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PPi 相談支援の指針

登録キャリコンを募集するにあたり、どんな感じの相談支援を実施してもらいたいかということについてのある程度の指針があった方がいいだろうと思い、作ってみました!

スーパーバイズを行いながら、適宜改訂していきたいと考えています。もちろん、各々のキャラもあるので、指針に縛られない、

言うのは簡単だけど、やるのは難しく、やってもらうのはもっと難しい…

しかし、できるだけ「誰にでも、良い相談支援ができる」を目指して、登録キャリコンの方々には、面接スキルを上げていただきたいと思います。

□ 「何で困っていて、どうなりたいか」を明確に

□ 現在の状況についての質問は最小限に

□ 質問しないで、想像して、確認する:~な感じですか?

相談技法のトレーニングでは「質問」が強調されがちな気がします。しかし、質問ばかりしていると、話が相談者の考えに沿って右往左往しがちで、クライアントも質問の答えを考えるのに疲れるだけで、なかなか話が深まらないことも多いです。

相談者も、何を質問しようか考えることばかりに頭を使い、肝心の、クライアントの話が聴けない…

情報収集して解決策を提案するのが相談支援ではありません。クライアントが「何で困っていて、どうなりたいか」を想像し、確認し、理解に努めます。そうすることで、良好な信頼関係を気づくのが、相談支援の基本です。そして、最終的に、クライアント自身が自己理解を深め、問題解決を希望を見出し、それに向けて動き出すための自信を高めることが、相談支援の目的です。

□クライアントの問題についての専門家はクライアント自身

 1)クライアントはどんな問題解決の仕方を望んでいるか。
 2)クライアントはどのように相談を進めることを望んでいるか。
 3)マニュアルはないし、ましてや、キャリコンが進めたい方向に進めない。
 4)状況を聞いて、解決策を提案するのが仕事ではない。
 5)この人は私の「味方」と、クライアントが思えるように。

□ 誰もが最善を尽くしている

 1)起こったことが、最良のこと
 2)性悪説に立って計画し、性善説に立ってクライアントと関わる

□ 今何が問題かを聞く前に、望む未来像を思い描く

□ 今できていないことを聞く前に、今できていることを聞く

□ 行動変容のプロセス

 1) 今の行動(いつ、何をするか)の明確化
 2) 獲得したい行動(いつ、何をするか)の明確化
 3) 行動変容の重要度を上げる
 4) 行動変容に関連した価値(大事にしている事)の明確化
 5) 行動変容の自信度を上げる

 □ 課題(宿題、ホームワーク)

 1) 面白い方がいい(ユーモア)
 2) できるだけ小さい方がいい
 3) 実施しなくてもいい→何かしら良い変化が起こっているはず(それを確認する)

□ 聞き返しを多く

 1) 質問―聞き返し―聞き返し―質問…
 2) 聞き返し
  ① 単純な聞き返し:オウム返し、言葉の言い換え
  ② 複雑な聞き返し:相手の状況、思い、感情、などを想像した聞き返し
 3) 例
  ① Co:何について取り組みますか?【質問】
  ② Cl:就活で悩んでいる
  ③ Co:就活で悩んでるんですね【単純な聞き返し】
  ④ Cl:はい
  ⑤ Co:どこを受ければいいかわからない【複雑な聞き返し】
  ⑥ Cl:そうなんですよね。…
 4) 質問に対する聞き返しの利点
  ① 共感を伝える
  ② クライアント主導に(質問は意外とCo主導)

□ 「変化に向けた」聞き返しを意識する
(たまにはネガティブを追従するが)

 1) 悩んでいて→悩みを解消したい
 2) なかなかできない→できるようになりたい
 3) 忙しすぎる→時間さえ見つければできる

□ 承認(是認)多めに

 1) 常にクライアントの内外のリソース、強みに着目する
 2)相談を終える際は是認の花束を渡して、励ます

□ 助言や情報提供するときはクライアントの自己決定を尊重

 1) 許可を得た助言、情報提供:~について私の思ったことを伝えていいですか?
 2) 伝えた後に、自己決定にゆだねる:~がいいのではないかと思います。他にも方法はあるかもしれませんが。
 3) 伝えた後に、感想を聞く:~することについては、どう思いますか

□ 困ったら

 1)要約:これまでのところ、~ということですね。誤解しているところはありませんか?
 2)質問1:今のところどうですか?
 3)質問2:残り~分ですが、どのように使っていくのが良さそうですか?
 4)提案:私としては~と思うのですが、どうでしょうか?

□ PDCA

 1) 計画、実行
 2) 確認
  ① 出来なかったところはきちんと認めつつ、外的に帰属し、励ます
  ② 少しでもできたところを、課題に承認する
 3) 改善
  ① Do more中心:今できていることを続ける
  ② Do something differentを少し:もし余裕があったら、~もしてみるといいかもしれません。

□ 前向きな相談支援のコツ:SF(解決志向)5か条

 1) ダメなところではなく、良いところを見て肯定する
 2) 何がいけないかではなく、どうしたらもっと良くなるか伝える
 3) どうなるとまずいかではなく、どうなりたいか質問する
 4) おおきなへんかではなく、小さな変化を目指す
 5) 無いものを求めるのではなく、今あるものを活用する

□ やる気を出す、自信をつける、不安を減らすは目標にしない(たまにはするけど)

 1) 「気持ちや考え→行動」ではない。「行動→気持ちや考え」
 2) やる気があるからできるのではなく、少しずつ行動することで、やる気があるように感じる
 3) 自信があるからできるのではなくて、何かができたから自信がつく
 4) 不安を減らすのではなくて、不安だけどできるように

□ 長期的な視野に立つ

 1)短期的な満足ではなく、長期的な満足を目指す。
 2)今を楽しむことと、将来も楽しめることのバランス。

□ 生活習慣は基本

 1)睡眠6時間以上(7時間以上が望ましい)は第一優先事項
 ※人によって十分な睡眠費は違いがある
 2)習慣的な運動、バランスの取れた食事め大事

□ どうして相談が好きかに自覚的に

 1) 人の役に立ちたい、人を喜ばせたい、問題を解きたい…
 2) それができたとわかるのはどんな時?
 3) それができなかったとわかるのはどんな時?
 4) それができなそうだと感じるのはどんな時?
 5) 人はうまくいっていないときに、ネガティブな感情が強まり、空回りしがち。
 6) 自分は完璧ロボじゃなく、うまくいかないこともあることを受け入れること。

□ クライアントを怒らせてしまったら

 1)謝る:すみません。何か、不快にさせるようなことを言ってしまったようですね。
 2)真意を伝える:不快にさせる気はなく~という意図でお伝えしました。
 3)今後についてたずねる:残り~分ですが、どのように進めていくのが良さそうですか?

(同)実践サイコロジー研究所は、心理学サービスの国内での普及を目指しています! 『適切な支援をそれを求めるすべての人へ』