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私たちには空があるだけだって、確かめてみよう

和田彩花さんの配信限定ライブを堪能した。ビルの屋上をステージにした開放感いっぱいのライブは、自宅に居ながらにして屋外ライブをその場で鑑賞しているような不思議な心地よさに溢れていた。

あやちょの優しい歌声やバンドメンバーとのリラックスした一体感、なによりもあやちょが作詞している楽曲たちのメッセージが「自己肯定」や「他者への寛容」だったりしていること、また本人自身も「そうありたい」と思いやっている気持ちが、雲の合間から吹く風に乗って画面越しに届いてきているような感覚だった。

ライブ後に公開された舞台裏映像では、演奏中の模様も公開されていたが、現場はほぼサイレントに近い状態で演奏されていて、バンドメンバーはイヤモニからの音だけを頼りに演奏していた。

あれなら近所迷惑にもならないし、気兼ねなくやれる。事務所であるYU-Mとスタッフのそういう気配りと意識の高さと実現させるプロフェッショナリズムにも感心させられる。今の状況でやれる最大限を求めて実行していくって素敵だ。

最近あやちょの曲のなかでも好きな『ホットラテ』もやってくれた。この曲は「愛」について歌っているけど、「愛」って恋愛だけじゃなくて「お互いを思いやる気持ち」だったり、「愛の多様性」を大切にしたいという信念というか、「願い」のようなものが感じられる。

そして、同時に「普通はそうでしょ」みたいな他愛のない言葉に抵抗したくなる気持ちをタイトルの『ホットラテ』が優しく心を落ち着かせてくれるような、そんな曲だと思っている。

『あなたが選んだもの、あなたが選ぶもの』もそうだよね。他者を尊重し、同時に自己もキチンと尊重して互いの違いを認める。それは決して「受け入れる」必要があるわけじゃなく、ただ「違う」ということを認めることが大切で、いろんな生き方や考え方を肯定したいという思いが溢れている。

そして、出来れば人類全体がそうなれば、世界は平和になるんじゃないかなという「願い」がこもっている。

この時のイベントで感じられた等身大の和田彩花に僕はとても感銘を受けた。相変わらず誤解されやすいんだけど、それは裏返せばそれだけ言葉に力があるということだと思う。

幸いなことにあやちょは自身の曲を全部作詞している。思いを歌に乗せられるというのは強い。そして、あの歌声があれば必ず伝わると思うのだ。

ライブ映像を見ながら、あやちょの後ろに広がる空を眺めていると

「不自由になってしまった世の中で、思うように集まってライブを楽しむことも難しいけど、広くつながる空を見れば離れていても思いは感じられるし伝わるんだよ」

というあやちょの想いが今回の屋上ライブのタイトル『私たちには空があるだけだって、確かめてみよう』に集約されているんだなぁと伝わってきた。

2020年9月20日まで公開されているので、是非どうぞ。


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