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創業30年、事業シフトによって生じた新しい採用ブランディング事例のご紹介

「事業の軸を変えるので、採用ブランディングについても相談したいんです」

そんなご相談をいただいたのは2023年夏頃の事でした。

ふと、当社のお問い合わせフォームを通じてご連絡をいただいた、マスターピースさん。僕が新卒で入社したネオキャリアとは、採用活動でバッティングをすることが何回かあった記憶があり、社名は認識していました。そして事業内容もなんとなく認識していました。

マスターピースさんはBPOの事業であり、その業界の中で著名な企業さまである認識がありました。そんなマスターピースさんからのご依頼は、

「事業の軸を変えることにより、採用活動における見せ方を変えたい」

という内容でした。

僕にとってはすごくやりがいのある内容でしたし、何より社長さまと取締役の2名の方のお人柄が抜群に良く、ぜひお力になりたいと思い、お仕事をご一緒させていただくことになりました。

本ブログでは、そんなマスターピースさんの採用ブランディングの変革についてご紹介したいと思います。



0. マスターピース・グループとは?

マスターピース・グループさまは、海外に拠点を持ち、BPOサービスとデジタルマーケティング領域におけるリスクマネジメントをDXするグローバルオペレーションカンパニーです。 「ヒトとテクノロジーの共存によって人々の時間を豊かにする」をミッションに、「AIをもっと身近な社会にする」ことを目指し、コールセンターのAI化、デジタルリスクに対応するサービス、国をまたいだBPOアライアンスの構築など新たな取り組みを推進しています。

ヒトとテクノロジー(AI)の共存により企業活動における

①マーケティング(宣伝活動)
②カスタマーサービス(顧客対応)
③リスクマネージメント(危機管理)

においてコンサルティング、AIシステム提供、運用サポートをワンストップで提供する、次世代のAI×BPO企業さまです。 マスターピース・グループでは、中島さんへの代表交代から、今を第二創業期と位置づけ、新たなチャレンジや革新に取り組まれています。


1. どのような課題があったのか?

一言で言うと、「事業の先進性」だと、第三者的に感じておりました。
決してBPO事業が悪いというわけではなく、むしろ素晴らしい事業における、日本のリーディングカンパニーとしてマスターピースさんはポジショニングを獲得しておりました。

そんなマスターピースさんは新卒採用と中途採用を並行して行っており、特に20代の方の採用活動に強みがありました。20代の方はデジタルネイティブであり、IT/Webが当たり前のように周りにあった世代です。そのため、この世代はIT/Webにまつわる事業の方がイメージがつきやすく、且つ魅力を感じていることは個人的にも認識していました。

そんな中、代表の中島さんより、マスターピースさんが「AI」にまつわる事業にシフトしていく、ということについての発信があり、正直その時は「大きな決断」だと少々びっくりしました。詳しくは後述するのですが、BPO事業とAI事業は大きく離れており、事業シフトと同様にカルチャーも変えていかなければならないのかなと感じたからです。

話を戻すと、事業を大きくシフトすることによる「採用活動における見せ方」について悩んでいらっしゃったので、当社ポテンシャライトができることを提供させていただくことになりました。


2. 採用ブランディングの提供

当社のサービスの中で採用ブランディングがあります。採用ブランディングとは、採用企業さまの魅力の「発掘」「言語化」「整理」のことです。採用活動を実施しているほぼすべての企業さまが、自社の「魅力」を面接やスカウトメールで発信されているかと思うのですが、その魅力を整理できているかというと、話はまた別です。

また、魅力というのは「相対比較外」で生まれるものであり、つまり事業競合/作業競合をしている企業さまとの差分が魅力となります。そのため、当社のようなあらゆる企業の魅力を文言化した立場の企業にご依頼をいただくことも多くございます。

話を戻して、
前述した通り、マスターピースさんは「事業シフト」することによる、採用ブランディングの方向性の変革を希望されていました。且つ「BPO事業」から「AI事業」の事業シフトは、客観的に見ても大きな変革であり、どこまで抜本的に採用ブランディングの方向性を変革して良いか、当初は悩んでいたのが本音でした。

ただ、代表の中島さんにインタビューをするにつれて、「この企業は本気だ」と気づくことが多数あったのです。その気づきというのは、事業シフトにあたり「あらゆる要素」を意図的に変革していたことです。この要素について幾つかご紹介します。

 2-1. 代表者交代

マスターピースさんは2022年に創業者から、現社長の中島さんに交代しておられます。創業者さまのご年齢が1つの理由ですが、もう一つの理由は事業シフトでした。

マスターピースさんは創業30年以上が経過している企業さまです。創業者さまは30年にわたってマスターピースさんを経営してこられ、昨今の変化のある時代において30年の間 素晴らしい企業さまを成り立たせてきた方です。そんな中、大きな事業シフトをするにあたり、代表者交代というのは採用ブランディングにおいては良い材料でした。なぜならば、新規事業や事業シフトにおいて、立ち上げるだけであれば簡単ですが、本気で変革するのであれば、社内のあらゆることを変えなくてはならないからです。

