全ての嘘はとびきりの愛か?

今回のタイトルの元ネタはYOASOBIの「アイドル」

これだけは最初に断っておきたいが
自分は【推しの子】やYOASOBIのアンチだというわけでは絶対にないのを理解してほしい
むしろアニメ化のアの字もない頃からジャンプ+で読み、
既刊は全て我が家の本棚に並んでいて、
アニメ1話を予約して待機し、
(※残念ながら田舎過ぎて劇場版は近場で1館も上映されてなかった)
「アイドル」が先行配信されたら割とすぐにDLした身である

それを前提としたうえで今回の話に入ろうと思う

うちは私と妹が2歳差の2人姉妹である
そして所謂妹の方が出来の良いパターンだ
小学校も中学校も妹が2年遅れで入学してくると、私は私ではなく“(妹)のお姉ちゃん”と化していた
天才肌な妹は随分な変わり者で、私は先生相手に“妹がすみません…”と何度謝ったかわからない
私も別に成績が滅茶苦茶悪いというわけでもなかった
ただ、妹は中学時代常にテスト順位が5本の指に入っていたので、私がどんなに頑張って成績を残したとしても2年後にはあっさり妹に塗り替えられるという状態である

妹は自分の完全なる上位互換であった
変わり者なので争いごとを嫌う私のほうが友人が多いことくらいしか私が妹に勝っていることはなかった
妹は歯向かってくるなら歯向かってくれば?
どうなるかはしらんけど、といえばいいだろうか
それくらい弁が立つこましゃくれたこどもだった

中学卒業以降の進路が別れたときは心の底からホッとしたものである
やっと自分が自分として見てもらえるぞと思った

そして母は妹を溺愛していた
自分が妹と言い争いをしていると理由など聞かずに常に妹の肩を持った
妹が県外の予備校に通うために長期のホテル生活をしていても
母は自分が友達と宿泊を伴った旅行は許さなかった
インパクトが強すぎて未だに忘れられない事件がある
妹が自分をしつこくからかって怒らせ、自分に怒鳴られて泣き喚いていたら、母は妹が泣いているのだけを見て私を裸足で防寒具も勿論無い状態で真冬の夜の庭に追い出した
え?なんで?
小学1年生だったがそれでもその不条理さはさすがに理解できた
そのまま1時間程度はどんなに叫んでも家に入れてもらえなかったが、今だったら近所の人が警察か児相に通報してそうである
ほら、そこは平成初期の話だからしょうがない

というわけで妹は基本的に自分に対して高圧的なまま大人になった
大学進学で上京していた妹の家に、就活時に前乗りして泊めてもらうことにそれこそもう1ヶ月くらい前から決まっていたときも、当日妹と合流したら妹は
「ごめーん(笑)来ること忘れてて友達泊める約束しちゃった♡」
だそうで…私、どこ寝るの?と思った
そのうえ、当時の妹はノーメイク派で化粧品を全くもっておらず、急におしかけてきた妹の友人にやむを得ず自分が化粧品一式を貸さなければならなかった

そんな妹は大学3年後半ぐらいから今の旦那と半同棲生活に入った
女子学生専門の下宿で駐車場もないのに今の旦那の車を路駐させて連れ込んでいたのだという
大家さんから何度も実家にクレームの電話が来ていたが、どうやら母は溺愛している妹には話さなかったようだ

話が少し前後するが、自分が就活を始める時、母は当初圏外に出ることを許さなかった
県内に求人がほば無いし、あっても都市部と1.5倍は給与が違うし、地元は福利厚生もほぼない!
と必死に訴えてやっと許してくれた
妹はといえばなんの反対もなく東京の私立大学に進学した

そんな妹と心から許し会えることなど最早不可能だろう
自分の婚約のときに妹はいちゃもんを付けてきて、こちらが反発したら逆ギレし、その後姉妹は絶縁している
結局はコロナ蔓延で中止になったが、結婚式が中止になる前から
遠いし〜赤ちゃんもいるし〜旦那は休み取りづらいし〜
と式に参加しない言い訳ばかり並べ立てていた
いや、義理の姉の結婚式に参列させない会社なんてよっぽどブラックじゃないとありえないと思うが

