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アンジュルムヲタ的視点で観た『ひなフェス2022』の所感

今年も無事にひなフェスが終わりましたね。現地に行った方、ライブビューイングで楽しんだ方、テレビやネット環境で楽しんだ僕のような方々、とても良い春の祭典だったという感想で満開だと思います。

本当にありがたいことに自宅に居ながら4公演全てを視聴できるという環境を整えてくれたアップフロントには感謝しかないです。

さて、何から話しましょうか。

川名凜のひなフェスだった

自分はアンジュルムヲタなので、アンジュルムのことから。アンジュルムはこれから発売される新曲を3曲とも披露してくれた。

MVも公開された『愛・魔性』は、すでに歌い込まれたように感じるほどの完成度。そして特筆すべきは9期メンバーの川名凜ちゃんだろう。

こちらのnoteでも書いたが、今までは同期ふたりよりも少し目立たなかった彼女が『愛・魔性』では堂々メインを張っている。そして、それはライブでの立ち居振る舞いでも変わらずに「私が主役!」という自信に満ち溢れていた。歌いながらのカメラ目線、笑顔、伸び伸びとしたダンス。全てにおいて大進化を遂げていた。

彼女に関してはアンジュルムプレミアムの時だけじゃなく、全公演を通して目立っていたと思う。シャッフルでもOCHA NORMAの広本瑠璃ちゃんとのデュオで『The 摩天楼ショー』を見事にパフォーマンスしていた。

なんでしょうね、もともとの声質もあるんだけど川名凜ちゃんは加入当時の上國料萌衣感があるように感じる。アンジュルムはグループの特性的にもメンバーが長くいる前提では応援できない。個人個人を尊重するからこそ個性が光って加入すぐでも自分を出せる環境だからこそ、そこでの気付きも速く、将来のことに思いを馳せる時期も早い。

かみこは「アンジュルムで叶えたい事があるから辞めない」とは常日頃から言ってはいるが、それでも最後は自分を大切にしてタイミング次第ではパッと卒業に気持ちが切り替わることは不思議ではない。

そんな時に、あのポジションを担える子は?

それが結構な大問題だった。だが、今回のひなフェスを通して全アンジュルムヲタが思っただろう。川名凜ちゃんこそ二代目上國料萌衣だということを。

そしてもうひとり。サブリーダーの川村文乃さん。去年マグロの一級解体師の資格を取って話題になったが、その時の副産物として自らも「声に強さが付いた」と言っていた。

まさにそれは今回のライブでも誰もが思ったことだろう。今までのキラキラしたスマイレージ声は残しつつ、その上に「強さ」が乗っかってくるようになった。

アンジュルムに燻る大きな問題のもうひとつ。リーダー竹内朱莉の後継者問題も彼女がいれば解決するんじゃないかと思わせられる。突き抜ける高音の安定感と迫力。川村文乃さんが身につけたものはアンジュルムを見守る者たちが抱いていた未来の危惧を払拭させてくれそうだ。

莉佳子のようなイケメンポジションだけ、いまだ空席だが、僕はそこには橋迫鈴ちゃんが収まっていくように思っている。今はまだライブ中に目立つことも少ないし歌割りも多くない。だが、彼女が持っている声の真っ直ぐさと音圧、それとダンススキルの高さは今から2年の間に開花すると確信している。変声期をむかえることもあるだろうから、体の成長と共にグングン頭角を現してくるだろう。

そう、橋迫鈴ちゃんは大器晩成なのだ。

前リーダー和田彩花さんも18歳を過ぎてから一気に歌も表現力も爆発的に進化した。鈴ちゃんも和田彩花の系譜のような気がしてならない。そして同時に無邪気な悪ガキ感を残していけば、莉佳子のような人たらしなアイドルになるように思うのだ。

そこに今やエースの覇王色を纏いだした伊勢鈴蘭がいて、憑依型の異名を得た為永幸音がいて、リトル愛理こと未来エース松本わかながいて、「あれ? 3年前からいましたっけ?」 こと加入4ヶ月にして桃奈の抜けたポジションを見事に受け継いでいる平山遊季ちゃんがいる。

