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まだやるべきことはある!スカウトメールの「辞退理由」から抽出した新ノウハウ

「 "今は転職するつもりはないからスカウトメールを辞退します"、という返答、どうにかならないですかね?」

というご質問を直近いただきました。

ポテンシャライトが創業してからこれまでに250社様とのお取引がある中で、おそらく50,000通以上スカウトメールを送信して参りました。

スカウトメールを「返信」してくださった方の中に、「承諾」「辞退」の両者の反応があります。本ブログでは後者の「辞退」の理由からアプローチできるノウハウについてご紹介したいと思います。


0. ほとんどのスカウトが「自社(自分)本位」

本ブログの主題の「前提論」からお話ししたいと思います。

スカウトメールの文面を作成するにあたり、重要な要素が多数あります。真っ先に思いつくのは「自社の魅力」をどう表現するのかです。自社の魅力を感じていただくことができなければご返信もいただくことができません。そのため「いかに魅力を表現するのか」に焦点が当たります。これは全く悪いことではなくむしろ良いことです。

ただ、いかに魅力をPRしたからといって、相手方の"状態"によっては、糠に釘を打つことになってしまうことがあります。どういうことなのか、次の項目で詳しく見て参ります。


1.  「今、転職するつもりはない」という返信

スカウトメールの文面を熟考し、魅力を含めることができたスカウトメールを作成できた。そして、優秀な方々にスカウトメールの配信をした。そんな中、スカウトメールの返信が来た。「今、転職するつもりがないため、また転職意向が上がったタイミングでお話を聞かせてください」。

ほとんどの企業様が経験したことのあることかもしれません。僕も100回以上はこの経験をしています。

優秀な求職者であればあるほど「転職意向がある」状態で、カジュアル面談に現れることは少ないです。なぜならば転職活動に困ることが少なく、たくさんの企業様と接触しなくても割と容易に転職先を見つけることができるからです。

また、御社がターゲットにしている人材は、他の企業様もターゲットにしており、転職市場において引っ張りだこなわけです。そのため、そのレベル感の方は「本格的に」転職活動を開始する前から、莫大なスカウトメールを受信しており、カジュアル面談で様々な企業様と接触しています。そんな中、ある採用企業はこんな声がけをしています。

「今、転職するおつもりはなくとも、当社の事業や魅力を知っていただく場として面談をさせてください」

つまり、転職意欲がない方にも積極的に面談をしているのです。そして、先に結論を申し上げますが、「転職意向がない」と言っていた求職者さまが、気づいたら別の企業に入社していた。こんな事実も発生することがあります。

実は、僕も何度か経験しているのです。


2. 「転職意向はない」と言ってたのに、別企業に入社をしていた件

本ブログは「スカウトメール受信時」のフェーズにスポットを当てて話を進めたいのですが、僕が経験したのは「カジュアル面談時」のフェーズです。

具体的な話をすると、ある求職者様とカジュアル面談で1時間ほどお話をした後に、その方は当社に興味を持ってくださって、こんなことをおっしゃっていました。

「今はまだ、転職意欲がないので、転職意欲が上がったタイミングでご連絡いたしますね」

カジュアル面談でよくいただくフレーズではありますが、僕は「はい、分かりました」とその面談を終えました。

そのカジュアル面談から3ヶ月程度経過した後に、「あ、あの方はそろそろ転職活動開始したのかな」と思い、連絡をしてみました。すると、すぐにご返信をいただけたのですが、内容としては、

「山根さん、ご連絡いただきありがとうございます。実は既に別の企業にジョインしております。ご連絡ができず申し訳ありません。」

という内容でした。

この連絡は、個人的にはショックでした。僕は、カジュアル面談にはそこそこ自信を持っておりましたので、その方が転職活動を開始するタイミングでご連絡をいただけると思っていました。ただ、別の企業様のカジュアル面談で「転職したい」と思い、本格的に活動を開始したのかと思います。僕はそこまでの魅力を伝えることができなかった、と思いました。

話を戻して、

「今、転職するつもりがない」

という内容については即ち、

「あなたとのカジュアル面談で、現職を転職するほど意向は上がりきれなかったです」

と言われているに近しいと感じたのです。


3. スカウトメールの「辞退理由」

前述した内容で僕が感じたのは「今、転職するつもりはない」とスカウト辞退をされた方に対して、どのようなアクションを取れば良いのか。上記の内容に加えて、

様々なスカウトの「辞退理由」を解消できるような文章をスカウトメールに盛り込んでおいたほうが良い。

と考えました。

そこで、いくつかの媒体における「スカウト辞退理由」を調査してみることにしました。あるスカウト媒体では求職者様がスカウト辞退するときに「辞退理由」を選択することができます。また、Wantedlyなどでは、スカウト内容の辞退理由を文章で書いてくださる方もいらっしゃいます。

そこで、抽出されたスカウトの辞退理由は下記になります。

- 他社に転職が決まった/今の職場に残ることにした
- スカウト内容が魅力的ではなかった
- 業界が合わない/興味が持てない
- 仕事内容が合わない/興味が持てない
- カジュアルに話せるのか?
- 過剰に期待されている気がした

最上段に記載されている内容は、本ブログの前述をした内容となります。
2つ目以降もよくある辞退理由ではありますが、これらの内容を解消できるような術は無いのかと考えました。

 3-1. 他社に転職が決まった/今の職場に残ることにした

こちらの内容は、前述した通りですので割愛します。

 3-2. スカウト内容が魅力的ではなかった

こちらはスカウトメールの「魅力」の記載となるため、また別の機会に説明します。

 3-3. 業界が合わない/興味が持てない

こちらはよくある辞退理由ですよね。むしろ「業界に興味が持てない」という方はそもそもスカウトの「辞退」をせずに返信もしないのではないかと思います。ただ、皆さんこんな経験はお持ちではないでしょうか。

