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[新しく細かいテクニック紹介] 会社/求人紹介は「事実」だけではなく「解釈」まで説明すると良い

皆さん、こんにちは。ポテンシャライトの山根です。

12月は「Potentialight Advent Calendar 2023」と題して、25日まで毎日(営業日)ブログを公開する企画を実施中です!

今年度、当社のブログ公開数は「累計500本」を突破しました!
このままアウトプットのスピードを緩めることなく、今年を締めくくることができるよう本企画を進めています!

スケジュールはこちらです 👆

当社メンバーからの発信をぜひお楽しみください!
全てのまとめnoteは [こちら]!では、本ブログをご覧ください。


「その伝え方だと、相手に解釈を委ねることになるよ」

当社メンバーにこのアドバイスをしたのは最近の事でした。個人的にも、無意識的にこのアドバイスができたのは、社会人として、そしてHRマンとしての成長を少なからず感じることができた瞬間でした。

「解釈」

この言葉の本質を理解することができれば、人生におけるコミュニケーションの全般が変化します。大げさに言うと、変化というより「価値観」レベルで気づきがあります。僕はHRマンであり、採用/転職が専門分野ですので、それに合わせたお話ができればと思っています。



0. 「事実」と「解釈」について

「小原さんが下を向いて俯いている」
「寳田さんが真剣な顔をして歩いている」
「山根さんが部屋にこもって黙々と仕事をしている」

これらの文章は「事実」と「解釈」が混在しています。

・小原さんが下を向いて俯いているのは事実。
・寳田さんが真剣な顔をしているのは解釈、ただ歩いてるのは事実。
・山根さんが部屋にこもっているのは事実、ただ黙々と仕事をしているのは解釈。

つまり、「事実」とは、誰がどう見てもどう聞いても変わらないことを指す。一方で、「解釈」とは事実を見たり聞いたりしたその人の感想のようなもの。

人は無数に発生する事実を毎日見たり聞いたりしています。そして、「事実」が同じであっても、「解釈」が人によって驚くほど異なります。
例えば、

「六本木に拠点を持つ若手ベンチャー企業の社長」

という事実があった場合、皆さまはどのように「解釈」をされますでしょうか?ここで言うと「推測」のほうが好ましいかもしれません。

単語で表現すると、

- イケイケ
- やり手社長
- IT
- 靴が尖っていそう
- 調子に乗ってそう
- オラオラしてそう

このようなイメージを持たれる方がおられるかもしれません。これが「推測」であり「解釈」です。

- ●●っぽい
- ●●してそう
- ●●だと思う
- ●●であると感じた

これらすべては「事実」を「解釈」しているのです。


1. 採用活動における企業の発信は「事実」のみである場合が多い

当社のあるウェビナーでこんなスライドを用いたことがあります。

事実と魅力の違いを表現したものです。
本ブログでは「魅力」には深く触れませんが、上記スライドにおいて左側に書かれている短文が「事実」に該当します。

本項のタイトルとして「採用活動における企業の発信は「事実」のみである場合が多い」と記載しました。
ただ、自分の書いた内容を否定するのであれば「事実を書いているので良いのではないか」というツッコミをいただくかと思います。そうです、事実を書いているので何も問題はなく、むしろ真っ当です。ただ、採用活動を前に進めなくては大きく事業成長することはありません。そのため「事実」に加えて「+α」の何かを伝えたいですよね。
幾つか事例を用いて説明してみます。

 1-1. 「この業界は成長をしています」について

よくある採用活動における発信内容ですよね。その企業が属する業界は成長している、という事実の発信です。

ここで皆さまに質問です。「この業界は成長をしています」という短文を見ていただき、下記のどれがイメージと近しいでしょうか?

A) 会社も成長しているんだろうな
B) さぞかし競合も多いんだろうな
C) 夜遅くまで仕事をしていそうだな
D) スピード感が早くトレンドも移り変わるんだろうな
E) まだ絶対的な企業は存在していないんだろうな

いかがでしょうか?むしろすべての文章にピンとこなかった方もおられるかもしれません。この5つの文章は僕の「解釈」で記載しました。「この業界は成長しています」という文章を見て、僕が感じたことに加えて、「こういう解釈をする方もいるのかな」という想像もして記載しました。

 1-2. 「社長が戦略コンサル企業出身です」について

前項と同じように進めます。
「社長が戦略コンサル企業出身です」という短文を見ていただき、下記のどれがイメージと近しいでしょうか?

