えていうわけだ。

この記事の冒頭でも記載した通り、現在麻雀人口数は激減の一途を辿っている。ただ私自身の見解だと、

雀荘市場に還元されていないだけで、麻雀への興味や認知度は改善され潜在の見込み客は相当数いるのではないか

という考えだ。要するに行きたいけど行けないお客さんが多い市場なのでは?と思うのだ。

そこの参入障壁を解消しない限り、どんなに面白い企画を実施しようともなかなか雀荘市場にカスタマーとして還元されないのだと思う。

やはりリアル麻雀のデビューのきっかけは友人や先輩などの誘いや勧めがあったというケースが多い。

その部分は雀荘では担えない部分なのは間違い無いだろう。

そこで私が思うのは麻雀プロの活動の幅だ。プロの方々というより、各団体のトップに言えることなのだが、プロのリーグはもちろん重要性を感じているが市場に貢献する姿勢をもっと見せて欲しいなぁと個人的に思う。

プロ雀士が雀荘のゲストとして赴き、イベントを実施するケースが大半だと思うが本来はもっとプロ主催のイベントや教室がもっとあっていい気がするのだ。

執筆活動が一つ例として挙げられ、教本を出す麻雀プロの方々は多い。しかしそれは雀荘市場への貢献とまでは言えないだろう。実際に麻雀が打てる環境の保全や市場の促進にもう少し自発的に尽力して欲しいなぁと私個人は思うわけだ。

しかしながらアマチュア、プロ、ひいてはプロ雀士と雀荘をどうしても一線を画してしまう問題なのだが、既存の雀荘の「オンレート」の制度に難がある場合が多い気がする。

あまり詳しく記述できないが、そこがプロがあまり市場に貢献できない一つの障壁になっているのは間違いない。鶏が先か卵が先か理論では無いがこの確執とも言える問題を解決する必要はあるのでは無いかと私自身思うのだ。

よりプロ雀士の方々の活動の幅が広がりファンやカスタマーに還元できるイベントが増えていって欲しいと一個人の麻雀ファンとして心から思う。

ZENTSUにできること

それを踏まえた上で重要になってくるのはZENTSUにできることは何かという話だ。

先ほど述べたように様々な要因があり、雀荘市場への貢献の幅が限られるプロ雀士の方や、どうしても参入障壁解決の部分に着手しきれない雀荘の現状を鑑みると、痒いところに手が届くZENTSUのような緩衝材の役割を果たす組織はかなり市場にとって重要な役割を担うように考えている。

繰り返しになるが参入障壁の主な事項として「ゲームが難しい」「知らない人と遊ぶ」というこの二大不安要素がある。これを解消するためには、初心者の受け入れ態勢と育成環境が整っており、かつ定期的に同じメンバーや同じ組織の構成員と安心して打てるという環境が必須になってくる。

その二要素を兼ね備え、環境とイベントに力を入れているZENTSUは初心者の新規参入において非常に大きな役割を果たすと確信している。

現にZENTSUの構成員の8割近くの人たちがフリーには行かず、セット専門か初めて雀荘にきた初心者の方々が大半なのだ。

要するに「フリーに行くほどガチじゃ無いけど、セットで打てるなら行きたい」

「教えてもらえる環境があるなら安心できる」というニーズや

「フリーよりも安く、かつやばい人がいない環境で打てるなら価値がある」と参加していただいているガチ勢の方も多くいる。

またZENTSU自体が雀荘にとって「顧客の塊」なのでプロ雀士のような制約がかからない。

麻雀サークルという新たな存在が今後市場においてどれだけ貢献と還元ができるかが私自身の課題だと考えている。

都内には他にも麻雀サークルや先日MCM(Mahjong creators market)など一般の方々とプロの方々のコラボの企画や業界に新しい風を吹き込む存在が生まれている。

新しい麻雀の形やニーズが生まれている現代でZENTSUは同志とともに今後とも発展し、多くのイベントや初心者と熟練の猛者が入り混じり純粋に麻雀が楽しめる環境を提供していきたい。

最後に麻雀関連の方々へ

そして最後までこの記事を読んで頂きありがとうございます。

もしこの記事を読んだプロ雀士の方、雀荘オーナーの方、あるいは麻雀関連の方。

何かZENTSUにできることはありませんか?

何か一緒に業界を盛り上げられることはありませんか?

私たちは一緒に麻雀業界を、麻雀市場を盛り上げてくれる協力者を探しています。

どんな些細なことでも構いません。何かあればご連絡ください。

そしてこの記事を読んで頂いた麻雀ファンの皆様へ。もし私の考えに賛同して頂き応援いただけるのであればぜひTwitterにてフォローや拡散のご協力やZENTSUの活動に参加頂けると励みになります。何卒よろしくお願いします。

written by ポロポロ

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名前:ポロポロ
東京でなんとか生きてる24歳。
酒と映画が好き。音楽と麻雀も。
カメラマンもしている。
仕事は教育系。
セミナーを開きたいと今日この頃思う。
noteは不安な夜に自分の気持ちを書き始めたのが
きっかけ。
モチベーション理論系の記事と独り言とたまーに
人付き合いについて書いている。

Twitter @ryunenkowakatta
Instagram  @chanry1152
E-mail photo.1152@icloud.com

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