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対極の要素をあえてPRする「デュアルアトラクト戦略」

「魅力を照らす角度を2方向にしてみてはどうか?」

そんな気づきを得たのが最近のことでした。
「魅力を照らす角度を変える」この言葉は、ポテンシャライトが創業した直後から使っていました。ただ、この言葉の深い意味を、最近感じることができ、且つこの言葉が直近の支援企業さまの魅力設計における課題解決となりましたので、ブログにしてご紹介させていただければと思います。




0. 採用活動における「魅力」とは?

採用活動を実施する際に、どの企業さまも感じることであると思うのですが、「自社の魅力とは何なんだろうか?」と言う問いが発生します。

少子高齢化が拍車をかける形で、売り手市場はさらに加速しており、採用活動において自社の紹介文を淡白に書いたとしても、応募をいただける事はほぼありません。そのため、自社の魅力をうまく表現するために試行錯誤を重ねるかと思うのですが、そもそも「魅力」とは何なのか?と言う問いの回答をお持ちの方は少ないように思います。

「魅力」とは:
事実を相対比較/希少価値観点を加えたもの

このように僕は定義しています。

こちらをご覧いただければイメージが湧くかと思うのですが、皆さまが採用活動を実施する際に「事実」の記載にとどまっている事は多いのではないかと思います。そのため、当社が採用活動のご支援に入る際には、事実を魅力に変換させる作業を実施しています。過度に自社を大きく表現するのではなく、どのような「要素」を加えれば、事実が魅力に変換するのか?を考えつつ採用ブランディングと言う支援において活用しています。ただ、ここ最近1つ気づきを得ることがあったのです。

0-1. 「潜在的な」自社へのイメージ

当社は、いわゆるベンチャー企業さまの採用支援に入ることが多く、支援企業さまの「認知度」は、低い状態から支援がスタートすることがほとんどでした。そのため、発信をする内容自体も、候補者さまが「初見」であることがほとんどで、その情報を見て初めてその企業のことをインプットする、そんな支援がほとんどでした。一方で、直近2年間程度において、いわゆる「著名企業」のご支援が増えて参りました。

署名企業は、既に候補者さまから「認知」されていることがほとんどです。そのため、「あ、この企業さまは知ってるぞ、ただなぜエンジニア採用をしているのであろうか?」と言う問いを候補者さまが自然と持っていただけることが多いです。エンジニア採用、と記載しましたが、著明企業さまから当社にご依頼をいただく場合は、エンジニア採用であることが多いです。なぜならば、著名企業さまの長い歴史の中で、エンジニア採用の経験が少なく、当社のようなIT業界の採用の経験を持っている採用支援企業に声をかけていただける、そんな認識を持っています。
そして、いわゆる「メガベンチャー企業」クラスの企業さまは、本項の冒頭に記載をした「ベンチャー企業」と次に記載をした「著名企業」の間に位置するカテゴリーです。メガベンチャー企業も候補者さまから一定の「認知」をされていることが多いです。ただ、ここで1つ問題が発生します。それは、

「その企業(メガベンチャー)への認識が誤っていることがある」

です。例えば、「サイバーエージェント社」という名前を聞いたときに、皆さまはどのようなイメージがありますでしょうか?サイバーエージェント社へのイメージの記載は、本ブログでは割愛いたしますが、おそらく100人に意見を聞いたら、それぞれの認識があるのではないかと思います。本項でお伝えしたい事は何かと言うと、「長年蓄積されたその企業への認識は、候補者さまの頭の中でイメージとして膨らみ、そしてその認識が「事実」と齟齬を産んでいる可能性がある」ということです。

0-2. 「事実」との齟齬とは?

