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サッカーのフォーメーションに当てはめてアンジュルムを紹介してみた

よく自分の好きなモノを野球の打順に例えることがある。テレビ番組やYouTubeなんかでもよくやっている。だが、僕は野球にあまり興味がない。なので自分の好きなサッカーのフォーメーションに大好きなアンジュルムを当てはめてみた。

これを読んでくれたサッカー好きにはアンジュルムというアイドルグループのプレゼン、アンジュルム好きにはサッカーで例えることでちょっと違う角度からのメンバー紹介になったら良いなと思うのです。

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現アンジュルムは10人体制なので、サッカーの基本フォーメーションには1人足りない。それでも、こうやって見るとなんとなくバランスよく配置できたような気がする。これで何が分かるかというと、僕のイメージするアンジュルムというグループと各メンバーの役割、または可能性についてだ。

じゃあ、ポジションごとに解説していきたいと思う。サッカーのスタメン発表では後ろのポジションから紹介していくので、同じようにゴールキーパーからいきたい。

GK 川村文乃

アンジュルムサブリーダーである彼女は、いつも一歩引いたポジションでメンバーを見守っている。優しく、思慮深く、視野も広く、発信力の高さまである。まさにアンジュルムの守護神は川村文乃だろう。彼女が後ろで手を広げているだけで、前の人間は伸び伸びと動くことができるのだ。

彼女は幼いころから地方アイドルとして活動してきた下地がある。バックアップのない苦労を経験してきたからこそ、現在の大手事務所に所属して何不自由なく活動できるありがたみを人一倍知っている。

色んな立ち位置で考えられる彼女のような人が一番後ろでゴールを守っていることがアンジュルムの強さだと思うのだ。

CB 佐々木莉佳子

センターバックに莉佳子を置くことには異論が出るかもしれない。普通に考えたらフォワードじゃないか、と言われるかもしれない。だが、現代サッカーにおいて最重要ポジションはCBだ。いくら前に圧倒的な選手がいても、守備がガタガタだと勝つことはできない。クレバーで身体能力の高さも要求され、更には攻撃のスイッチを入れるロングパスが出せるセンスも必要なのが現代サッカーのセンターバックだ。

日本代表でいえば吉田麻也や闘莉王のような存在だろう。強いキャプテンシーとカリスマ性を持ち、時に自らゴールも決める。曲中に莉佳子がセンターポジションで踊る時は圧倒的な説得力が放たれる。相手ゴール前でのセットプレーの時に威圧感のあるCBそのものが莉佳子だ。

莉佳子の声が、莉佳子の存在が、アンジュルムを引っ張っていく。

CB 笠原桃奈

同じく莉佳子の相方として最後列で構えるのが桃奈。これはもう、日本代表で例えたら冨安健洋そのまんま。どういうことかと言ったら、冨安は若干22歳にしてヨーロッパの地でセンターバックとして確固たる地位を築いた。しかも、あのカテナチオ文化の国イタリアで、である。能力の高さ、人間的な度量も規格外な彼は、とうとう今年、名門アーセナルへ移籍を果たした。「え?まだ22歳なの?」とよく言われる選手だ。

桃奈も同じく若干17歳にしてアンジュルムの核となる存在であり、パフォーマンス時には莉佳子やかわむーと一緒に前へ来た瞬間、その場の空気を全て掻っ攫っていく説得力に溢れている。

そして冨安のように若くして海外へと羽ばたこうとしている。すごい子になったと思う。だからこそ、桃奈が抜けた後のアンジュルムは大変だ。グループとしてのパフォーマンスの軸、支えを失うだけじゃなく将来のリーダー候補が抜けてしまうのだ。大きな、大きな課題が来年のアンジュルムには待っている。

SB 橋迫鈴

サイドバックというポジションも、ひと昔前は地味な存在だったと思う。だが、最近は徐々に考え方が変わってきた。現代サッカーにおいて、攻撃の肝はサイドバックであるという理論が様々な監督によって提唱されだした。有名なのがバイエルン・ミュンヘン時代のグラウディオラ監督による「偽サイドバック」だろう。

