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哲学プラクティスに関わる人への9の質問 #16 辻明典さん

1.肩書き・職業など

福島県公立学校教員
てつがくカフェ@せんだいスタッフ

2.現在の主な活動

仙台や南相馬でのてつがくカフェ、障がいのある方との対話

3.はじめて哲学プラクティスに出会った日はいつですか?

2010年、大学4年生のころでした。「対話による道徳教育」をテーマに、卒論を書こうと思っていたのですが、指導してくださった河野哲也先生に相談をしたところ、当時都内の中学校で哲学の授業を実践していた村瀬智之さんや、京都の洛星高校で取り組まれていた哲学の授業、寺田俊郎さんが神保町で開催されている「哲学カフェ」などを紹介してくださいました。

4.はじめて哲学プラクティスを実施したのはいつですか? 

2011年、大学院生のころです。大阪中之島の「アートエリアB1」で開催された哲学カフェで、「原発について、何を知るべきか?」というテーマでした。高橋綾さんと、一緒の進行でした。その年は、東日本大震災が起き、自分が生まれ育った地域は壊滅的な被害にあい、原発事故の影響も色濃く受けておりましたので、震災について考える場を持ちたいという思いで必死でした。

5.哲学プラクティスを、はじめてやろうと思ったのはなぜですか?

お恥ずかしながら白状すると、人前で話すのが苦手だったからです。でも、「聴くことならできるかもしれない。」と思いました。
取り組んでいるうちに、いろんな方の話を聴くことがとても面白く、しかも一つ一つの言葉に引き込まれている自分がいることに気づきました。

6.今まで哲学プラクティスを続けてきたのはなぜですか?

はっきりと言い当てることは難しいのですが・・・自分も、少しだけ、元気になれるから、かもしれません。

7.活動の中で、一番大事にしていることはなんですか?

大切なことほど、手間暇をかけることです。効率ばかりが声高に叫ばれ、人間が駒のように扱われるこの社会の中で、本当に大切なことは何なのかを見極めるための目を養うことです。

8.あなたにとって、哲学プラクティスとは?

「人間と出会える」ことに尽きます。少し立ち止まって、自分自身で考える。どんな人にも心があると信じられる。こういった時間と場所は、果たしてこの社会に残っているのでしょうか。こういった時間と場所はとても貴重だと思います。そして、この中で、人間と人間との交流が生まれるのかと思います。

9.影響を受けた活動、人物がいたら、教えてください。

たくさんいますが、あえてお一人あげるとすると...もう亡くなられてしまいましたが、佐々木孝先生です。謦咳に接するなかで、一人の人間として、魂の重心を落とし、絶望の淵でも決して希望を見失わずに、真っ当に生きることの大切さを教えていただきました。(哲学プラクティスというよりも、一人の人間として、大きな影響を受けた方です。僕は、哲学は、生きることと切り離せない営みだと感じています。)

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※「哲学プラクティスに関わる人の9の質問」については以下をご覧ください。


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