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#コラム

華麗に加齢な『47歳、V系』バンドマンの世界

V系、ヴィジュアル系が好きだ。去年までは日常的にライブハウスに通う日々だった。仕事帰りにスーツで高田馬場や新宿、渋谷、池袋へ息を切らせて行っていた。あの頃が、もう今は懐かしい。 2月に行った横浜アリーナでのナイトメア20周年ライブを最後に、もう半年ライブへ行っていない。何時になったら気兼ねなく当たり前にライブハウスに行けるようになるのだろう。あの日常の中の非日常的な空間に身を置く心地よさが、本当に懐かしい。 そんな中、Twitterでまた素敵なマンガに出会った。 若い頃

『夢中さ、きみに。』と『女の園の星』に見る令和時代の新しい“日常系”

最近は書店で新しいマンガに出会うより、Twitterの海で出会うことのが多くなった。これは本が売れなくなったこと、出版社が新刊を宣伝する体力がなくなったことと関係しているんじゃないだろうか。 編集部が(もしくは作者自身が)Twitterを使って1話分まるごとアップすることで“試し読み”の機会を作り出し、そこで話題になれば口コミでそのまま広がってくれるという流れが最近は主流になりつつある。 そう、まず読んでもらわないと始まらない。 その典型的なマンガのひとつが和山やま先生

はたして「不自由を常と思えば不足なし」と達観できるだろうか。

緊急事態宣言が解除された。だが、僕的には何も状況は変わらない。会社は、どうなるのかまだ分からない。このまま在宅勤務をしたいと要望は出している(主治医の診断書を添えて)が、はたしてどういう判断になるか。 世間やネット、テレビのニュースでも僕らみたいな基礎疾患を持って生活している人間の存在を忘れているんじゃないかと軽い被害妄想すらある。全然、話題に上がらないんだよなぁ。僕ら、どう生活していったら良いんだろね。 もちろん「自粛明けたから出歩くぞー!」なんて手放しで喜べない。どう

「#私を構成する5つのマンガ」で自分語りをしてみる。

「私を構成する」という括りでの5冊なので、僕の血肉になっているマンガを選んでみた。この5冊を骨格である『80年代の週刊少年ジャンプ』の上にまとって僕という人間が出来ている。 ■僕の進む道を決めた『まんが道(藤子不二雄A)』中学二年の時、学級文庫に『まんが道』の愛蔵版があった。もともとA先生のことは好きだったから手に取って読んでみて、その波乱万丈なマンガ人生と「トキワ荘の青春群像」に一瞬でやられてしまった。 『まんが道』が切っ掛けで映像クリエイトな仕事に就きたいと思うように

ドラマ『ふたりモノローグ』でソーシャル・ディスタンシングを学ぶ。

コロナ禍において、啓蒙的な映画として『コンテイジョン』が話題になった。9年前の映画だが、未知のウィルスによる世界的なパンデミックによるパニックを描いており、その内容が現実の状況と酷似しているという。 確かに「ソーシャル・ディスタンス」とか今や毎日のように聞く単語も沢山出てくるし、感染経路のリアルさやギリギリな対応策の取り方も現実と同じだ。だが、もはや以前よりも「そらそうだ。そんな対応じゃダメだわ」という冷めた気持ちにしかならなかった。 数あるゾンビ映画や『ウォーキング・デ

浮世絵の魅力を春画から学べる『写楽心中』

浮世絵が好きだ。世界中で芸術作品としての絵画は数あれど、浮世絵ほど幅広い解釈と楽しみ方が出来る文化はないと思う。そして現代芸術においても日本は独自の文化を誇る。そう漫画文化だ。 海外にもアメコミ、バンド・デシネなど漫画はあるが、日本の漫画ほど多様性に溢れたものは少ない。なぜ日本だけがこんなに漫画を文化として国民全体で共有できているのか? それは歴史に脈々と流れる日本画や浮世絵の血によるものだと思う。なかでも浮世絵は庶民の間に身近な存在として浸透していた。今でいうと写真集やプ

