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日本の飲食店の安さは…。

昨日のnoteで飲食店をはじめとする様々な業種の倒産件数が過去最多を記録したことについて記しましたが、反面、外食産業の雄である日本マクドナルドは過去最高の売上を記録しました。このように他と真逆の結果を出すことはとても素敵ですね。厳しい洋菓子業界の中で「バースデーケーキ配達便」もそうありたいものです。

さて、そのマクドナルドですが代表的なメニューにビックマックがあります。そして世界の物価を比較するひとつの目安としてビックマック指数というものがあります。あくまで目安ね。そのビックマック指数をみると日本はG7の中で最低の数値。それどころかアジアのタイや韓国、南米ブラジルやコロンビアよりも低いのです。つまり日本のビックマックは新興国並みの価格水準ということです。

またディズニーランドの入場料も世界で日本が最も安く、ダイソーの価格も世界で日本が最も安いようです。そしてそれ以上に特に安いと言われてるのが、ホテルの宿泊料金と飲食代だそうです。日本のホテルは世界の同レベルのホテルの料金の3割くらい安い感覚、そしてそれよりさらに顕著なのが飲食店の安さです。

1,000円以下でランチが食べられる日本は新興国並みの価格水準と言われます。先進国の水準はランチでも2,000円以上は当たり前。海外のラーメンは2,000~3,000円、日本人のオーナーさんがシアトルでラーメン1,600円で提供したら現地のお客様に安い安いと驚かれたそうです。グローバルに比較した日本の物価は世界でも最低水準、飲食に限っては世界水準の半分以下と言わざるを得ません。つまり日本の飲食店は恐ろしく安いのです。

安いことは良いことではないか、と思われる方もいると思います。しかしなぜ日本の飲食代はこのように安いのでしょうか。日本の不動産価格は決して安くありません。材料費も電気代も決して安くありません。しかし我々業界人であれば誰もが周知の通りです。人件費です。異業種と比較して恐ろしく安い給料、そしてサービス残業によってこの安さを実現してるのが現実です。つまりそこで働いてる従業員の犠牲で成り立ってると言えます。

しかし働き方改革によって時代は変わり、今までのやり方では通用しません。最低賃金も年々上がっていきます。これから飲食店をはじめとする食の業界がまともな経営をするならば、業界全体の価格の底上げは必須だと感じます。つまり値上げ、デフレからの脱却です。

日本と同じように人口減少問題を抱えるヨーロッパ先進国は、日本と比較してどこも飲食代は高く、最低賃金も高いです。逆に日本の食業界は給料を低く設定し、価格も安く提供してるのです。その結果、従業員は本来もらうべき給料がもらえなかったり、また利益率も低くなるのでオーナーは、飲食は儲からない、ケーキ屋は儲からないと嘆くことになるのです。

これからは働き方改革によって、従業員には適切な労働時間と給料を与えなければならない以上、「お客様のために、いいものを安く、たくさん」という旧態依然たる経営から脱却し、「いいものを適正価格で、正しい経営を」に変えていく必要があります。そして恐ろしく安い給料と、恐ろしく長い労働時間の問題を解決して、初めて食業界の明るい未来が開けるようにボクは思います。

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