アンジュルム最強。それを再確認することが出来た今年のひなフェスだった。と、感想の締めになってしまいそうだが、他の新曲も負けず劣らず2曲とも素晴らしいのだ。

『愛すべきべき Human Life』は去年一気にアンジュルムヲタへと覚醒してしまったアーティストの堂島孝平さんによる書き下ろし提供曲。まさかこんなに早く楽曲提供まで進むとは思ってもなかったのだけど、アップフロントの最近のフットワークの軽さと元からあるアンジュルム界隈に係わる業界ヲタの熱量の高さの融合なんだろう。

軽快なスカに乗せて「And You!(アンジュ!)」と連呼する歌詞が印象的で、ヲタクのコールが入った完成版が早く聴きたいと切望させられる素敵な曲だった。

もう1曲『ハデにやっちゃいな!』は今のアンジュルムの既定路線であるカッコよさを全面に推しだしている。作詞作曲は流石の山崎あおいさん。ただ、今回はそこにもう1個編曲の変化球が乗っかっていた。編曲は田中直さん。モーニング娘。プラチナ期の大名曲『SONGS』なんかを編曲していた方だが、最近はハロプロには関わること少なくなっていた。ジャニーズやLDH系の楽曲を作っている印象が強くなっていた方だからだろうか『ハデにやっちゃいな!』はどこか雰囲気がジャニーズっぽい。

そしてダンスもジャニーズっぽいチャラさがある。コレオグラファーはYUKA先生なのかな?ジャニーズとLDHの融合でYUKA先生ならパーフェクトマッチだと思うのだが、SHIHO先生っぽさも感じるからこちらもMVが楽しみだ。とにかく曲中の莉佳子が女ったらしで新規莉佳子夢女子を量産しただろうことは想像に難くない。

普段アンジュルムを観る機会のないハロヲタにも彼女たちの魅力が伝わったと思わせてくれる、そんなひなフェスだった。

野中美希の魅力に気付かない鈍感な人

長々とアンジュルムの魅力を語ったが、今回のひなフェスで唐突に野中美希さんの魅力に気が付いた。

去年の『ソロフェス!2』でもMVPに輝いた彼女は、なかなか新陳代謝の激しいアンジュルムヲタからすると停滞感の漂うモーニング娘。にあって現状を変えようとしているメンバーのひとりだと外野からは見ていた。

昨年末にエースだった佐藤優樹ちゃんが卒業し、彼女は更に色んな心境の変化があったんじゃないかと今回、ひなフェスでのパフォーマンスを観て感じた。それは「私がエースだ」という気概というか責任感というか自信というか、なかなか一言では言い表せられない感情が彼女に芽生えたんじゃないかと思ったのだ。

それくらいにモーニング娘。'22のパフォーマンスを観ていても、まーちゃんが抜けたことでダメになったなんて1ミリも感じさせなかった。それ以上にキラキラと輝く野中美希というアイドルに僕は魅了された。

佐藤優樹の代名詞でもあった『What is LOVE?』の「Is it necessary?」も野中美希さんが継承していた。まーちゃんとは違うアプローチで自分の武器である英語を活かした「Is it necessary?」のバリエーションに僕は奮えた。

つばきファクトリー/BEYOOOOONDSプレミアムでのビヨ『アツイ!』のカバーでも冒頭の小林萌花さんによるピアノパートを野中美希さんがピアノでカバーしていた。

初日のJuice=Juiceプレミアムでのシャッフルコーナーのソロでも『3,2,1 BREAKIN'OUT ! 』を力まずサラッと披露していて、貫禄すらあった。

そして何より髪型よ。ボブちぇる最高ですわ。

普段モーニング娘。をライブまで追っていないアンジュルムヲタなので、モーニングヲタからしたら「そんなの前からだわ」というツッコミもあるかもしれない。しかしだ、外から見る印象のモーニング娘。には停滞感があるのだ。

テレビなどで「いまのモーニング娘。」を語る時があると出てくるワードはいまだに「フォーメーションダンス」になっている。もう、そんなフォーメーションダンスなんて正直やっていないと思う。だが、世間的には'14の頃の「フォーメーションダンス」を超えるキャッチーさが出ていないのも事実。