「久々に会ったけれども、少し雰囲気変わった?」と言う言葉をかけられたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?人間は数年/数十年経過すると容姿はさることながら性格も変わっていくものだと思います。
これは「企業」においても同じことが言え、年数を重ねるごとに事業内容やカルチャーが変わりゆく事は発生し得る可能性が高いと思っています。

一方で、人間はその企業さまと「触れた時点」の情報のみを蓄積します。そのため、仮に3年前にその企業と触れた経験があるのであれば、3年前「時点」の情報のみを覚えていることになります。3年間で変化をしている場合は、その情報は持ち合わせておらず、候補者さまは「誤認識」をしていることにつながります。前項と本項で少々複雑な話をしてしまいましたので、話を整理すると、候補者さまは、企業への潜在的なイメージを持ち続けている、ただ、企業は年々姿や形を変えていく、その複雑な2者間におけるイメージギャップが発生している中で、どのように情報をアウトプットすべきなのか?こんな課題を持つことがありました。


1. 大手企業VSベンチャー企業と言う問い

おそらくこの問いについては、誰しも少しは触れたことがあるのではないかと思います。就職活動/転職活動をされたことがある方であれば、「自分はベンチャー企業にマッチしているのか?大手企業にマッチしているのか?」という問いを自分自身に投げかけたことがあるのではないでしょうか?大手企業とベンチャー企業における一般的な認識としては、下記の通りだと思います。

大手企業

  • 規模感が大きい

  • 安定している

  • 財務状態が良い

  • 複数の事業を持つ

  • 歴史が長い

ベンチャー企業

  • 規模感が小さい

  • 挑戦できる

  • 売り上げは少ないが、今後大きくなる可能性がある

  • 単一の事業を持つ

  • 歴史が浅い

あえて「対極」する内容を羅列してみました。
この5つの要素を比較してみると、各候補者さまの価値観や性格によって、どちらを選ぶのかは明瞭に決まってくるのではないでしょうか?僕の感覚で言うと、日本の全就業者である約65,000,000人にこの質問をしてみると、大手企業を選択する方が85%、ベンチャー企業を選択する方が15%、そんなイメージを持っています。当社がベンチャー思考の比率を上げたいと言う思想を持っている事は一旦置いておきながら話を進めるのですが、これが実態だと思っています。

話を本題に進めると、

「安定と挑戦は共存できないのか?」

と言うシンプルな問いが生まれます。「安定」と「挑戦」。皆さま、どのような意見を持ちますでしょうか?この2つは対極構造にあるように採用/転職市場では扱われているように個人的に思っています。
「いや、そうではない」と言うご意見をお持ちの方はいらっしゃるかもしれませんが、一般的には対極構造であると捉えている方の方が多いように思います。少し話を遠回りしましょう。

1-1. 「ホーム(安全性)」と「エッジ(挑戦)」の共存について

最近発信を増やしておりますが、当社は「発達指向型組織」を目指しています。詳細に知りたい方は下記ブログをご覧ください。

発達指向型組織は3つの要素が含まれている組織だと言われています。その3つのうち2つが「ホーム(安全性)」と「エッジ(成長/挑戦)」になります。心理的安全性という言葉を聞いたことがない方の方が少ないような時代になって参りましたが、いわゆるその類に該当するのが「ホーム」になります。よくブログで記載していますが、僕自身は「心理的安全性」という言葉をこれまで敬遠していました。なぜならば、心理的安全性が目的になると、会社が「ゆるい」雰囲気になると考えていたからです。
ただそれは過去の話で、ある企業成長の「土台」となるのが安全性であると体感しており、今は安全性を作ることが企業成長の本質的なポイントになることを深く認識しています。ただ、「安全性」と「挑戦」という言葉は、さすがに対極にあるように思います。ただ、ここで1つ問いが思い浮かんだのです。

「あなたが成長したいのは、なぜですか?」

この問いに、絶対的な議論を持っていらっしゃる方にお会いした事は、僕はほぼありません。むしろ、この問いに対して、議論/対話をする機会はそこまでないように思えます。この問いに対して直接的な回答を今ブログではしないのですが、僕の意見としては、成長が「目的」になっている方は、成長するための「プロセス」が「やらねばならない」と言う思考が大きく上回ると考えています。一方で、「成長は結果だ」と捉えている方は、成長がそもそも目的にならないため、日々挑戦をしている仕事において、そのプロセスを楽しんでいる方も多いように思います。何を申し上げたいかと言うと、「挑戦」について、ベンチャー企業にお勤めの方であれば「挑戦することが当たり前であろう」と思われていらっしゃる方が多いかと思いますが、ただ、

