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「がんばれないよ」

分かっちゃいたことではある。昨日書いたことは理想と願望だとは分かって書いた。が、こうも素早く結論を出すとは思わなかった。

この事務所の「ハロー!プロジェクトのメンバーとして、自覚を欠いていると総合的に判断し、今回の結論に至りました」とは何を指して言っているのだろう。紗友希の「グループの一員として、自覚が足りない軽率な行動でした。沢山の方の気持ちを裏切ってしまいました」とは、誰に向けたメッセージなんだろう。

もし「沢山の方の気持ちを裏切った」と本気で言うのなら、たかが恋愛を週刊誌に撮られただけで卒業コンサートも無しでグループ脱退、活動停止の方がよっぽど「沢山の方の気持ちを裏切った」行動だと思う。

多様性と価値観のニュー・ノーマルが叫ばれるなか、今回の件はそれこそアイドルを有する事務所としてのニュー・ノーマルを示す良い機会だと思ったのだが、やはりアップフロントには早急すぎたんだなと脱力感でいっぱいだよ。

文春の内容で、どこが具体的に問題だったのかを教えて欲しい。そもそも「恋愛禁止なんだよ」と明言するのであれば、契約書に明記してあるかどうかも教えて欲しい。本当に「恋愛禁止」であるのなら、それこそ今の世界情勢からしたら袋叩きにあう奴隷契約だよ。もし「暗黙の了解で」という曖昧なモノだとしたら、それこそ今回の脱退は不当な活動の制限であり、人権侵害に他ならないよ。

もう、いい加減これが切っ掛けになって多くの人が「おかしい」と言うべきだと思うのだ。「こういうことをヲタクが言うのは意味がない」というのも見るのだが、保守的で変化を好まない芸能界という場所は、同時に消費者のニーズをバカみたいに気にもする。変わることで失う危険を冒したくない人たちだけど、変わらないことで失うことを伝えないと彼らは自ら動けないのだ。

僕らはハロプロに疑似恋愛を求めているのではなく、素晴らしい歌とダンスを魅せてくれるステージパフォーマンスを求めているのだと。

一般論で考えて、どこの会社がプライベートな話でクビにするよ。「恋人が出来たなんて、仕事の効率が落ちるから別れるか退職するか決めろ!」なんてことを突然、上司から言われてみなよ。誰もが「関係ねーだろ!」と一蹴するはずだ。

日本の芸能界だけが、いまだに悪習を続けている。

昨日も書いたが「未来の“常識”はうちら次第!」「それじゃ今から変わろう」「一緒に作ろう New Nomal」なんて歌詞が全く説得力を無くすよ、こんな杓子定規な決定は。

児玉雨子さんは何を思ってこの歌詞を書いたのか。それは、たぶん願望を多く含んでの想いがあったんだと思うのだ。

それをアップフロントは、形だけの上っ面な言葉としてしか受け取っていなかったんだ。こんな未来に若いアイドルたちは何を思うだろう。いや、むしろ「なんでだろう?」と疑問に持って欲しいくらいだ。自分たちで考えて、自分たちの言葉で。

とにかく今回のことは脱力感でいっぱいだ。高木紗友希ですら、アップフロントにとっては特別ではなかったんだ。古い因習に風穴を開けるほどではなかったんだ。

これで果たして頑張れるのだろうか。



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