「ありがとう」を届けたい。

昨日、散歩に出かけたとき不思議な光景に出くわした。 とある路地に差し掛かると数人の人だかり。みなマスクをしてマンションの入り口を見ている。気になって見てみるとひとりの警官が防護服を着た人と話していた。 職質というより一緒に準備をしている雰囲気。そしてマンションからは人が不安そうに出入りしていた。すぐそばに病院があるマンション。 平時だったら野次馬根性で覗きにいくのだが、この状況で立ち止まっているのも怖いから、ものすごく気になったけど足早に立ち去った。 その後、病院の名

○○がんばらなくてもええねんで‼

藤原啓治さんが亡くなられた。 前の仕事の時に何度かお会いしたことあって、今の仕事でも一緒になったことがあり、そのたびに優しく気さくに話を聞いてくれて、野原ひろしそのまんまな人だった。 日々情緒が乱高下しているなかで訃報は精神的に追い打ちかけられる。ドラゴンボールでも探しに行きたい気分だ。ドラゴンボールがあるのなら、こんな状況なんて簡単に打破できるんじゃないか? もちろんポルンガでお願いしたい。 弘中アナとロバート・キャンベルの対談を読んだ。 仕事で「無理してまで」がん

澱んだ街角で僕らは出会った。

極力、普段の土日のような気持ちで過ごした。 目下の課題は、いまだにタブレットで絵を描く気になれないこと。全然、どのソフトが良いのかの検証も出来てない。来週は少しずつやろう。 カレー沢薫さんが、ギスギスした心になってしまうから「推しの話」をして気持ちを浄化しようと提言している。 本当に日に日にツイッターランドもギスギスした言葉が多くなっている。心の余裕がなくなるのは、その本人のためにもならないし、周りも影響を受けてしまう。影響を及ぼすのであれば、やはりこんな状況なんだから

息が詰まる毎日だけど、息が詰まるような『進撃の巨人』が今、面白い。

『進撃の巨人』が凄い。最新31巻がとんでもない。 多様性なんて糞喰らえだと言わんばかりの排他的な選民思想と差別、排斥、ヘイト、過去の呪縛に正義という名の暴力と負の連鎖。現代社会の闇の部分を剥き出しの状態で見世物小屋のように読まされているような居心地の悪さで吐き気がする。 諌山創という漫画家はとんでもないマンガを生み出した。 30巻で一気にクライマックスへ突入し、その衝撃に惹き込まれ貪り読んでいるのだが、全く心が追い付かない。一周半くらい回って正義と正義がぶつかり合いなが

お薦めWebマンガを多様性の観点から選んでみた

マンガ大賞2020が発表された。 大賞は『ブルーピリオド』が受賞した。まあ、妥当だったんじゃなかろうか。意外と珍しい美術マンガという題材がキャッチーであり、かつ月刊アフタヌーン連載という癖の強さも併せ持っていて僕も大好きな作品だ。 しかし個人的には来年こそ天才・田村由美先生の『ミステリと言う勿れ』が受賞することを願ってる。今年は6位でした。 マンガというよりも舞台演劇を観ているかのような静かな会話劇の作品。ほとんど主人公の久能整(くのう ととのう)くんがひたすら喋ってい

ビートルズとMRIの意外な関係

久しぶりにMRI検査をした。何年ぶりだろう。前回は偏頭痛が酷くて頭痛外来へ行った時に念の為、と言われて検査した。初体験だった。そして、その時に自分が軽い閉所恐怖症だという事を自覚した。 MRI検査をした人は分かるだろうが、特に頭の検査の場合は頭部が動かないように完全に固定される。それがまず辛い。そして顔全体も装置で覆われ筒状の機械に胸の辺りまで入れられる。この、機械に入れられる瞬間が一番怖い。「あ、もう見動き取れない。息も出来ない」そんな気持ちになる。生きたまま棺桶にでも入