「あなたの挑戦は、「やらねばならない」から創発していますでしょうか?」

と言う問いに対して、「そうかもしれない」と思っていらっしゃる方は、常に「挑戦」と言う妖怪に取り付かれている、言い換えると「挑戦」と言う亡霊に付きまとわれているのかもしれません。
一方で、「挑戦」をする際に、圧倒的な「ホーム(安全性)」がある場合はどうでしょうか?僕はメンバーにこんな言葉をかけることがあります。「自分の能力を凌駕する挑戦については、怖いのは当たり前だと思うけれども、失敗したらすべて俺が責任を取るので、背中を預けて頑張ってみなさい。」これはメンバーから言われて気づいたことなのですが、僕はこのような言葉をメンバーにかけることがあるようです。無意識的にこのような言葉をかけていたと感じたのですが、これを思っている事は事実です。

何を申し上げたいかと言うと、「安全性がある挑戦とは、どのようなものなのか?」そんな問いが生まれます。
「安全性がある挑戦」という言葉自体と、僕は出会った事はありません。ただ、前述した通り、「挑戦」を「やらねばならない」と捉えている方が多いように思います。(そもそも「挑戦」を進んで実行する方が少ないかと思いますが。)これは僕の予想に過ぎませんが、「安全性がある挑戦」であれば、多くの方が「その環境であれば行きたい」と言う意見を持つのではないか?と思っています。

「孤独に1人で難易度が高い挑戦をしなさい。誰も助けません。」
「全員で応援する。特に上長は最大限フォローアップする。失敗したら上長の責任で良いから、背中預けて挑戦してみよう。」

前者も後者も「挑戦」であることは変わりません。ただ、前者は「安全性がない挑戦」であり、後者は「安全性がある挑戦」になります。ここまで回りくどく説明した理由は何かと言うと、「安全性と挑戦と言う対極構造にある(可能性がある) 2つの要素において、共存できる場合がある/組織があるのであれば、最高なのではないか?」と言う問いを皆さまに感じていただきたかったからです。


2. 対極構造にある要素は共存できるのか?

  • 安定 vs. 挑戦

  • 楽しさ vs. 厳しさ

  • 自由 vs. 制約

  • コラボレーション vs. 自律性

  • 安全 vs. リスク

  • 静けさ vs. 活気

  • 学習 vs. 実践

  • 静的 vs. 動的

  • 短期 vs. 長期

  • 独創性 vs. 標準化

  • 成果主義 vs. プロセス重視

  • イノベーション vs. 保守

序盤に結論を記載しましたが、これらは「対極構造」にあると思っています。もし皆さまがある組織に所属すると仮定した際に、その組織はおそらくこの全項目におけるどちらかに該当してるはずです。もちろんその中間地点にある組織もあるはずです。

1つ目に「安定vs挑戦」がありますが、これは先ほど説明したのでわかりやすい問いであると思います。2つ目以降についてもおそらく皆さまがどちらを選べば良いのか?と自問自答することが多いように思えます。そして、前述した項目について、これらは「対極」とあえて本ブログでは表現して参りましたが、「対極」にも関わらず、「共存」することができるのではないか?と言う課題提起が本ブログのメインテーマになります。
(ここまでお読みいただきありがとうございます、これまで記載をした文章は、本ブログで課題提供したかった内容の「文脈」を理解いただきたかったため記載しました。)
ただ、この対極構造にあるこれらの関係は、共存できるのではないか?と言う意見を僕は持っています。2つのみピックアップして説明します。

  • 楽しさ vs. 厳しさ

    • 楽しさ

      • 会社において、仕事やイベントを楽しいものとして捉える雰囲気がある。

      • プライベートにおけるイベントも多く発生している。

    • 厳しさ

      • 高い基準と目標に挑むことでプロフェッショナルとしての成長を促進している。

      • 厳しい目標設定により、達成感と自己満足を得られる。

  • 自由 vs. 制約

    • 自由

      • 自由な発想でアイデアを形にできる環境。

      • 自主性を尊重し、自分らしく働ける。

    • 制約

      • 会社のルールが存在しており、倫理破綻が起きないような仕組みがある

対極構造にある各要素における、組織においての事実/魅力を記載してみました。ここに記載がある内容について、好みはあるかもしれませんが、全項目において「あれば嬉しい」と思われた方は多いのではないでしょうか?僕はそう思います。もう少し具体的な話をしてみましょう。

