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直近2〜3年で3倍に増加?RPO企業の「選定の仕方」

「最近、ポテンシャライトさんの同業企業が増えてますよね。」

2022年の年末ごろでしょうか。
当時初めてお会いした企業さまの社長さまから頂戴したお言葉です。当時は正直「同業企業が増えたとしても、当社がやるべきことを着実に実行していけば良い」と思って仕事をしていましたが、少なからず影響を受けていました。また、2024年4月段階においては、正直「すごく増えた」と表現すると適切なのでは?というほどの尺度で、同業企業が増え続けていると感じています。

本ブログでは、もし仮に山根がRPO企業の「発注者側」である場合、どのような観点でRPO企業を選択していくのか?について書きたいと思います。




0-1. RPO企業のプレーヤー増加について

RPO企業は年々増え続けている感覚を持っていたのですが、どの程度増えたのか?については、正確なデータを取ることが難しい実態がありました。なぜならば、ビジネスを行う上で免許が必要なく、明日からでも始めることができてしまうビジネスだからです。ただ、HR業界の方々とお話をすると「確実に増えた」と言う意見が多く、僕としても、どの程度の数が増えたのか、関心を持っていました。

そんな中、下記のアンケートを取ってみました。

あくまでも僕(山根)のフォロワーの方々が中心となる回答者層になりますが、参考になる結果が算出されました。結論としては、「直近2〜3年間で3倍に増えた」と言う結果となりました。この「3倍」と言う数字については、僕も肌感覚としては合っており、業界の方々も同じような増加数だと感じていたのか、と答え合わせができたような感覚でした。
もちろんこれが正確な数値ではありません。あくまでも参考値です。

0-2. HR系のフリーランス/副業の増加について

前項は法人企業についての話でしたが、本項についてはフリーランス、そして副業の方の増加についても顕著に感じておりましたので、そちらの界隈に詳しい方々にご協力をいただいて調査してみました。

具体的に調査をした内容としては、副業/フリーランスのプラットフォーマーの方々に、直近2〜3年の間に、HR系のフリーランス/副業のご登録者がどの程度増加したのか?と確認をしてみました。結果としては、「3倍」と言う結果となりました。
前項で記載した通り「法人企業側」も3倍であったと同時に、HR系のフリーランス/副業の方々も3倍程度になっていた事は偶然なのか、必然なのか、時代の流れが非常によくわかる結果となりました。
※繰り返しになりますが、あくまでも僕が取得したデータに過ぎませんので、参考値としてご理解ください。

0-3. 3倍という数値をどのように捉えるか?

業界プレイヤー(法人企業)の数が3倍になったことのインパクトは、非常に大きいです。本ブログでは採用企業側の社数には言及しませんが、仮に採用企業側の社数が変わらない、と仮定した場合に、業界プレイヤー(RPO側)の社数が3倍に膨れ上がっていた場合は、シンプルに僕らがお付き合いができる企業が3分の1になるわけです。また、HR系のフリーランス/副業の人口が3倍になった場合、そのインパクトも発生します。当社が少なからず影響を受けたことも納得できた結果となりました。

ただこの数値は、僕ら業界プレイヤーにインパクトがあったと同時に、本ブログをご覧いただいている「採用企業側」の皆さまにも大きな影響を及ぼしていると強く感じておりました。


1. RPO/HR系のフリーランス/副業の増加が採用企業側に与える影響について

少々ネガティブな話をします。ご了承ください。
2022年の年末頃からだと思います。採用企業側の方々とお話しをさせていただく際に、強い違和感を覚えることが多くなりました。

それは、「なぜこの募集職種で、この採用手法を選定したのか?」

例えば、フルスタックエンジニアの募集を大手求人サイトを用いたり、プロジェクトマネージャーの採用をスタートアップに強い求人サイトを用いたり、など採用に詳しい方からすると違和感があるような採用手法の選定をされている企業が増えた、そういった意味になります。なぜこの採用手法を選定したのかを聞いてみると、「他の方からオススメいただいた」との事でした。
当社ポテンシャライトの知見だと、その採用手法は「選ばない」と言う選択肢が増えていると感じており、もし仮にその募集職種でその採用手法を選択した場合、3ヶ月程度は採用活動が前に進まない事は目に見えている、そんな事象が発生していました。

最初は小さな違和感だったのですが、2024年4月になった現在において、その違和感は大きくなるばかりです。何を申し上げたいかと言うと、

RPO/HR系フリーランス/副業の方が増加した = 正確に採用戦略/戦術の立案ができ、正確に採用手法の選定ができるプレイヤーが増加したこの方程式が成り立っているわけではない。