A) すごく頭が良くて会社の戦略もきちんとしているんだろうな
B) 自分にはついていけないくらいロジカルなんだろうな
C) そんなすごい方と仕事をしたことがないからワクワクする
D) 自分の感情をきちんと理解してくれる人なんだろうか
E) この社長のビジネス力を盗んでやりたい

いかがでしょうか?採用活動において、社長さまの出身企業を発信している企業様もおられるかと思うのですが、それは様々な解釈を生みます。リクルート出身、サイバーエージェント出身、DeNA出身、マッキンゼー出身など起業家輩出企業は多数存在していますが、その解釈は人それぞれ様々だと思います。

 1-3. 「社内においてSlackのDM率はほぼ0%です」について

これも前項と同じように進めます。
「社内においてSlackのDM率はほぼ0%です」という短文を見ていただき、下記のどれがイメージと近しいでしょうか?

A) すごい!透明性がある会社なんだろうな
B) 実態としては言いにくいことはLINEで連絡をしているんでしょ
C) ほぼパブリックチャンネルで連絡しないとならないの嫌だな
D) どのような仕組みでこれが成し遂げられているのか興味がある
E) すべてオープンにしている会社なんだろうな

いかがでしょうか?一般的にSlackのDM率が低い企業=透明性がある企業、と解釈されますよね。つまり、ポジティブな解釈が発生するほうが多いかと思います。ただ、ややネガティブな解釈をする方も一定発生する可能性があります。

3つの事例を用いて説明をいたしましたが、本ブログの趣旨はご理解いただけましたでしょうか?
「事実」に対してさまざまな「解釈」が存在しています。では、なぜ人それぞれ「解釈」が異なるのか?個人的な意見を記載したいと思います。


2. なぜ「解釈」が異なるのか?

個人的な答えは、

「人それぞれ生まれ/育ち が異なるから」

これに尽きるかと思います。
仮に双子がいたとしても「価値観」が異なる二人に育つと思います。なぜならば、共通項目は「両親」のみだからです。両親から大きな影響を受けることは言うまでもありませんが、その後の人生において影響を及ぼされる様々な「変数」が存在します。例えば、

・保育園のクラス/先生/友達
・小学校のクラス/先生/友達
・小学校のスポーツチームのコーチ/チームメイト
・中学校のクラス/先生/友達
・中学校の部活のコーチ/チームメイト
・高校のクラス/先生/友達
・高校の部活のコーチ/チームメイト
・アルバイト先の店長/同僚/お客さま
・大学のクラス/先生/友達
・大学のゼミ/部活の先生/コーチ/チームメイト
・就活で出会った企業のお話
・1社目の企業カルチャー/部長/上長
・2社目の企業カルチャー/部長/上長
……..

こちらに記載をした通り、僕らは知らぬ間に無数の方々/チーム/コミュニティ/企業から影響を受けています。こちらに記載していない方もたくさんいますよね、例えば親戚のおじさん、よく会う友達のお母さん、近所のおじさん、彼氏/彼女、祖母/祖父など。

僕らは無数の経験を経て「価値観」が形成されています。突然「価値観」という言葉を使いましたが、「価値観」をもとに「解釈」が生まれます。仮に双子であってもこの無数の「違い」が生まれていきます。

少し話は逸れますが、「環境」は本当に重要ですよね。これらの無数の出会いにおいて「価値観」が形成されるのであれば、なるべく「良い」と感じる環境に身を投じていたほうが大人になってから良さそう、という印象はありますよね。ただ誤解がないようにお伝えすると「価値観」は尺度で良し悪しを図ることができない項目のことです、つまり価値観が「良い」「悪い」とは僕は判断しません。

では、ある「事実」に対して、ある「解釈」をする方がいた。その解釈はどのような「原体験」から生まれたのか?幾つか事例を記載してみます。

 2-1. 何でもネガティブに解釈してしまうAさん

Aさんはあらゆる事実をネガティブに解釈してしまう傾向があります。それは「なぜ」なのかを問いてみるとこんな返答がありました。

「中学校時代の部活で、先生がすごく厳しかった。一つひとつのプレーを厳しく指導された。褒められた記憶は1度くらい。それがとてつもなく嬉しかったが、中学3年間で無数のプレーをしてきたなかで、褒められたその1つのプレー以外は失敗と捉えると、自分の言動はほぼ失敗で形成されているはずなんだ。そのため、自分の周りに起こっていることはネガティブに捉えてしまう癖があるのです」

