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踊らないインド映画

昨晩眠れずにアマプラの一覧をぼんやり見ていたら、気になる映画を見つけた。

『めぐり逢わせのお弁当』

インド・ムンバイでは、お昼どきともなると、ダッバーワーラー(弁当配達人)がオフィス街で慌ただしくお弁当を配って歩く。その中のひとつ、主婦イラが夫の愛情を取り戻すために腕を振るった4段重ねのお弁当が、なぜか、早期退職を控えた男やもめのサージャンの元に届けられた。神様の悪戯か、天の啓示か。偶然の誤配送がめぐり逢わせた女と男のストーリー

ビジュアルを見てハッピーなラブストーリーも、いきなり歌い踊りだしそうなのも深夜に観る気分じゃないな、と思いつつ、インド欲が勝った。

まず、ダッバーワーラーというサービスがあるのに驚いた。各家庭からお弁当を集めランチタイムにオフィスまで届けてくれる。
毎日17万個以上のお弁当を配達し、携帯などの機器を使わず、エラー率は1600万個に1個という驚異の正確さ。凄い。
そもそもなんで自分でお弁当持っていかないのかと思ったが、インドはステンレス製の何段も重ねるお弁当箱が主流なのか、あれを通勤に持って行くのはちょっとジャマかもしれない。

そんな偶然な誤配送に気づいたイラはお弁当箱に手紙を入れ、2人の手紙を介した交流が始まる。
それぞれ孤独を抱えた2人は徐々に心を開きお互い気になっていくが、すれ違いが重なり会うことは出来ない。
会いたいのに相手を想うばかりに葛藤する気持ち。

「人は間違った電車に乗っても正しい場所に着く」

ラストは余韻を残して終わるが、きっと2人は行くべき場所に行けたんじゃないかな。
ダッバーワーラーの歌をバックにエンドロールが流れるのも良かった。いい映画に出会えてよかった。

インド映画はほぼ歌い踊るものという勝手な思い込みをしてごめんなさい。


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