「今まで触れたことがなかった業界でしたが、話を聞いてみるとすごく興味を持てました」

特殊な業界に在籍する企業の社長様は「カジュアルにお話しできさえすれば、その方に興味を持ってもらえることが多いんだけれどもね」とおっしゃっていることも多いです。

つまり、そもそも求職者様は「触れたことのない業界」は選択肢から外れることが多く、スカウトメールの返信をしないことが多いです。そのため、スカウトメールにこの懸念を払拭できるような内容を含める必要があると考えています。

 3-4. 仕事内容が合わない/興味が持てない

意外と盲点なのはこちらの理由です。

スカウトメールは「会社の概要(事業/魅力)」に焦点が当たりすぎるが故、「仕事内容の概要(魅力)」の記載をしている事は少ない傾向にあります。ただ、スカウトメールの文面に「仕事内容」の記載をしてしまうと長文になってしまうため、そのまま記載するのは好ましい判断ではありません。もちろんスカウトメールから募集求人に先して、詳しくはその媒体に掲載している求人を見てください、と言うのもありではあるのですが、ここでは別のアプローチをしたいです。

下記ブログをご覧ください。

こちらのブログの要約としては、

 - 求職者様の「希望」に寄り添った結果、採用活動がうまくいった
 - 一般的に採用活動は企業が任せたい仕事内容を押し付けすぎている

という内容になります。
つまり、その求職者様が関心が高い「仕事内容」のオファーができれば、スカウトの返信率も上がるかもしれない。ただ、もちろん採用企業側が任せたい業務内容があることも、もちろん理解しています。ただ、皆さんよく考えてみてください。特にスタートアップでは、求人票に記載がある内容「以外」でもお任せしたい仕事内容ってたくさんありませんか?例えば、サーバーサイドエンジニアのポジションではあるのですが、フロントエンド/インフラ/エスアールイー/アーキテクチャ設計(テックリード)などにも取り組んでほしい、などです。

また、こんなこともあるはずです。
今、在籍しているエンジニアが長い期間同じ仕事をしている。そのため、別のチャレンジをいずれして欲しいと思っている。ただタイミングがない。であれば、新しい人材をそのポジションで採用して、既存のメンバーは別のポジションを取り組んでいただく。また、その新しく採用するメンバーも、採用活動時にはそのポジションを募集していなかったが、その新しく採用するメンバーがそのポジションを希望しているためアサインをした。

また、「将来的に」と言う表現もできるのではないかと思っています。
どの企業様も、やる気があり、優秀な人材にはどんどんポジションを登用したいと考えているかと思います。そのため、仮に一般的なメンバーポジションでジョインをしたとしても、将来的には、その求職者様のキャリアに合わせて、新しいポジションを登用することも考えられるはずです。そのため、今携わるポジションに加えて、将来的に携わることができる可能性があるポジションも含め、お話しできると良いかと思います。

 3-5. カジュアルに話せるのか?

「カジュアル面談と聞いていたのに、実際に面談を受けたら面接であった」と言う事例が昨今においても発生していると耳にします。そのため、採用企業側が思ってる以上に、求職者様側「本当に話を聞くだけなのか」と言う部分を、割と過剰に考えている可能性があります。

そのため、「カジュアルにお話ししましょうね」と言う表現については、割ときちんと記載をするべきです。

少ししつこいくらい記載しまっても良いかもしれません。例えば、

「ぜひカジュアルにお話しさせていただければと思います。
当社のカジュアル面談は志望動機を聞くこともありませんし、皆さんを圧迫するような事は一切ありません。
テレビを見る(聞く)感覚でお話を聞いていただければ問題ございませんので、ご安心いただき、お気軽にご返信下さいませ」

などでしょうか。

 3-6. 年収条件が合わなそう

これは、採用企業側以上に求職者様側が気にしている内容の1つだと個人的には思っています。

その証拠として、ある企業様の事例をお伝えします。

その企業様では、メンバークラスからミドルクラスのエンジニアを求めており、年収を限定的に設定していました。大体550〜650万円と設定していたかと思います。様々な要因があるかと思いますが、返信率が芳しくなく、一つ一つ施策を経て実行していきました。すると、1つの仮説にたどり着いたのですが、「もしかしたら年収の幅を広げたほうが良いのではないか?」と言うこと。

今回の事例においては、前述した年収層の人材がイメージとしては近かったため、割と限定的な年収の表現をしていたのですが、もう少し年収層を広げる(上げる)と言うジャッジをし、600〜1000万円の記載にしてみました。すると、スカウトメールの返信が増えたと言う事例です。

話を戻して、昨今の採用媒体は「カジュアルに会う」ことを推奨しているため、最初の接点の前段階から「年収」に言及することはあまり推奨していないのではないかと思います。ただ、お金(年収)は大事です。特に、ポテンシャライトが取引をしているスタートアップは、「スタートアップだから年収は低いのかと固定概念で見られてしまうことも多いです。ただ、昨今のスタートアップは資金調達もしっかり実施していますし、何より、優秀な人材に対してはしっかり年収を出す、と言う姿勢もあるため、一般的に認知されているスタートアップの年収よりもしっかりめに年収を出すことも増えてきています。

何が言いたいかと言うと、スカウトメールの文面に、「年収/その他諸条件については精一杯寄り添っていきたいと思っています」と言う一文があるだけでも気持ちは伝わるでしょうし、誠意が見えるのではないかと個人的には考えています。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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