そもそも妹としては
“どうせ喪女の姉は一生独身で体も弱いからずっと親元にいるだろうし、親のことは全部姉に任せちゃえ♡”
というスタンスでいたくらいなので、自分がまさかの結婚をすることに強く不満を持っていたのだろう
さらさら祝う気もなかったように思う

前置きが長くなったがつまり母にとっては
自分=搾取子
妹=愛玩子
であり、あの人は所謂毒親なのだと思う

父親の話が全く出てこないので察している人もいるかと思うが自分たちの父親は保育園時代に事故で命を落とした
つまり、自分は家族に誰も庇ってくれる人などいなかった

大人になって母は再婚したが継父は残念なことに早々に癌で逝ってしまった
継父は私のことを相当可愛がってくれており、彼が最期まで生きる希望にしていたのは翌夏の私の結婚式なくらいだった
コロナ禍前には亡くなったのでそれは叶わなかったが

継父が亡くなってから母は少しずつ壊れていった
どんな経緯があったのかは知らないが、あんなに溺愛していた妹とも音信不通になったらしい
自分たち夫婦にも最初は私たちの分も幸せになって欲しいと言っていたのにだんだんと嫉妬心を抱き始め
「(自分)が結婚しなければよかったのに」
と言われたことさえあった

そしてとうとう、今年に入って母の精神は崩壊した
自分のかかりつけと同じ精神病院にもう長く入院している

それでも母は私への執着を諦めることはない
あれが欲しいから今すぐ買ってもってこいだの、でも金はなるべくかけるなだの
悩みに悩んで大急ぎで持っていったところで、これは嫌だ!と切り捨てる
心の病気だからとはいえあんまりな仕打ちである

私は日に日に症状が悪化していき、一方で母は自分への我儘がどんどん激しくなっていった
とうとう自分は母からの電話が恐怖となってしまったので、母からの電話や面会はドクターストップがかかった

そんな域にまで追い詰めていても母の暴走は止まらない
服が足りないだの、あれが欲しいだの、留守電に残しては私に対応させてきた
さすがにおかしいと思い、病棟スタッフに確認してみると
「(母)さんの持ち物に足りないものはありませんよ」
とのことである
母が留守電でゴネるごとにスタッフに確認させることになり、何度自分はスタッフに謝っただろうか

つまりのこと、母の主張は完全に自分に構ってもらいたいがため、無理を言って会いたいがための嘘なのである

この嘘はとびきりの愛だろうか?

なお、母は溺愛していた妹には今も何も行動を起こした気配など無い
だからこそ結婚後も地元に住んでいた故に逃げることのできない自分たち夫婦が、何もかも母の対応をしなければならなかった
一応不本意ながらも母が入院したことやその後にうちで預かっていた実家の愛犬が亡くなったことを妹にメッセージ+で知らせたが既読すら未だについていない
ちなみに母は愛犬が亡くなったことを報告したときでさえ、じゃあちゃんとペット葬儀社に連絡して供養してもらってね
と言っただけである
愛犬に対してはお悔やみの言葉ひとつすらなかった
旦那でさえ泣いてしまって何度も亡骸を撫でてやり、葬儀社が迎えに来る前の仕事の休み時間には電話越しにさよならを告げていたのに

母はかつて長女の自分のことが大切だと言っていた
大事な娘だと
しかし現実は継父が実家で同居し始めたあとに、彼が目を疑うほどの暴言を自分に吐き捨てていたし、今もこんな状況に至っている

これは「大事な娘」にすることだろうか?

結婚しなければよかったのにと言われたと旦那にボヤいたとき、彼は私以上に怒り狂っていた
「そんなの自分の思うままになる奴隷が常に傍にほしいだけじゃないか!」と
その言葉に私は母からの長年の呪縛から解き放たれた気がした

たしかに【推しの子】の星野アイにとっては嘘はとびきりの愛だ
死の直前、やっと最愛のこどもたちに心からの愛を伝えられた
しかし現実は全ての嘘はとびきりの愛が込められているだろうか

私はさすがにそれはないわなーと思うのである









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