とにかく臨機応変に状況に合わせてポジションを変え、時にはゴール前に飛び込んで得点を決めるのが現代サッカーにおけるサイドバックだ。彼らこそが攻撃を組み立てる存在といっても過言ではなかったりする。

『アオアシ』という連載中のサッカーマンガがある。この主人公はもともとゴリゴリのフォワードだったが、名門サッカークラブのユースにスカウトされ、なんとサイドバックへ転向させられる。最初は嫌がっていた主人公だが、次第に自分に備わっている「俯瞰でピッチ全体を観る」という能力に目覚め、サイドバックからピッチを支配する存在へと成長していく。

まさに橋迫鈴は青井葦人そのものだ。研修生時代から美少女と注目され、満を持してアンジュルムへ単独昇格してきたものの、並み居る才能のなかで自分を出せずに苦しんでいた。誰もが鈴ちゃんはセンターにいく子だと思っていたし、本人もそのつもりがあっただろう。なんせイメージカラーもエースカラーの赤である。

だが、なかなか思うようにいかない状況は突然、解消される。それが9期メンバーの加入だ。後輩ができ、かつ最年少ではなくなったことで完璧にハマり役が見つかった。

それが「鈴様」だ。

若いメンバーを従え、時に先輩へも暴言を吐く(リーダー竹内朱莉にコントロールされているのだが)という傍若無人な王様キャラに彼女はなってきた。デン!と中央に構えるのではなく、後ろから「ドケドケ!」と割って入ってくる鈴様は、まさに現代のサイドバックのように神出鬼没なトリックスターに成長している。

SB 川名凜

アンジュルム9期メンバーとして加入した彼女は、まだ完全に自分の色が確立していない。こういう時にサイドバックというポジションを経験していくのは成長の助けにもなる。サイドバックは少し斜に構えた位置からピッチ全体を見渡せる。いま、状況がどうなっているのかを客観的に観察できる。

研修生ではなくオーディションでの加入なので、一個ずつ「やれること、やれないこと」を探りながら活動している彼女にとって、サイドバックは打ってつけのポジションだろう。ここから攻撃的に成長するか、守備的に成長するかは本人次第。そして、サイドバックを経験した選手はどこでもできるオールラウンダーにも変身することがある。

川崎フロンターレに旗手怜央という選手がいる。東京五輪代表にも選出された彼は、もともとフォワードの選手だが、現在の彼は左のミッドフィルダーからサイドバック、ウィングバックまで状況に応じて変化することができる。しかも全てが高水準にこなせる彼のサッカーIQはとんでもない。

川名凜も旗手のようなアイドルになる可能性を秘めている。カエルが好きなところなんかも、両生類的な水陸両用オールラウンドアイドルになっていく布石かもしれない。

MF 竹内朱莉

アンジュルムのリーダーである彼女は、本来攻撃的なポジションが似合う。スマイレージ時代や和田彩花体制の頃は前に位置してゴールを決めることが求められていた。ガンガン前へいく精神が時にウザがられてしまうこともあったが、リーダーに就任してからは若い子たちに弄られながら守備に攻撃にとボールを配給する元日本代表ボランチ遠藤保仁、長谷部誠、中村憲剛のような存在になってきた。

アンジュルムのトークは彼女を経由してはじまる。トークというのはパス回しに似ている。オチはゴールのようなものだ。そして、トークのオチが様々な角度から、様々なメンバーによって決められるのが現アンジュルムだ。竹内朱莉がトークを回すからこそ、誰かひとりが目立つのではなく、うまく全員を活かせている。そして時に自ら美しくゴールを決めてしまう。竹内朱莉はアンジュルムの華麗な中盤のマエストロなのだ。

MF 為永幸音

為永幸音は気遣いのできる子という印象がある。川村文乃の後継者と言われることもある。だが、実際はどうなんだろう。先日行われた『ソロフェス!2』ではメロン記念日の『This is 運命』を素晴らしい解釈でメンヘラ女子の歌として昇華していた。

一見、大人しく周りに気を使う子という風に見られるが、彼女は実はとても我が強く承認欲求が高く、目指す意識の高い子なんじゃないかと思う。とても現代的なフィジカルの強さのあるアイドルなんじゃないだろうか。そう、日本代表でいえば遠藤航のような存在だ。