僕は何度も言うようにアンジュルムヲタなので、過剰なまでの新陳代謝をこの数年で経験している。変わり過ぎるというのも弊害はある。ただ、それでもアンジュルムはそれを進化と捉えて成長してきた。

モーニング娘。もそろそろそういう時期なんじゃないかと思う。

時間はかかったが、12期以降が作る令和のモーニング娘。を僕は観たいと思った。観たいとは思ったが、今回の野中美希さんを観ているとこのまま卒業して自分の可能性に挑戦していくようにも思えてならない。

歌えて踊れて曲が作れてピアノも弾けるし英語も喋れる。

こんなハイスペックな人、なかなかいないのだ。

野中美希の魅力に気付かない鈍感な僕ではあったが、2022年になってその魅力に気付けた。できれば今年いっぱいは彼女の活躍を堪能したい。

はじめまして入江里咲ちゃん

ちょっとした発見としてJuice=Juiceの新メンバー入江里咲ちゃんを挙げたい。どうしても個人的にも江端妃咲ちゃん推しなのと、同じく同期の有澤一華ちゃんの個性に隠れがちで、今まで入江里咲ちゃんのことをちゃんと見れていなかった。

だが今回のシャッフルユニットで秋山眞緒ちゃん江端妃咲ちゃんと共に3人で歌った『情熱エクスタシー』で理解した。初めてJuice=Juiceにオーディションから加入させた実力は伊達じゃなかった。入江里咲ちゃん普通に歌唱メンだった。

Juice=Juiceも稲場愛香という大きな柱が抜けてしまうけれど、3人の新メンバーがいれば大丈夫だと思えた。いい発見だった。

虎視眈々と狙ってる後輩たち

つばきファクトリーは昨年の武道館で生まれた自信、そして現在行われている初のホールツアーというモチベーションそのままにハイパフォーマンスを魅せてくれた。

特に豫風瑠乃ちゃんは、人生何度目よ?と疑ってしまうくらい堂々としていて、ソロでの『ソラシド~ねえねえ~』も圧巻の歌声だった。豫風ちゃんの歌は観客を惹き付けるパワーがある。

「私は歌うことが大好き!」という想いが彼女の声には詰まっている。

BEYOOOOONDSの新曲『虎視タンタ・ターン』は良い曲ですね。

「タンタ・ターン」って『きらりん☆レボリューション』かよ。ヒャダインの曲か? と思ったらヒャダイン曲だった。ただし作詞は雨子先生。そして編曲ダンス☆マンという豪華布陣のディスコサウンド。王道の赤羽橋ファンクなのは全ハロヲタ大好物間違いなしである。

しかしビヨはスキルのバランスにおいて現ハロプロでも一番安定感があるんじゃないだろうか。この曲も低音から高音まで幅広い音域を使った難易度の高いナンバーなのだが、全く彼女たちにかかると簡単に聴こえてしまう。

ひなフェスは各グループが別のグループの曲をカバーするコーナーがあるが、ビヨが今まで外した記憶がない。今回もモーニング娘。の『LOVEペディア』なんか、持ち歌ですか? くらい完璧だった。

早く『虎視タンタ・ターン』のMVが観たいですね。

最後にOCHA NORMAです。デビュー曲『恋のクラウチングスタート』のパフォーマンスも板についてきた彼女たちですが、なかでも今回のひなフェスでは窪田七海ちゃんが良かったですね。

小田さくらさんとデュオでスマイレージの『新・日本のすすめ』を見事に披露しており、またバッサリと切った髪型も彼女の魅力が際立つイメージチェンジだったと思いますね。いいですね。

今はまだ米村姫良々ちゃんや石栗奏美ちゃんが人気も強いと思うけど、窪田七海ちゃん含めOCHA NORMAも高い実力を持つ逸材の宝庫。今後も飛躍的に伸びることは間違いないと思うのだ。

ハロプロ、春から明るい未来しかないわ。

と、なかなかハロコンが今までのような構成で開催できていない状況にあって、ひなフェスがハロコンのような全体お披露目の場になってくれたおかげで、各グループの現在地を確認できたのは考察好きなヲタクとしてもありがたいことだった。

願うことなら今年中に全ての規制が解除されてヲタクのコールに包まれた空間に戻れると良いですね。それを本気で願っています。


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