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採用広報の題材における優先順位をとにかく追求して考えてみる

「採用広報の題材における優先順位はどのように設計すれば良いでしょうか?」

というご質問をいただくことが多数あります。
ポテンシャライトがこれまでに公開してきたブログの中でも、本課題を解決するようなブログは幾つか存在しています。
ただ、本課題を解決したうえで、1つの気づきがありました。それは、

「personについての採用広報記事は、追求すればするほど細かく設計できるのではないか?」

という内容です。
詳しくは後述するのですが、personに観点を置いた場合に、ペルソナ設計やメッセージング設計をかなり細かく実施することができます。これまでいかに乱暴に採用広報の設計をしてきたのか、という反省もしました。
ではご覧いただければと思います。



0. 採用マーケティングとは?

採用広報の話をする際に、「採用マーケティング」とは何か?という認識を合わせることからスタートしましょう。

採用マーケティングとは:
採用活動における「応募」に至る前のマーケティング活動のこと

採用広報は、採用マーケティングの1つの手法であり、同列にある手法としては「採用ピッチ資料」「採用動画」「採用ホームページ」などが存在しています。
続いて、採用広報についての共通認識もしておきましょう。


1. 採用広報について

本ブログでは、細かい内容は割愛いたしますが、下記ブログをさらっとご覧いただけると、本ブログの内容を理解いただきやすいかと思います。

ポテンシャライトの考えとしては、採用マーケティング/採用広報は、「誰に」「何を」「どうやって」「どこで」「いつ」という5項目を重要視しています。採用広報の設計をしようとなった際に、誰しも考えるのが「何を」に該当する「題材」です。もちろん「題材」は非常に重要ですが、題材以外にも設定すべき事は多数存在しています。
その中で「誰に」とは「ペルソナ設計」を指しており、「何を」以上に大事な項目かもしれません。
話を戻して、本ブログでは、採用広報の題材における優先順位をさらに細かく説明していきたいと思います。


2. 採用広報の優先順位について

結論としては、過去にブログにて説明したことがあります。

上記ブログで説明をしている内容については、当社ポテンシャライトのこれまでのノウハウをそのまま書いておりますので、自信を持って出せる内容になります。
ただ、本ブログを執筆している背景としては、1つの大きな課題が見つかったことです。それは、

「personの記事は、他の項目(題材)と比較しても、かなり細かく設計できるのではないか?」

ということです。
どういうことかというと、ポテンシャライトが推奨している採用広報の題材の優先順位としては、6P+SCMGODBという、「魅力の項目」に従って題材を設計していく手法です。つまり、候補者さまが魅力に感じるすべての項目において、複数ずつ採用広報の記事を書いていく、という手法をお勧めしています。
誤解がないように申し上げますと、御社が積極的にPRしたくはない項目を無理に執筆する必要はありません。一方で、自社の弱みを補填する形で、全項目における採用広報の記事を書く事は良いことだと思っています。このあたりは各社で目的意識を持って進めていくと良いかと思います。

そんな中、前述した通り personの項目のみ毛並みが変わってきます。
person「以外」の項目については、ペルソナに合わせた内容を記載するというよりは、「御社がどのような情報を伝えたいのか」に主眼を置いて設計することのほうが多いです。

例えば、philosophyや product、marketなどの記事は、様々な職種、バックグラウンドの方がご覧いただく採用広報の記事だと思います。そのため、すごく細かくペルソナを設計して書くというよりは、そして立場に合わせた内容を書くというよりは、「御社」を起点として何を発信したいのかを考えるほうが良いと僕は思っています。
一方で、personの記事、つまり、各社の社員の方に登場していただいて、社員のこれまでの経歴や前職の退職理由、そして現職への入社理由、仕事内容、仕事のやりがいなどを記載する類の記事については、明確な「ペルソナ設計」をしたほうが、内容が格段にシャープになります。もう少し詳しく説明すると、ここで言うペルソナとは「読み手」のキャリアやインサイトなどを指します。personの記事は、記事に登場するメンバーに大きくスポットが当たるため、そのメンバーのキャリアと同じようなペルソナ設計をすることが必然的に多くなります。そのため、person系の記事はペルソナが重要という事はご理解いただけるかと思います。

ここで1つ課題を感じたのです。
それは、

「どこまで細かくペルソナ設計をすれば、より効果的な採用広報の記事になるのか?」

ということでした。
ポテンシャライトは採用に強みを持っている会社です。ペルソナ設計については、一般的なマーケティング支援会社様のほうが強みを持っておられるかと思います。細かいマーケティングのノウハウについては、本ブログでは言及はしないのですが、ペルソナ設計の細かさは、追求すればするほど多数設定するべきだという事は一応理解しています。
そんな中で、採用マーケティング(採用広報)を設計する際に、特にpersonの記事を書くために設定するペルソナ設計については、ある程度狙いを持って進めた方が良いのでは?と常々感じていました。
そこで感じたのは、最低限必要であるペルソナの項目でした。
それは、