ドイツでは無名だった遠藤航は、いまやブンデスNO.1の「デュエルモンスター」と言われている。とにかく体幹が強く1対1に負けないフィジカルを誇り、かつ攻撃でも得点やアシストを記録している。まさに次世代ボランチの最先端を示す遠藤航のようなアイドルになる可能性を秘めているのが為永幸音なんじゃないかと僕は思う。

彼女の成長のキーワードは「表現力」だろう。

FW 伊勢鈴蘭

彼女がデビューした3年前、まさかここまでの進化を遂げるとは思ってもみなかった。たしかに片鱗は当時からあった。物怖じしない佇まいと飄々とした口調は、大物感を漂わせていた。元アンジュルムの勝田里奈の系譜になるのかな、という向きもあったが、今の彼女は完全に“れらぴ系女子”伊勢鈴蘭以外の何物でもない。

アイドル界の本田圭佑というと大袈裟かもしれないが、それくらい唯一無二かつ唯我独尊な覇王色の覇気を纏いつつある。

きっかけはやはりこの動画だろう。このナイトルーティーンのあざとさ、やってんな感が全ハロヲタに広まった頃から伊勢鈴蘭はグングン台頭してきた。先輩メンバーにも物おじせずに突っかかり、リーダー竹内朱莉をも懐柔し、二代目勝田里奈ではなく初代伊勢鈴蘭として盤石な地位を確立していった。

2021年のはじめ、今年のハロプロの顔として伊勢鈴蘭をピックアップした。攻撃的で刺激的な伊勢鈴蘭が縦横無尽に闊歩するアンジュルムは強い。

FW 松本わかな

ベタな例えだがアンジュルムの久保建英と言ってしまいたくなる才能の塊。まだ若干13歳、いや誕生日がきたから14歳か。ハロプロだから若くしてグループに加入することは多い。笠原桃奈も13歳で加入した。しかし桃奈が開花するまで2年近くかかったことを考えたら、松本わかなという子のデフォルト能力値の高さは異常である。

知っている人しか分からない例えで申し訳ないが『ウマ娘 プリティーダービー』というコンテンツでキタサンブラックというウマ娘のSSRカードが登場した時にユーザーたちはその圧倒的な能力の高さに「人権キャラだ!」と大騒ぎになった。人権キャラとは、そのキャラを持っていないとゲームが有利に進められないほど強いことを言う。「持っていないのは人権が無いのと同じこと」という酷い例えなのだが、まさにキタサンブラックはそれくらい強かった。

うん、久保建英で例えていたのにキタサンブラックが出てくると混乱するな。でも、まあ久保建英もゲームで登場したら同じくらいの圧倒的な能力と成長率があるキャラになるだろう。そして、松本わかなのポテンシャルと可能性は久保建英同様にアンジュルムヲタをワクワクさせる。

FW 上國料萌衣

なんだかんだ言って、アンジュルムの現エースが上國料萌衣であることに異論はないだろう。今やハロプロでもNO.1くらい各メディアに引っ張りだこであり、様々な雑誌やキャンペーンのモデルとしても活躍している。そして圧倒的なビジュアルの説得力とクリスタルボイスの異名を持つ美しい歌声は説明不要の天賦の才だ。

残念ながら誰もが認めるエースというのは、現在の日本代表には存在しない。しいて言うとキングカズ、なんて言っちゃうと流石に言い過ぎになるかもしれないが、そのスター性とカリスマ性はキングカズにも匹敵するかもしれない。日本代表に足りない部分がアンジュルムには存在する。

ハロプロのエース宮本佳林が卒業を発表した時、僕は上國料萌衣こそ次代のエースだと真っ先に書いた。サッカーにおいても最前列に圧倒的なエースが君臨して得点を重ねるチームが結局は勝つ。メッシ、クリスティアーノ・ロナウドなんていう選手が光り輝いているチームは強い。

そんなアンジュルムこそアイドル界でも最強のグループだと僕は言いたいのだ。





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