お嬢様の恍惚 第1-5話「一触即発!」(未完結)

//////////注意!!!///////本作はD&Dシナリオ「ファンデルヴァーの失われた鉱山」を基にしたリプレイです。ネタバレを含みます。→第一話

ええい!こうなったら!
カウンターを絶妙な力加減でたたきつけ、酒場に音を響かせる
料理が軽く宙に舞うが、すべて元の位置に落下する
食べ物を粗末にするようなマネはしない

一斉に注目が集まる。そのつもりでやったのだから当然である
「シルダーさん!私もいくわ」

「あなたは...危険です!ここはあらくれや冒険者たちが集まる店、あなたのような方がいていい場所じゃない」
周囲がざわつく。私の正体にこころあたりのあるものもいるようだ。あらくれ姫...とか脳筋お嬢様...などど賞賛の声が聞こえてくる
「酒を飲んでいただけよ。自分のカラダは自分で守れるわ」
「そうはいってもあなたになにかあっては我々もただではすまないのです。さぁ、城へお帰りください。護衛をつけましょう」
「困っている人がいるんでしょう?バーバリアンである私の力が必要なはずだわ」
「しかし...お父上、お母上はご了承されているのですか?」
「もちろんよ!」
ウソである。こういうのは勢いが大事なのだ

「ポケットのモノをよこせ。有効に使ってやる。貴様には過ぎた代物だ」
ほかの人と話しているのに、おかまいなしに主張してくる。イヴェルだ
私がなにを所持しているのか把握しているようだ
これだからウィザードはこわいのだ。隠しているものがなぜ見えるのだ
「大切なものだからダメよ」
こういうタイプははっきりいわないとわからない。いってもわからないかもしれないが

「お上品なお嬢様に務まるのか?」ツンデレクレリックがこちらを値踏みしてくる
いやらしい目つきだ。素質を感じる。どうせただのクレリックではあるまい
「領民の危機に立ち上がらずしてなんの貴族か!なんとしても同行させてもらうわ!」
あ、つい貴族だとバラしてしまった。まぁいいか
「さすが貴族様はいうことが違う。ご立派だねぇ」
ほめ殺しである。こいつ私に惚れてるのか?
皮肉は本人が嫌がってこそだ。私にとってはご褒美でしかないということが、そのうちわかるだろう
「あなたのような人が口で言っても納得しないのはわかってるわ」
先ほどまで座っていた樽を真っ二つに割って見せる。グレイブで斬ったのだ
技術が伴っていればさほど難しくないが、心得のないものは何が起きたかわからないだろう
場内が沸く。ヒゲ面のオーナーの悲鳴が聞こえる。すまない...あとで弁償ね
「単なるパフォーマンスよ。実力の証明になるとは思ってない。戦いぶりを見てもらって、いらないと感じたらクビにするといいわ」
「そこまでいうなら構わないが...あしでまといにだけはならないでくれよ」
「約束する。そして宣言するわ。あなたの発言を撤回させてみせる」
「フンっ、どうだか...」

空気に耐えられなかったのか、ラジャが声をかけてくる
「あのう...ボクはラジャといいます」
この子は本当にいい子だ。やさしさの塊である
話を先に進めようという意思も感じる。良いリーダーになれるかもしれない

メンバーが揃ったようだ

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