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必ず知っておくべき person の域を超えた「fellow」という概念

「エンジニア採用において、エンジニアのみが選考に登場するのではなく、別の職種のメンバーも出た方が良いですかね?」

先日、こんなご質問をいただきました。

まさにその通りで、エンジニア採用をする場合、エンジニアの周辺職種の方に選考(面接/面談)に出てきていただいて、それぞれの価値観をアウトプットした方が双方安心感があるのではないかと感じています。

本ブログでは、新しい概念である「fellow(フェロー)」について書きたいと思います。


1. 「fellow」とは

冒頭に記載をした「fellow」とは何かと言うと、「仲間」という意味合いを込めています。

ポテンシャライトが定義をしている魅力の項目である「6P+ CGM+tech」にある「person」と言う項目があるのですが、このpersonについてそこまでこれまでは言及している事はありませんでした。

なぜならば「person」と聞いて、その概要をイメージできない人のほうが少ないでしょうし、何より採用広報のインタビュー記事で「社員インタビュー」は主流かと思います。つまり、採用活動/採用マーケティングにおいて「person」は外せないピースであり、且つ 世の中に浸透している、そう感じていました。

今回、わざわざ「fellow」と定義したのは理由があり、「person」よりもその「周辺」を強く意識していただきたかったからです。

どういうことかと言うと、下記をご覧ください

これまで
「自分が選考に進む職種の方々」のインタビューを重点的に確認

これから
「自分が関わるであろう職種の方々」のキャリア/価値観を意識的に確認

上記を意図的にアウトプットすることによって、採用力も向上するでしょうし、間違いなく御社の新たな採用活動における武器になる、そう思っているのです。

結論が最後になってしまいましたが、「fellow」とは、自分の職種の「周辺職種」の方々のキャリア/価値観だとご理解いただければと思います。


2. 「fellow」における 「周辺職種」 とは何か

1つ事例をお話しさせてください。

あるエンジニアさんからこんな質問を受けました。

「選考のフェーズにおいて、このような依頼をしていいかわからないのですが、プロダクトマネージャーの方とご面談の機会をいただく事は可能でしょうか?」

このご質問をいただいて、「なるほど」と納得感がありました。

解説をすると、その求職者様はプロダクトの「思想」を重要視していらっしゃいました。プロダクトの思想は会社の Mission / Vision に紐付くものであり、 Mission / Vision が明文化されているのであれば、すなわちプロダクトの「思想」も伝わっている、そう僕は思っていました。

ただ、冷静に考えてみると会社の Mission / Vision はもちろん重要であると同時に、日々共に仕事をしていくプロダクトマネージャーのこれまでのキャリア/価値観を知ることによって、そのエンジニアさんがその企業にマッチするかを確認するためには、非常に良い材料だと感じたのです。

話を具体的にしていくと、

エンジニアさんにとって、「自分の意思」が反映されずに、ただ依頼をされた開発業務をこなすことを続けることを本望とする方は、ほぼいらっしゃらないのではないかと思います。

とは言いつつも、プロダクトの「企画」はプロダクトマネージャーのメインタスクであり、そこにどれだけ口を挟めるかは別として、ただ、プロダクトマネージャーがどのような「思想(価値観)」でプロダクト開発をしているのか、については必ずと言っていいほど確認したほうが良いと思います。

なぜかと言うと、会社の代表や取締役と比較しても、プロダクトマネージャーのほうがプロダクトの決定権を持っている場合もあるでしょうし、思想/価値観が大きくプロダクトに反映されています。その思想/価値観にエンジニアやUI/UXデザイナーが「共感」できていないと、長く働くことは難しいかと思います。

一方で、この「思想」の共感を適切な選考フェーズで求職者様にお伝えしている企業様はそこまで多くはないのではないかと感じています。

昨今の採用マーケティングにおいて、

自分と最も近しい「自分と同じ職種」の方の採用広報記事は従事していることがあるかと思いますが、その周辺職種の方の採用広報記事を、意図的に候補者様に読んでいただく

と狙いを定めている企業様は、少ないのではないでしょうか。


3. 「周辺職種」とは何か

あらゆる事例を見てみましょう。

 3-1. エンジニア(内)の周辺職種

まずは前述したエンジニアの周辺職種を細かく記載してみます。

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👆 会社の規模感によって、ここまで職種を分類できている/できていない事はあるかと思いますが、仕事で関わる方はこれだけいらっしゃいます。

 3-2. プロダクト開発の職種

次に「プロダクト開発」という視点で下記をご覧ください。

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前述させていただいたプロダクトマネージャーも登場しておりますし、エンジニアやUI/UXデザイナーも、もちろん仕事を共にすることになります。

