大学DX事例 オンプレミスからSaaSへ
海外では、SaaSの普及によってITエンジニアでない人たちもシステムに関わるようになっています。
それにより、よりよいシステムを構築することができ、生産性が上がったケースをご紹介します。
オンプレミス→SaaSでうまれる効果
これまではオンプレミス型のシステムが主流で、ITエンジニアのように特別な知識を持っている人のみが関わる分野でした。
しかし、SaaSの登場によって、特別なIT知識がない人でも触れるようになり、社内のIT部門の管轄から、実際にシステムを使うユーザ部門へとオーナーシップがシフトしています。
また、ユーザ側の声が反映されやすくなり、現場のワークフローに合ったアプリケーションが設計されやすくなっています。
大学財務部門のDX導入事例
今回は海外の大学の現場でオンプレミス型からSaaSに切り替えたケースをご紹介します。
― ターゲット・ねらい・目的
ターゲットは、ある中規模の大学。
ねらいは、財務システムをオンプレミスからSaaSへ移行。
これまでは複数のサイロ化されたシステムの組み合わせだったのを、1つのSaaSに集中させ、コスト削減につなげたいという目的でした。
― アプローチ方法
徹底したアプローチとして、システム移行プロセスに財務スタッフを積極的に関わらせたそうです。ベンダーのコンサルタントが入りながらも、ほとんどの準備と決断は非エンジニアの財務スタッフでした。
― 結果、1週間の業務を3日に短縮
コスト削減は非常に大きく、システムコストだけでなく、新しく変更されたワークフローによって生産性が大きく向上したといいます。
財務スタッフが管理画面をコントロールできるようになったことのインパクトは大きく、懸念だった業務「授業料の延滞」対応を自動化しました。
すると、これまでは平均1週間かかっていた納金を3日に縮めることができ、生徒のストレスが減り、大学事務運営への満足度も向上したそうです。
SaaSの魅力:ワークフローの最適化による生産性の向上
SaaSの導入によって、特別な知識がなくてもアプリケーションをつくれるようになりました。実際のオペレーションを熟知するスタッフが関わることで、ワークフローを最適化できる効果があり、生産性が向上します。
これはSaaSの大きな魅力です。
大学に限らず、全産業におけるデータとして
SaaSの導入によってシステム所有コストが32%削減される一方、
生産性向上によって54%もコストが削減されているというデータもあります(by Dr Joseph Sweeny)。
― 導入成功のための秘訣
上記の大学のケースにおいて強調されていたのは
SaaSの導入に際して
「現場のスタッフを多く関わらせたこと」で期待以上の効果が出た
ということです。システム導入時から議論に参加し、選定し、社内のIT部門ではなく自部門管轄のシステムとしたのが勝因でした。
実際、欧米では、CFO、人事部長、その他の部門のリーダーたちが、それぞれのニーズはもちろん、組織全体にとって効果的なソリューション(SaaS)を率先して探すようになっているそうです。
これは欧米でのSaaSの競争激化につながっています。
もはやSaaSは企業の持続的な成長に欠かせないツールです。
2025年の壁を迎える日本において、現場の少ないスタッフで効率的な成果を出すためにもSaaSの導入によるDXは必須です。
日本の企業のリーダーたちも率先してSaaSの知識を身につけていることを期待します!