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「夢見た 15年」の歴史

アンジュルムが4月10日に発売する新曲「恋はアッチャアッチャ/夢見た 15年」のリリースイベントを観覧しに昭島モリタウンまで行ってきた。

実はモリタウンに来るのは初めてだったので、どんな場所でやるのかと思っていたんだけど、MOVIXの敷地内の小さなスペースだった。こんな所でやるんだ、と思いつつ無料エリアに行ってみると意外と空いてる。「30分前なのに動員悪いのかな?」少し心配になりつつ2列目で待機していると優先エリアの入場が始まった。

すると、あっという間に優先エリアはスペースを拡張していき、ほぼ無料エリアと間隔がないくらいまで埋まっていく。右側に仕切られた女性限定エリアもパンパンだ。いつもラクーアや池袋サンシャインで見慣れた光景。無料エリアも気付けば身動き取れないくらい集まっていた。

アンジュルムが大勢の人を集められるようになったのは、何時からだろう?

まだスマイレージだった時は僕もハロプロから距離を置いていた時期で、2期が加入する段階の混乱の最中くらいから何となく彼女たちを追うようになっていた。まだ、自分的にもハロヲタ的にも9期10期が加入してノリに乗り出したモーニング娘。の方が魅力的だった。

それが少し変わったのが2014年のひなフェス。ステージ上で突然発表された初めての武道館公演決定の時、メンバーみんなが号泣している中でひとりケラケラと笑っているリーダーの「あやちょ」こと和田彩花の姿を見た時。

【37分から武道館決定の発表映像】

なんでひとりだけ笑ってるんだろう?それがすごく気になった。あと、普段ボーイッシュでガサツで口の悪い「タケ」こと竹内朱莉が号泣して歌えなくなる姿と、それに気付いてタケのパートをサラッと歌いながら「頑張れタケちゃん!」とカバーする「まろ」こと福田花音の素敵なフォローに心が動いた。

武道館行ってみようかな?

そう思ったけど、なんか「今までドン底を支えてきたヲタが見るべきだ」と変な遠慮が出て結局武道館は行かなかった。そして、その後のハロ!ステで公開された武道館映像を見て後悔した。やはり行けば良かったと。

【12分15秒くらいからスマイレージ武道館】

スマイレージはこんなに素敵なグループになっていたんだと衝撃を受けた。そして、急速にスマイレージが好きになった。

その後、3期が発表されグループ名が【アンジュルム】に改名され、2015年の正月ハロコンでアンジュルム改名一発目の新曲「大器晩成」が披露されて一気に僕の中のスマイレージことアンジュルム熱が爆発する。

【24分20秒から「大器晩成」初披露】

以来、アンジュルム初武道館での「シューティングスター」で感涙したり、まろ卒コン、4年ぶりのホールコン初日、めいめい卒コンなどなど数え切れない節目で彼女たちには泣かされてきた。

そして、今年の6月18日の武道館でスマイレージ、アンジュルムを10年ずっと支えてきたリーダーの和田彩花が卒業する。そのラストシングル「夢見た 15年」はスマイレージのメジャーデビュー曲「夢見る 15歳」のオマージュ、というか2004年にハロプロエッグとなった和田彩花の15年間を歌った曲なんだろう。しかもそれを作詞したのは先に卒業し作詞家となった盟友、福田花音というのだからストーリーは出来上がっている。

【スマイレージ「夢見る 15歳」MV】

昭島モリタウンの無料エリアで、そんな懐古をしているとリリースイベントがスタートした。「夢見た 15年」の衣装である全身白でコーディネートされたアンジュルムが登場した。写真より全然良い衣装だ。そして、あやちょは今日も大きな口を開けて笑っている。

「ああ、あやちょはたぶん、いつも泣きそうな時、泣くのを我慢する為に強がって笑うんだな」

そういえば、アンジュルム全員で海に行った時にサプライズ動画をメンバーがプレゼントした時も、贈ったメンバーがみんな泣いてるのにひとりだけ笑ってたって言ってたな。

なんかもう、そう思うとまだ一曲も歌ってないのに鼻がツンとしてきた。

リリイベ最後の曲が「夢見た 15年」だった。あやちょがセンターに立ち、グルッと円になってメンバーがあやちょを囲む。見ている僕たち含めて全員があやちょを囲んでいるような感覚になった。

もうその瞬間から半泣き。

あやちょソロから始まり、2期があやちょと歌い、3期が来て単独加入のかみこ、桃奈が続き6期が来て、新加入の7期が最後にあやちょと並ぶ。そして振り付けにも、それぞれの期ごとに過去の曲の振りが混ざっていて、最後の間奏ではデビュー曲「夢見る 15歳」のサビの振りが入っていた。

号泣。もはや昼間の屋外とか関係ない。周り含めて号泣である。対面にモリタウンのスタッフの女の人がこちら向きで立っていたが、関係ない。ものすごく複雑な表情されていたけど、そんなもの関係ない。

あの一曲にあやちょとスマイレージ、アンジュルムの15年が凝縮されていたのだ。そんなもの、泣くに決まっている。

そしたら、毎回だいじな落ちサビ担当の「ムロ」こと室田瑞希も号泣しだした。続くかみこも号泣。我慢してた勝田里奈さんも大号泣して歌えなくなるという大騒ぎ。

モリタウンの小さなステージが瞬間、武道館に見えた。

まだ新曲披露初日の単なるリリイベなのにこの状況。6月18日の武道館はメンバーもヲタも泣きすぎて頭痛くなる未来しか見えない。

モーニング娘。には道重さゆみという偉大なリーダーが伝説を作った。だが、あやちょは「伝説もエピソードもいらない」と言う。

そう言い放ってしまう和田彩花という存在が、もうすでに伝説と足り得ているのではないだろうか。

「なんか、ちょっとしんみりしましたねぇ」なんて他人事みたいに言いながら今日もあやちょは最後までケラケラ笑っていた。


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