 3-3. ビジネスサイドの職種

いわゆる「ビジネスサイド」です。

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上の図の通り、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスと密接する職種があるかと思うのですが、組織が大きくなるにつれて割と縦割り(分断)になることが多いかと思います。そのため、メンバークラスの方は隣の職種の方とコミニケーションをとる機会が場合によっては少ないかもしれませんが、隣の職種の価値観や目標値などは非常に重要であり、なぜならば自分の業務に大きく影響するからです。

この職種に携わっている方には釈迦に説法かと思うのですが、事例を少しご紹介すると、

例えばマーケティングの方が「リード数」に偏重したマーケティング戦略/戦術を設定し、動いたとします。何が起こるかと言うと精度が低いリードが集まります。となると、インサイドセールスの方/フィールドセールスの方がそこまで顧客のニーズが高くない状態で提案をしなくてはならなくなります。すなわち受注率は下がるでしょうし、カスタマーサクセスが管轄する契約継続率にも大きな影響があるのではないかと思います。

隣接した事例をもう一つ。
よく発生するのは、フィールドセールスが強引に受注し、カスタマーサクセスが苦労するパターンでしょうか。当社もOpelaというSaaSツールを拡販しているため、これは痛いほど理解しているのですが、目先の売上に拘りすぎてしまうと、結果的に解約率が非常に高くなります。「フィールドセールス」という狭い範囲において最適化を進めると、結果的にその周辺領域に悪影響が出てしまうパターンです。

本ブログで伝えたいことと少々ズレてしまいましたが、あなたがカスタマーサクセス部門で選考活動が進んでおり、カスタマーサクセスのチームの方々との価値観マッチをしたとしても、どうしても影響が出てしまう、いわゆるセールス部門の方々との価値観がマッチしていなければ、幸せになることは難しいのではないか、と思っています。


4. 各ポジション(職種)における「fellow」 重点職種

まず、下の図をご覧ください。

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各職種におけるfellowを並べました。見方としては、最上段のサーバーサイドエンジニアは、「エンジニア各種」「UI/UXデザイナー」「プロダクトマネージャー」との価値観マッチは見ておきましょうね、という意味合いです。

各職種において、近しい fellow は異なるでしょうし、そのあたりは各社で設定いただいても良いかもしれませんね。


5. 日々重要性が増している「BTD」という概念

皆さん、「BTD」という言葉はご存知でしょうか?

B:Business
T:Technology
D:Design

「BTD」は上記の言葉の頭文字をとった略語です。昨今の市場において、Businessだけに長けていても、Technologyだけに長けていても、Designだけに長けていても、事業はうまくいかないことを謳いたいがゆえに出てきた言葉、と個人的に認識しています。

組織において事業の進め方、強み、価値観は様々かと思いますが、間違いなく言える事としては、各職種(領域)が縦割りになっていては円滑に事業を進めることはできません。その上で、隣接する職種とのコミュニケーションは必須でしょうし、何より価値観がマッチするかは知っておきたいところだと思います。

仮に、

B:Business        Biz Dev / PdM
T:Technology   エンジニア
D:Design           UI/UXデザイナー

と定義した際に、この3つの職種において価値観がマッチする人材が揃っていたとしたら、非常に仕事がしやすい環境が揃っているのではないかと思っています。仮に、各職種が縦割りで分断されており、且つコミュニケーションが弱く価値観がマッチするかしないか分からない状態であれば、ミスマッチも起こってしまうのではないか、と思っています。


6. fellowを採用活動にどのように活用するのか?

本ブログで詳しく説明をしたfellowについて。具体的な活用方法についてお話ししたいと思います。

 6-1. fellowの採用広報記事の提供

fellow(隣接する職種) の採用広報の記事は効果的です。例えば、エンジニアの方にプロダクトマネージャーの採用広報の記事を提供する、またプロダクトマネージャーにBiz DeVの採用広報の記事を提供する、などは必須で実行したほうが良いかと思います。

 6-2. 「音声」「動画」の提供

前述した 6-1 とやや重複しますが、fellowが実際に話をしている音声/動画は非常に効果があるかと思います。なぜならばテキストだとどうしても雰囲気が伝わらないことが多く、音声/動画のほうが雰囲気が伝わります。喋る癖などを知ると、その方の人情も伝わってくることが多いため、効果があるかと思います。

 6-3. fellowに面接/面談に登場してもらう

fellowとの価値観マッチを確認するには面接/面談に出ていただくことが最も効果的です。実際に話をしてみて、どのような価値観なのかを確認し、すり合わせる作業はしておいたほうが良いかと思います。

「何を確認/提供すれば良いのでしょうか?」というご質問をいただきそうですが、基本的には「現職においてfellowに何を求めていたか?何を事前に知っておいたらもっと仕事がしやすかったのか?」という部分が論点になるかと思いますので、そのあたりをご準備ください。

最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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