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人は「物語」の中で生きている

ちょっとした雑感なので、まとまりのない話になるかもしれませんが、ご了承ください。

Bruner(1990)は、人間の認識の仕方には2種類あることを指摘しています。


1つ目は「論理実証的モード」と呼ばれるもので、唯一の真実があると仮定し、真実であるかどうかを重視するものです。

科学的か、非科学的か」という視点で物事を考えるスタイルです。


2つ目は「物語り的モード」と呼ばれるもので、複数の解釈を許容し、それぞれの人の出来事に対する意味づけを重視するものです。

こちらは、むしろ個々人が生活の中から得た情報や経験則に基づくものを好むスタイルです。

現代社会では「論理実証的モード」が定着しており、それが正しいか否か、合理的か否か、という形であらゆる事象を捉え、考えようとします。

このような認識スタイルはもちろん大切で、科学的な思考スタイルが我々の生活に与えた貢献は計り知れません。

その一方、我々一人ひとりはそれぞれ異なった人生を歩んでおり、それぞれの「物語」を紡いでいます。

科学的に考えるとおかしいことや説明できないものであっても、我々の中では受け入れられているものがたくさんあります。

先日投稿したお守りの話も、「論理実証的モード」の文脈では非科学的なものとして扱われるでしょうが、私たちの生活の中では「物語り的モード」として、身近なものとして受け入れられています。

この「論理実証的モード」と「物語り的モード」の
2つの認識をバランスよく働かせることが、今の社会を生きる上では必要です。


人生という「物語」が航海であるならば、「科学的思考」は、羅針盤のように進むべき方向を示してくれたり、船を流れないようにする錨の役割があると思います。

物語という海原を彷徨いそうな時は、一度科学という英知の錨を下ろしてみると、俯瞰して今の流れをつかめるようになるでしょう。

写真:#宮島 #広島

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参考文献

Bruner,J. (1990) Acts of meaning. Cambridge, MA: Harvard University Press.  岡本夏木・仲渡一美・吉村啓子訳 (2016) 意味の復権:フォークサイコロジーに向けて 新装版, ミネルヴァ書房.

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