「年齢」×「細かい職種」

です。下記をご覧ください。

こちらはプロダクト開発における職種をペルソナ(ターゲット)分類し、年齢別に整理した表です。
例えば、バックエンドエンジニア職があった場合、

  • SIer出身

  • Web受託

  • Webベンチャー

  • Web大手

の4つのターゲットがあるとします。この4つにおいて、20代前半 / 20代後半 / 30代前半 / 30代後半 という年齢における分類も可能です。
そのため、16のマッピングができますが、インサイトはそれぞれ異なります。インサイトが異なるのであればメッセージングも異なります。


3. どこまでも深い「person」の採用広報について

前述しましたが、personにおけるターゲットを細かく設定すると、ターゲットごとにインサイトが存在し、インサイトを擽るようなメッセージング(魅力)も必要になります。
前項でバックエンドエンジニアの事例をお伝えいたしましたが、
前述した16の項目において、穴埋めをするような形で採用広報の執筆をするのは非常におすすめです。
ちなみにポテンシャライトの事例でいうと下記になります。

ポテンシャライトは何かしらの人材業界での経験をお持ちの方をターゲットにしています。一部未経験の方も採用をしております。
ちなみに、よく発生しているのは下記のような事象です。

  • 採用広報のインタビュー記事がないので、幾つか作成しようか

  • ただ、作成する工数もかかるし、取り急ぎ2人分の作成をしてみようか

  • 今いる社員の中で、話が上手な2人をピックアップした

  • 取り急ぎ、これまでの経歴/前職の退職理由/入社理由/今の職歴などをインタビューした

  • ただ、二人とも似通った内容になってしまった。これって良いのか?

闇雲にノー施策で動くと発生してしまう事象です。
正直、2018年頃は当社ポテンシャライトも同じようなことを発生させてしまっていることがありました。ただ、採用マーケティング/採用広報の支援を経験する中で、この「person」についての記事の「深さ」が分かってきました。
その深さとしては (整理します)、

  • personの記事は「何を」書くのか、よりも「誰に」見てもらうのか、だ。

  • 「誰に」が決まったら、そのターゲットのインサイトを想像すべきだ。

  • そのインサイトを突くための「魅力(何を)」をメッセージとして入れるべきだ。

  • ただ、そのメッセージを話すことができるインタビュー対象者を選定すべきだ。

  • あれ、インタビュー対象者の経歴が細かく異なるな。異なりは何の要素なのか?

  • 分かりやすいのは「経歴」と「年齢」だな。

  • この「経歴」と「年齢」をマトリックスにしてみようかな。

  • 当社の事例でマトリックス化してみると、15の枠があるな。

  • あれ、ということは15のターゲットがあり、それぞれインサイトが異なるんだろうな。

  • 「誰に」「どんなインサイトを」「何の」内容で書くかに寄り過ぎていたな。

  • そうではなくて、ターゲットを細かく分けるとこんなにも拘ることができるのか。

という感じです。
Personは細かく分類をすればするほど拘ることができますし、バックエンドエンジニアの求人でも8つ以上にターゲットを分けることができますね。
そして、このタイミングで別の課題(気づき)が発生したのです。それは、

personの記事において、「入社理由」と「入社後に感じたその企業の魅力」は異なるのではないか?

person観点の記事は、あらゆるPRができます。なぜならば、あらゆる魅力の項目を入社インタビュー等でPRすることができるからです。person以外の魅力項目における記事は、ある程度メッセージが限定されます。なぜならば、魅力項目を限定しているからです。一方で、各personが感じる魅力は本当に様々です。むしろ、御社が定義している全魅力項目を網羅することも可能なのです。

話を戻して、person観点における魅力の発信については、前述した通り「入社理由」と「入社後に体感した魅力」で、多少メッセージングが分かれるのかなと感じました。
「入社理由」は、入社「前」にその企業へ感じた魅力になるかと思います。つまり、その企業で働いたことがない中での、求人広告に記載されている内容や、面接などで感じた魅力を指します。
「入社後に体感した魅力」は、文字通り入社「後」に感じた魅力になるかと思います。つまり、実際に入社してみてどのような魅力を感じたのかを指します。
この2つは追求しようと思えば深いと感じており、入社前後のギャップは誰しも感じるものなのではないかと思っています。入社前に良いと感じていたけれども入社後は微妙だった。逆に、入社前は微妙だと思ったけれども、入社後はすごく良かった。後者のほうが明らかに良いわけで。
もう一つの考え方として、入社前はこの魅力を感じなかったけれども、入社後はこの魅力を感じた。これはすごくポジティブだと思います。他の候補者さまも、同じように入社前にその魅力を感じていない可能性も十分にあるわけです。

話が行ったり来たりしてしまったので、整理をすると、
「入社前に感じた魅力」と「入社後に体感した魅力」を率直に社員インタビューとしてヒアリングすると、御社様にとってもすごく有意義な内容になるのかなと。つまり、候補者さまの場合は間違いなく入社「前」に該当するわけで、入社「後」に感じた魅力は新鮮に感じる可能性が高いわけです。その辺りをうまく設計して、意図的に候補者さまに気づかせるような採用広報のメッセージングができると、なお良いのではないかと感じました。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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