例えば、「一休」と「ぐるなび」という事業内容/ビジネスモデルの非常に近しい2社があります。ただ、この2社の「顧客層」は異なります。一休は高級レストランが中心であり、ぐるなびは一般的な飲食店。つまり顧客となるお店の客単価が大きく異なります。顧客層が異なると、サービスを提供する側である企業(一休/ぐるなび)のカルチャーが異なります。これは僕の考えですが、社内のカルチャーを形成しているのは「顧客」が1つの要素になっていると思っています。なぜならば、事業内容は「顧客」が起点となっており、顧客のニーズに従って戦略/戦術を構築し、それを達成するためにバリュー(行動指針)が生まれるからです。

何が言いたいかというと、事業シフトにあたって変革しなければならないのは「事業」だけではなく、その他に付随する様々な「要素」の変革をする必要があるということです。その1つが、会社のトップである社長の交代となると、企業の本気度も見せることができますし、何より会社が大きく変革していくのだ、という姿勢を社内外に伝えることができると感じていました。

 2-2. ミッション/ビジョン

事業シフトをすると、ミッションとビジョンも多少変更する必要性が出てきます。

少し遠回りをして説明をすると、会社と言うのはミッション/ビジョンを達成するために存在しています。ただ、あくまで「事業」が起点となりミッション/ビジョンを構築する場合と、「ミッション/ビジョン」が起点となり事業内容を決定していくパターンもあります。どちらが正というわけではなく、鶏と卵のような関係性があるかと思っています。昨今におけるSaaS事業においては、個人的な考えとしては「事業」が起点で良いと思っています。なぜならば、SaaS企業にとってPSF、PMFが命なのではないかと思っているからです(本ブログでは詳細は割愛します)。

話を戻すと、今回の事業シフトによりミッション/ビジョンの変更を行う必要が出てきたのではないかと思うのですが、ここにも本気度を感じました。正直、企業の事業がシフトしたり、新規事業が大当たりしたり、また、その事業にシフトをしていく企業さまも存在している中で、ミッション/ビジョンを据え置きのままにされる企業さまも多く存在しています。その理由の一つは「工数」、つまりミッション/ビジョンを新しくすることが大変であること。もう一つは「論理性」、つまり既存事業と新規事業の合理的な繋がりが薄い場合に、腑に落ちるミッション/ビジョンを策定することは難しいこと。

そのため、マスターピースさんがミッション/ビジョンの変更を行なっていることは、採用ブランディング観点においてもポジティブな材料でした。理由は前述の通りですが、会社としての本気度を示すことができること。繰り返しになりますが、今回の事業シフトによる会社の様々な要素を1本の線に繋げている感がありました。

 2-3. バリュー

ミッション/ビジョン、そして事業シフトをしたことにより、もちろんの事、会社が求めるバリュー(行動指針)にも変化が出てきます。なぜならば、ミッション/ビジョンは事業内容が少なからず起因しており、そしてミッション/ビジョンを達成するために、必要な行動がバリュー(行動指針)だからです。
そのため、事業やミッション/ビジョンの変更にあたって、バリューが据置きである事は好ましいことではないと感じています。好ましくないというよりは「1つの線」で繋ぐ際に少なからず歪みが生まれてくる、と表現した方が適切かもしれません。そのため本件も同じように本気度を感じました。

 2-4. カルチャー

バリューとカルチャーは似たような文言ですが、本ブログでは下記のように定義します。

- バリュー:ミッション/ビジョンを達成するにあたっての理想の姿
- カルチャー:これまでの経営/事業活動において醸成された現在の姿

マスターピースさんのカルチャーは、創業30年もの間、ぶれないものがあったのかなと推測していました。そして、今回の事業シフトにより「意図的に」異なるカルチャーを取り入れている、と感じました。前述したバリュー/カルチャーの定義の話とは矛盾してしまうのですが、今回の事業シフトにより意図的に新しいカルチャーの構築をしようとしていると感じていました。
これは僕としてはポジティブに感じていました。なぜならば、顧客やサービスが多少なりとも変化していくと、少なからずカルチャーにも変化が起きると感じていたからです。

例えば、当社においても3つの事業が存在しており、ビジネスモデルが異なります。そして、サービスも異なりますし事業を成長させるポイントも異なります。ただ、当社ポテンシャライトの根本的なDNAは変わる事は無くとも、幾つか事業部独自のカルチャーがあって叱るべきだと思います。
そのため、今回のカルチャー変革においても、採用ブランディング観点においてポジティブな材料だと感じておりました。


3. 採用ブランディングシフトにおける施策

事業シフトにおける採用活動の見方の変更、つまり採用ブランディングシフトについての具体的な取り組みをご紹介したいと思います。

 3-1. 採用ブランディング整理

本ブログで何度も記載しましたので、詳細には割愛いたしますが、前項で記載した内容を文言で整理して参りました。
例えば、

事業シフトの背景
代表者交代について
ミッション/ビジョン バリュー/カルチャー
マスターピースでなければMVを達成できない理由
事業内容
競争相手との差別化
業界について

