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食べ物しりとり

子供がしりとりにはまっている。
4歳と言うと、ひらがなを覚え始める時期。
保育園でもしりとり遊びが始まったようだ。
ポケモンを集めるみたいに、「か」から始まる言葉が頭の中に日々採集されていくのが楽しいようで、あんまり普段出てこない言葉が出てくると、思わず唸る、みたいな渋い反応をするのが面白い。

もっといろんな語彙を増やしてやりたくて、食べものしりとりをやってみた。
使える言葉を制限することで普段とは違う思考回路を開き、頭の中の新しいところから掘り起こしていく作戦。

しかしこの方法には一つ問題がある。
ふつうのしりとりであれば、子供が聞いたことのありそうな言葉の中から、そうは言っても子供には珍しい言葉を選ぶという余裕がある。
だが食べ物限定となると、こちらも言葉を探すのに必死で、なりふりかまっていられなくなる。

「ご? ごま、ごぼうは言ったからー、えーとー」
「はやくう」
「…ゴーフレット」

のようなことになる。そのほかにも、「プ」が苦しい。ケチャップやスープなど、「プ」で終わる食べものは多々あれど、「プ」で始まるものがプリンしか思い付かない。

「ぷ、ぷ…プッタネスカ」
「えーなにそれー」
「あるのよそういうのが」
「ふーん…」

こんなやりとりが増えて来る。
腑に落ちないながらも一応続けてくれるのだが、子どもにとっては、私が適当に文字を並べているとの一緒に見えるようだ。
そうすると子供の方も自由になってきて、だったらあたしも、と言わんばかりに、自由な言葉を作り始める。
これがまた面白くて、中でも秀逸と思われた言葉をここに紹介しておく。

「スッキーナ」

「ケムチ」

「メグーミ」

今思い出してもちょっと吹き出してしまう。
大人には到底真似できない。
ありそうな文字列なのがまたすごい。
ケムチて…。

いろんなものが作られていく途上の子供の、爆発力を目の当たりにしたしりとり遊びだった。

応援いただいたら、テンション上がります。嬉しくて、ひとしきり小躍りした後に気合い入れて書きます!