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高木紗友希の『今すぐ飛び込む勇気』

Juice=Juiceを脱退した高木紗友希がアイドルを辞めて社長になる。

で、まあSNSとかでは賛否飛び交っているのだが、僕は全面的に支持したい。アイドルとして小学生の頃から庇護を受けていた子が起業するなんて、素晴らしいことだと思うのだ。

紗友希の脱退については昨年、2日続けてnoteに書いている。いま読み返すと、とても憤りを感じているのが文面からヒシヒシと伝わってきて、すこし気恥ずかしいくらいだ。

今回の動画でも紗友希は少し当時の思いが滲み出てしまっている。

会社って理不尽な事や納得いかない事があるじゃないですか

納得いかないこと、あったんだろうな。そら外野のヲタクすら事務所の判断には納得いかない部分が多かったんだから、本人からしたら余計に思うところはあったのだろう。が、ここだけは今後はあまり言わないほうが良いかなと個人的には思う。別に媚びろとは言わないけど、事務所とは良い関係であること(実は険悪だったらどうしようもないのだが)をアピールしたほうが色々とスムーズになると思う。

ヲタク、こういう細部に敏感だから、変な勘繰りとか心配が先に立ってしまい、せっかくの動画が楽しめなくなる厄介な生き物なのだよ。経営者として今後やっていくなら、細部の心遣いって意外とだいじなのよ。

と、そんなことよりも僕は本当に高木紗友希の決断を応援したい。

「アイドルの解釈を広げたい」と宣言して今や多方面に活動している和田彩花さん。

自分のアパレルブランドを立ち上げたいと言っていた勝田里奈さんも有言実行して精力的に活動している。

アイドルのセカンドキャリアは、今や可能性に溢れているのだ。

今回の高木紗友希の宣言に対して「どうせ無理だ」とか「騙されてるんじゃないの? 大丈夫?」なんてネガティブな反応をしてしまう人たちは、たぶん彼女に対して言ってるんじゃなく、そのまま自分に対して言っているじゃないだろうか。

大学で経営学を学んでいる人じゃなきゃ社長になれないなんてのは昭和の話だ。そして「24歳の女の子に社長なんて無理だ」と思っている人は、知らず知らずに性差別をしてしまっているのかもしれないし、もしかしたら「40歳過ぎてからの起業なんて無理だ」と諦めてしまっているオジサンかもしれない。

自分ごとだけど、僕は1月末に会社から早期希望退職を打診された。普通、早期希望退職とは任意の応募のはずだが、ほぼ半ば決定事項として言われた。まあ、そこは単なるクビより退職金も多く貰えるし、そもそも会社の経営状態が悪化して社内の空気が悪くなっているのも分かっていたので、どちらかといえば渡りに船だったのだが、周りの同世代は呆然としていた。

終身雇用神話をいまだに信じている人間ばかりなのだ。そしてリストラなんて対岸の火事だと妄信してしまっている人間ばかりなのだ。

コロナ禍になって世界は激変した。

自分のことは自分自身でブランディングしていかないといけないのは芸能人も一般人も変わりない世の中になった。会社も国も守ってはくれない。ひとりひとりが5年後の自分、10年後の自分を明確にイメージしていかないと、たぶんこれからの社会では生きていけなくなる。

転職活動を通じても、その空気は嫌というほど感じた。自分のキャリアプランを明確に持っていない人間は淘汰されるし、逆に言えば5年後をイメージしていけば何にだってなれる可能性を感じたりもした。

ハッキリ言って5年前に決断して転職活動したら良かったかもしれないとすら思ったくらいだ。起業は早ければ早い方がいい。紗友希はまだ24歳。何度でも失敗できるし、何度だってやり直せる。でも、まず一歩を踏み出さなきゃ何者にもなれはしない。

そういえばモーニング娘。'15に『今すぐ飛び込む勇気』という曲がある。

ぼくたちの この目と 耳で今なら
新しい道へ 進めるはずだよ

後悔したくない 流れを今
変えて見せるから
満たされない思い抱きしめて
欲張りも『全部』かなえたい

もう7年も前の曲だが、まさに「いま」聴くべき曲かもしれない。しかし、めちゃめちゃ良い曲よね。久しぶりに聴いて思わず泣いちゃったよ。

この曲は作詞が児玉雨子さん三浦徳子さんというハロプロには欠かせない二大女流作家(あまり女流という言葉もアレだが)による連名というのが時代への説得力を倍増させているよね。

新しい場所に飛び込むのに早いも遅いもないのだ。

いま、そこに飛び込む勇気を僕は称えたいし、応援したい。

それはそのまま自分へのエールにもなると思うのだ。


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