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感動の効果

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「感動」することの効用
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「感動」の効果③

「感動」の効果③

「感動」と記憶の関係

榊(2005)によれば、自身にとって重要度の高い記憶、そして、感覚・知覚レベル情報が豊かな記憶の想起が感情制御を促進するとしています。

感覚・知覚レベルの情報が豊かな記憶とは、特に感情情報や知覚情報が多く保持され、その時の状況を鮮明に思い出したり、再体験することが出来る記憶を指します。

「感動」するという体験は、

と考えられます。

また、感動した直後のみならず、体験

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「感動」の効果②

「感動」の効果②

戸梶(2004)は、大学生を対象に、自分の何かを変えた感動体験と、その体験で変化した事象の分類を行い、感動体験によりもたらされた効果を検討しました。

その結果、

の3つが挙げられました。

また、同様の感動体験をしても、性差を含め個々人の体験のとらえ方によって効果が異なることを見出しました。

佐伯他(2006)は、戸梶(2004)の結果を踏まえ、小学生を対象に、感動体験が自己効力感、自己肯定

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「感動」の効果①

「感動」の効果①

私たちは、ある出来事を直接的、あるいは間接的に体験することで、深く感動することがあります。

例えば、自分の努力が報われたときや、映画やテレビの特定のシーンを見た時などに、

強く心を動かされたような感覚を抱き、時に涙を流すこともあります。

その感覚はとても強く、余韻も長期に渡り続くことがあります(戸梶, 2001)。

感動すること自体はポジティブな感情ですが、

この両方があるところが面白い

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