尊敬する先生

なぜだか、大好きな先生のことを思い出した。

中学生のころに政治経済の分野を教えてくださっていた先生。不思議なオーラを放つ男性で、顔は四角めで字は丸めだった。グループワークを取り入れつつ楽しく授業をしてくださっていた。雑談も変わった話ばかりしていたように思う。

正直授業内容は定かではないのだが、先生のスピリットだけは覚えている。わたしはそのスピリットを先生の熱以上に熱く受け止めていた。先生は、子どもたちに参政の大切さやそこからくる選挙の大切さを熱心に伝えてくれていた。

だからこそわたしは先生みたいに、子どもに政治の大切さを教えたいと思うようになり、先生を目指していた。そして政治学を学ぼうという選択に至った。

高校に上がって、その先生は転任することになった。

【定時制高校】に行くという。

わたしの通っていた学校から定時制へ転任する先生はとても珍しく、なんだか先生らしいな、と理由を聞かなくても思った。


そのあと先生から【定時制高校】へ転任する理由を聞いてみると、

育児をするから。

という理由だった。

転任する前の年だったか、先生はその当時流行り出した『男性の育児休暇取得』をしていた。奥さんは外で働き、自分は育児。

そしてこれからはそれを交代して、奥さんが家で育児、自分は外で働く。しかも、段階的に昼間は育児をする。

先生はそういったことを自ら体現して生徒に見せてくれるのだ。今でも育児休暇を取る父親は少ない。そんな中で先生は堂々と育児休暇を取る。かっこよすぎやしないか。家事を分担するために、自分の働き方も変える。全日制高校から定時制高校へ転任するのも、育児をしていくため。

かっこよすぎる。

その時、大好きで、尊敬する先生だと改めて認識させられた。

どんなに『育休取ろう!』とか言っても、(あなた実践してないですよね?)という考えがよぎると、その教えはすぐに綺麗事になってしまう。

先生は綺麗事ではなく、体現して、教育してくれる。

素敵だ。

本当の先生ってこういうことなんだろうな。中高生は多感な時期ではあるけど育児休暇は体験できない。そんな多感な時期に目の前で育児休暇を取り、働き方を変えていく父親を見ることができるというのは、素晴らしい教育だと思う。


先生お元気ですか。

わたしは先生の教えを一生忘れることはないと思います。それくらい心に刻み込まれています。

お子さんやご家族と健やかにお過ごしください!





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