たまごやき日記　1日目

たまご焼きを上手に作れない。たまご焼き、玉子、卵、タマゴ。
料理は嫌いだけど、たまご焼きを作るとなんだか心が落ち着くことに気がついたので、できるだけ毎日たまごを焼いてみようと思った。
美味しく美しいたまご焼きを追求する気はなく、ただ意識低く焼き続ける。
わたしは向上心がない生き物だから、それくらいが一番楽しい。

最近お弁当を作るようになって、鶏卵の有り難みを感じる。
卵があるだけでおいしい。カレーに卵が落ちていると嬉しい。
もともと好きな卵が、自分で調理することで素晴らしい存在だったことに気付く。
雑に炒めた野菜に卵を入れる、もやしを卵で巻く、それだけでおいしい。こんなのすごいよ。
ゴーヤチャンプルーなんてもう魔法だと思う。苦い野菜と卵が合わさって奇跡を見る。
料理をする人はみんなこの卵への愛おしさを知っているのかと思うと、今までちょっと損してきたと感じる。
わたしたちは卵が好きすぎるし、もう卵から逃れられない。
わたしは毎朝焼いて、それを確かめる。