と言うことです。
「採用」という仕事問わず、あらゆる専門領域において、自分よりも少しでも詳しい立場の方が「Aの戦略でいきましょう」とおっしゃっていたら、その戦略に従わざるを得ないと思います。これは僕がサービスを「受ける側」でも採用とは異なる領域で感じた事はあります。
例えば「マーケティング」と言う領域において、「ポテンシャライトさんであれば、この手法が良いはず」とアドバイスをいただいた手法がうまくいかずに、コストとお金の生産性が著しく下がってしまったこともあります。本件については「自分の責任」と捉えましたが、何とも言えない喪失感があった事は事実です。

話を戻すと、繰り返しになりますが、業界プレイヤーの増加=業界のレベルが上がった、と言うわけではないことを痛感しました。

1-1. 人材紹介(エージェント)の業界でも、同じことが起きていそう

出典:厚生労働省さまの資料

僕が2008年に社会になってから約10年間は、人材紹介(エージェント)の仕事を専門的に実施していました。当社ポテンシャライトが設立された2017年4月からはRPOの事業と人材紹介の事業の2つをメインに行っています。僕が人材紹介に着手した2008年の頃においても、人材紹介は熱を帯びていました。そして、まだ記憶に新しい「ソーシャルゲームバブル」と呼ばれた時期が2012から2014年頃でしたが、その時期にも業界が成長していた記憶があります。そして、びっくりしたのは、直近10年間の人材紹介(エージェント)の事業者数の増加です。
直近10年間で1.76倍となっており、そして皆さまご存知の通り少子高齢化が進んでいます。少子高齢化は求職者さまの人数が少なくなっている1つの要因になっていると仮定した場合、需要と供給のバランスが崩れているとご理解いただけるかと思います。

ただ、本ブログでは人材紹介(エージェント)の事業者が増え、求職者さまの数が少なくなってきていることを伝えたいわけではなく、「人材紹介(エージェント)」の業界のレベルが上がってるわけではない、と感じていることです。本内容については書きたいことがたくさんあるのですが、本ブログの本題とずれますので、一旦割愛いたします。


2. RPO企業の選び方について

お待たせいたしました。本ブログのメインのテーマについて言及していきたいと思います。

仮にも本業界について、僕は詳しい方だとは思います。これまで人材業界には17年在籍しており、RPOの業界にも7年在籍し、400社さま程度の採用代行支援をして参りました。もし僕が「発注者」、つまり採用企業側であれば、どのような観点でRPO事業社を選定するのかについて記載したいと思います。

2-1. コミット力

まず、自社(採用企業)側と同等以上に採用活動にコミットしてくれるのか。もちろんRPO側に求める尺度が重要だと思うのですが、同じ熱量を持って採用活動の並走をしてくれる企業を選択すべきだと思います。ただ、これは採用企業側の皆さまからすると取引してみないとわからないことだと思いますが、ご認識いただけると良いかと思います。

2-2. 採用ノーハウ

採用企業側がRPOに求めることは、「マンパワー」と「ノーハウ」が筆頭であることがわかっています。マンパワーは前提として、どの程度の採用ノーハウを保有しているのかは選定ポイントの大きなポイントになると思います。ただ、採用ノーハウの保有「尺度」を見極めることはなかなか難しいです。それと同時に「実績企業名」を聞いたとしても、そのRPO企業がただ「代行」として、言われたことをただ取り組んでいた、そんなパターンも十分にあります。そのため、このような質問をしてみてください。

「御社の主なプロジェクトとして、採用の戦略/戦術/手法選定など、採用活動における根幹における決定等に携わっていましたか?」

この質問は割とクリティカルだと思います。

2-3. 採用企業の魅力設計ができるか否か

これは僕個人的な意見ですが、採用活動において、ただ「代行」しているだけでは、採用活動において成果が出る事は少ないです。
そうではなく、採用活動をする際に、その企業独自の「魅力」の発掘/言語化/整理をすることができる能力は非常に重要であると思っています。僕は人材業界17年目ですが、人材業界においてよくこのような会話が飛び交うことがあります。

「今自分が担当している●●社という企業、なかなか魅力が少ないと思っていて、担当(紹介)をするのが難しくて」

気持ちはわかるのですが、未だかつて魅力が見つからなかった、言語化できなかった企業は僕はありませんでした。そして、その言語化をした上で、その内容を募集記事やスカウトメールの文面に反映することは非常に重要です。

2-4. PDCA力

これは採用活動のみならず、あらゆる仕事に活用できる力ではありますが、PDCAを回す力に関してはもちろんのこと重要です。PDCAと表現するとややチープに聞こえますが、具体的には

- 課題を発見する力
- その課題の原因を特定する力
- 施策立案力
- 施策実行力
- 振り返りの精度

このあたりが重要である事は言うまでもありません。PDCA力を図るためには、そのRPO企業の「アジェンダ」をご覧いただけると良いと思います。思考の深さを最も確認しやすいのではないかと思います。