などです。

 3-2. 採用広報

今回の採用ブランディング内容をテキストで表現をする記事を執筆しました。
当社がマスターピースさんに感情移入をしていることもあり、かなり長文の記事となりましたが、今回の採用活動における魅力のアウトプットはできた気がします。もう少し書きたい内容もあるので、随時追加していきたいと思います。現状、アウトプットできている採用広報の記事は下記の通りです。

 3-3. 採用ピッチ資料

採用ブランディングを刷新したため、必然的に採用ピッチ資料も変更する必要がありました。
前項の採用広報と比較して、採用ピッチ資料は「スライド」になりますので、デザイン/クリエイティブを表現することができます。テキストだけで表現できることには限界がありますが、デザイン/クリエイティブにおける変更をうまく表現できれば、さらに会社の印象を変えることができます。

ただ、デザイン/クリエイティブは「感覚」の要素が強く、お客さまとのすり合わせが難しいことをこれまでの経験からも感じておりました。ただ、今回については、「これまでの会社概要資料とは異なるイメージにしてほしい」という、当社にとってはダイナミックなチャレンジをしやすいご依頼を頂戴しておりましたので、思い切った取り組みをすることができました。

採用ブランディングで整理した魅力を、採用広報にてテキストでアウトプットし、採用ピッチ資料にてスライド(デザイン/クリエイティブ)でアウトプットすることができました。

ただ、採用活動において、最も候補者さまに影響を与えることができるのは「面接」です。マスターピースさんは現場のメンバーを面接にアサインされており、面接においてどのような「発信」をするのかは、採用活動において大きな意味をもたらす事は言うまでもありません。

そんな中、こんなご依頼を頂戴しました。

「面接で候補者さまに対して有益で魅力的な話をするにはどうすれば良いか?」

当社のノウハウのインタビューエクスペリエンス (略称)の中に「面接/面談惹きつけトレーニング」というサービスがあります。文字通りのサービスですが、「面接/面談においてどのように惹きつける話ができるのか?」というトレーニングになります。

4. 面接惹きつけトレーニングの開始

マスターピースさんの社員の方々の中で、面接/面談に登場する方へ、本トレーニングを実施させていただくことにしました。

トレーニングについてはまた別のブログで内容のご紹介ができればと思うのですが、個人的には強い手応えを感じています。本トレーニングを実施したタイミングは、当社がマスターピースさんのことを深く理解した後でしたので、皆さんが様々な惹きつけ文章をお話しされる際に、魅力の尺度を恐縮ながら判断することができます。

そのため、今回の一連のご支援において「採用ブランディング」が軸ではあったのですが、テキストやスライドでの魅力のアウトプットに加え、「口頭」でのアウトプットまでご支援できた事は、当社としては大きな経験となりましたし、何よりマスターピースさんの作業力が向上する1つのきっかけを提供させていただけた気がしています。


5. 最後に雑談を2つ

1つ目はマスターピースさんの姿勢について。本トレーニングを受講してくださっているマスターピースさんのメンバーの方々は、本当に素直で謙虚で、そして吸収力があります。そのため、合計10回のトレーニングにおいて、前回のトレーニングでのフィードバックを次回のトレーニングで確実に反映してくださっている。トレーニングをする側としては、これほどやりがいのある事はありません。みるみるうちにトークのレベルが上がっており、まだ半分の実施にはなるのですが、これからさらにレベルupされると感じています。

2つ目は、マスターピース代表の中島さん、取締役の石川さんのお人柄について。
当社はサービスを提供する側になるのですが、とにかくダイナミックに自由に独創的にチャレンジさせてもらっています。もちろん、マスターピースさんにとって必要なことを提案させていただいておりますが、ここまで真摯にサービスを受け止めてくださる企業さまも、ポジティブな理由で珍しく、当社としてはぜひ採用成功をし、事業成長していただきたい企業さまの1社です。

少し話は逸れますが、サービスを受ける側と提供する側における「安全性」の違いは、昨今の世の中において高まっていると感じています。僕は社会人16年目になりますが、僕が新卒の頃は、サービスを提供する側が明らかに立場が弱く、「業者」のような立ち位置で仕事せざるを得ない時もあったことを覚えています。一方で、昨今においては、様々な価値観の許容をする文化が日本に浸透してきたからか、サービスを提供する側と受ける側の立場が同等になってきており、いわゆる「パートナー」のような立ち位置にあると感じていたりします。お互いリスペクトし合えるような関係性を築けると、サービスを提供する側からしても力を発揮しやすいと感じています。言うまでもなく、サービスを提供する側の「クオリティ」が一定担保できている前提ではありますが、マスターピースさんとはすごく楽しくお取引させていただいております。いつもありがとうございます。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。

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