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「美しさ」の科学①

人には「」を感じる力が備わっています。
芸術の歴史を見るだけでも、非常に古くからある感覚であることが窺い知れます。

私たちは美しいものを好みますが、美しいとはどういうことでしょうか。

広辞苑で「美しい」の意味を調べると、以下のような説明が出てきます。

①すがた形や色・音などがすぐれていて、心を奪われるような感動を覚える。きれいだ。美麗だ。
②心根や行為が純粋で汚れがない。特に、人間関係が純粋で打算がない。

パワースポットに行くと、雄大な自然や伝統的な建築、様々な芸術品などを目にする機会も多く、そこに「美」を感じることも少なくないはずです。

今回は、この「美」について考えてみましょう。

「美」に関する研究は、人文科学(哲学や美学、芸術史など)、社会科学(人類学や社会学、経済学など)、自然科学(心理学、脳神経科学、行動科学など)など、多様なアプローチが図られております。

川畑(2011)の発表ではこれらの話が包括的にまとめられているため、この発表をもとに、科学的な「美」の捉え方を紹介します。

まずは、自然科学からのアプローチ、すなわち、心理学や脳神経科学、行動科学などの視点で考えてみると、

①美や芸術に関連する脳の機能や構造(仕組み)を明らかにするアプローチ

②美や芸術に現れる現象や事象から脳の機能や仕組みについて明らかにするアプローチ

が図られます。

脳の機能や構造(仕組み)を明らかにするアプローチとしては、

ー特定の活動をしているときの脳の働きを画像で見る方法

ー病気や事故で特定の脳の部位にダメージを受けた方の症状を観察する方法

などがとられます。

例えば、

ー脳梗塞や前頭側頭型認知症(FTD)による創作意欲の変化

ー脳損傷によって、認識は正常でも感性面が障害される感覚性感情欠乏症

ーサヴァン症候群や自閉スペクトラム症の芸術表現における卓越した描画力

など、脳の特定の部位の損傷と芸術的行為との関係が明らかになりつつあります。

続く

写真:京都府 眞名井神社

参考文献)
川畑秀明 (2011) 美の認知, 認知神経科学(Vol.13, No.1, pp84-88)

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