2-1. 事業が出来上がっている / 出来上がっていない

確固たる事業内容が既にある場合とない場合について。
ある場合は、安心して仕事ができるでしょうし、ない場合は、挑戦の尺度が大きくなる、そんな所感をもたれる方は多いのではないかと思います。ただ、複数の事業を持っている場合はどうか?ある事業は成熟フェーズ、別の事業はアーリーフェーズだったりします。この場合、対極構造にある2つの要素を両方満たすことができます。もし仮に1つの事業(プロダクト)しか持っていない場合についても、「機能」ベースで捉えた場合は「成熟した機能」と「開発し始めた機能」があるため、見せ方は工夫できそうですよね。

2-2. コンサル vs. 実業

「コンサルに強い方は手が動かない場合がある」
そんなことを新卒1年目の時に上司から教わりました。コンサルタントは経営分析や事業分析を行い、事業戦略を立案します。ただ、それを「実行」をするという経験を持っていないコンサルタントもいらっしゃるかと思います。「計画」を立てるのと「実行」するのでは大きくスキルが異なります。計画を立てたとしても、計画通りに進まない事は多数ありますし、かつ「馬力」が必要な場面は数多く存在します。
一方で「実行」について。仮に実行力がある企業があったとしましょう。その企業は「計画」をそこまで立てずに、とにかく実行に強みを持つ。この場合は、「計画」に関するスキルが低い可能性があります。スキルというよりカルチャーなのかもしれません。
社会人でもよくある事例だと思うのですが、何か1つのことを始めようとなった場合に、まず「計画」から始める人と、まず「やってみよう」と手足が動く方がいます。どちらが良いのか否かは別として、両方重要である事は理解いただけるかと思います。

2-3. 成果主義 vs. プロセス重視

人事制度を事例に本項の説明をすると、どちらを重要視したとしても、一定の不満が発生します。成果ベースにすると「プロセスを評価してくれない」。プロセス重視にすると「成果を評価してくれない」、この不満は人事制度が存在している前提で一生起こり得る課題かと思うのですが、組織は「成果主義」なのか「プロセス重視」なのかは一定存在してると思います。
ただ、僕が社員であれば「成果」も評価してほしいし「プロセス」も評価してほしいのが本音です。二者択一なのか、両者を得るのか?と言う議論はさておいて、人間の性として二者択一にすると、頭では理解できていたとしても、無意識的に拒否反応が起きているのかもしれません。


3. 新ノウハウ「デュアルアトラクト戦略」について

本ブログのタイトルにも記載をしている「デュアルアトラクト戦略」についてです。ここまで読み進めていただければご理解いただけたかもしれませんが、対極構造によるあらゆる項目において、「デュアル」に魅力を打ち出していこう、そんな考え方です。最たる事例は、「安定 vs. 挑戦」でしょうか。
2024年時点において、当社ポテンシャライトは、この2つの対極した項目において、両者を得ていく会社となることを社員に公言しています。なぜならば、それが重要だと感じたからです。これ以外にも、「楽しさ vs. 厳しさ」や「自由 vs. 制約」など、あらゆる項目において、対極構造にあるものを得ていく予定でおります。

採用活動に話を戻しましょう。日々採用活動において工夫している皆さまは、これらのデュアルに対極している各要素において、どちらか一方のPR、もしくは中途半端なPRになっているのではないでしょうか?ただ、そうではなく、この対極にある2つの項目をうまくPRすることができると思っているのです。無理に両者の様子をPRしていただかなくても大丈夫ですが、新たな旅路に出ることが可能であると考えています。

最後に補足です。
本ブログは「デュアルアトラクト戦略の文脈」をお伝えしたく、文脈中心にブログを記載して参りました。そのため、さらに具体的な事例については、また別のブログで説明したいと思いますが、ピンときた方は、ぜひトライしていただければと思います。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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