2-5. クライアント名/事例

これまでお取引をしたクライアント名やそのクライアントからロゴを頂戴している企業さまなども聞いてみるのは、非常に有効であると思います。ただ、前述した通り、その企業さまとのお取引「内容」を細かくヒアリングする事は必須かと思います。RPOの業界は、年率116%で成長しています。そのため、いわゆる「代行」のみの支援も多数発生しています。この場合、「マンパワー(工数)」としてサービス利用するのであれば、大きな問題は発生しないかもしれませんが、ただ工数として利用する場合、採用市場がそこまで甘くない状態になっている故に、うまくいかないことのほうが多いかと思います。
本項のタイトルに「事例」と記載したのですが、「実績」よりも「具体的な支援内容(詳細)」を聞いたほうが間違いなく良いです。なぜならば、「実績」はその企業の「採用力」が起因して成し遂げることができる場合も多数あります。そうではなくて、具体的な「支援内容(詳細)」を聞いた上でのジャッジをしたほうが良いと思っています。

2-6. 「採用決定」に向けた様々なアドバイスができるか?

RPO企業を活用する場合、1つの短期的ゴールは「採用成功」だと思います。RPO業務の中で最もイメージしやすいのは「スカウト代行」ですが、もし仮にスカウト返信「数」やスカウト返信「率」が高かったとしても、採用成功が創出できていなければ、採用企業側の満足度が最高水準まで上がらない傾向にあると個人的には解釈しています。
何が言いたいかと言うと、「採用決定」のために必要な様々なプロセスに対してアドバイスができるか否かは確認すべきです。
当社がこれまでご支援をさせていただいた中で、よく起こり得る課題としては、

- カジュアル面談での惹きつけ方
- 面接見極め手法
- 内定前後のディレクション

でした。
当社では
「カジュアル面談惹きつけトレーニング」
「求める人物像設計」
「最終面接ディレクション」
と言うサービスがありますが、いずれも後発的に誕生したサービスになります。ただの「業務代行」のみにスポットを当てると、最終的な価値創出ができない場合が多いです。それらの様々な必要となるアドバイス/サービスをお持ちかどうかは確認した方が良いと思います。

2-7. 事業/職種理解力

VUCAの時代において、様々な新しいプロダクト/サービス/事業が誕生しています。僕もこの仕事をしていて感じるのは、真新しい事業に出会う頻度も日々上がってきてるように思います。
そんな中で、特定の「業界」「職種」に強みを持つことが重要であるかと思うのですが、そんなことも言ってられないと最近感じています。つまり、新しい事業/サービスが日々誕生する中で、それらを「理解する力」が高くなければ、事業/サービスの説明をいくらしたところで、理解してもらえることはありません。
これはRPO企業だけではなく、御社に在籍している社員にも同じことが言えるかもしれません。各社員の事業/サービス、そして職務内容を理解する力が必要である僕らRPOの立場からすると、数ヶ月と言う短いスパンでのお付き合いも発生することがあり、その他期間において事業/サービス、そして各職種の職務の理解をする必要もあり、いわゆるビジネス感度といいますか、それらを理解するスピードがあると良いと感じています。

2-8. コミュニケーション力

これは当たり前かもしれませんが、コミュニケーションにおける「インプット力(理解力)」「アウトプット力(発信力/話のわかりやすさ)」は非常に重要だと思います。RPO企業にどこまで求めるのか?と言う問いはあるかと思うのですが、コミニケーションコストがかからない事は非常に重要度は高いと思います。RPOに対して、企業側からすると、説明コストと言いますか、なかなか理解をされないこともご経験済みの方も多いかもしれませんね。

本項においては、RPO企業の「営業の方」のコミュニケーション力とメンバーのコミュニケーション力はある程度相関関係があるのかなと個人的には考えています。あげればキリがなさそうなので、一旦この辺までにしておこうと思います。


最後に

本ブログの執筆背景を整理すると下記になります。

(1) RPO企業が直近3年程度で3倍程度になった
(2) 当社が発注者(採用企業側)さまと初期接点の際に、採用手法を始めとした採用戦術に違和感があることが増えた
(3) それ故に、適切なRPO企業の選別をしなければ、皆さま(採用企業側)の採用活動において、逆に無駄なコストがかかってしまう
(4) そのため、適切な判断基準を知っていただきたい(これは山根の主観)

最後に、ライトな気持ちで本業界に飛び込んで来られる方に申し上げたいのは、「業界のレベルを下げないでくれ」と言いたいです。
当社もすごく注意深く自己研鑽(組織研鑽)をしているつもりですが、このまま業界参入の企業が増えて、発注者である採用企業側がRPOと言う類にネガティブな印象を持たれてしまうと、日本の成長が阻害されてしまうと感じています。横柄な、無礼な、そして恐縮な意見を申し上げている事は、承知の上で記載しているのですが、当社も責任感を持って業界研鑽をしていきたいと思っておりますので、しっかりやっていきたいと思います。

皆さんいかがでしたでしょうか。
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