 2-2. 何でも楽観的に解釈してしまうBさん

Bさんはあらゆる事実を楽観的に解釈します。それは「なぜ」なのかを問いてみるとこんな返答がありました。

「僕の前職の上司の教えです。人生で起こり得ていることすべては、成功のためにあるのだ、と。失敗は自分が失敗だと思った瞬間に失敗に変換される、成功するまで取り組み続けていれば必ず成功になる。失敗したときにストップしてしまうから失敗なんだ。だから、僕はあらゆる事象に対して、それは成功までのプロセスだと認識しています。なので、周りからは楽観主義者と言われることがあるのかもしれません」

 2-3. 自分のことを好きな人にしか心を開かないCさん

Cさんは好き嫌いがハッキリしているタイプでした。それは「なぜ」なのかを問いてみるとこんな返答がありました。

「まず、それは無自覚であった。言われて気づいた。ただ、思い返してみると、自分の両親は仕事で家にいないことが多く、夜ご飯も一人で食べていた。部活にも入らず何となく過ごしており、交友関係も広くは構築しなかった。ただ、自分にたくさん話しかけてくれる先生がいた。今でも感謝している。この先生がいれば特に問題はなく、少ない人に好かれれば人生やっていけると感じている」

3つの事例を記載しました。少し採用活動から離れた事例になってしまいましたが、「原体験」を聞くとその方の「解釈」のルーツを理解することができますよね。


3. 「解釈」を委ねずに「自社」の解釈を伝える方法

本ブログのタイトルである「”解釈”まで説明をする」とはどういうことかを、本項で説明していきたいと思います。

結論から申し上げると、

「事実」⇒「魅力」⇒「重要性」⇒「自分の解釈」

を伝えることです。ちなみにここで言う「自分」とは「採用企業(面接官)」を指します。

下記スライドをご覧ください。

これは当社の採用ブランディングのノウハウである「IFA」のスライドです。IFAについて説明をすると一つブログを書けてしまうくらいなので、ご興味をお持ちの方は下記ブログをご覧ください。

話を戻して、「事実」⇒「魅力」⇒「重要性」⇒「自分の解釈」とは、どういうことか?説明します。

「事実」の発信:
文字通り、事実のみの発信
例:製造業に特化したSaaS

「魅力」の発信:
その事実に希少価値観点を加えた内容
例:製造業は日本で最も大きい産業である

「重要性」の発信:
その事実が貴方にとって重要である理由
例:日本が成長する/豊かになるためには日本の製造業の再興が必須である

「自分の解釈」の発信:
上記3つの発信に対して、採用企業(面接官)がどう解釈をしているかを伝える
例:下記に記載していきます。

これらの違いがあります。
本ブログは「自分の解釈」についてですので、上記の製造業についての話をもとに、「自分の解釈」について記載してみます。

「自分の解釈について」
僕はこの「製造業」が日本が再興する最も大きな可能性がある業界であると解釈しています。
なぜならば、日本が最も成長をしていたのは1980年代、第二次産業の頃でした。第二次産業とは製造業を含む業界が該当します。そして第三次産業であるIT業にてアメリカに一気に差を離されてしまったという事実があります。僕は「製造業」ではアメリカに優っていて「IT」ではアメリカに劣っていた、と解釈をしています。
そんな中、僕ら社会人ができることは何なのか?と考えた際に、「日本の成長/再興」だと僕は思っています。僕ら日本人は豊かに生活をしていますが、僕らの祖母/祖父は戦争を経験している方もいます。本当に大変でしたでしょうし、僕らが考えられないくらい貧しい生活を強いられていたかもしれません。僕らがここまで豊かであるのは祖父/祖母の世代が頑張ってきてくれたからなのだと思います。僕は祖母/祖父が大好きでした、優しかったですし当時の日本のことをよく話をしてくれました。第二次世界大戦後に、日本人全員が一つの方向を見て日本を再興していこう、という意気が非常に強かった、という話はよく聞いています。
では、日本の現況を見てみると、年々世界各国にGDPが追いつかれています。おそらく、僕らの孫/ひ孫が僕らくらいの年齢になったときは、日本は後進国になってしまっているかもしれない。それは僕はちょっと嫌です、自分たちのせいだと解釈をしています。ただ、これを問題として捉えた際に厄介なのは、僕らが生きている間は日本が後進国になることはおそらく無いことです。つまり、僕ら現代の社会人は、豊かな日本のまま一生を終える可能性が高いです。そのため、後世のことを考え「ない」のであれば、今僕が話をしていることは意味を成さないことです。
ただ、僕らはこれで良いのでしょうか?後世のために日本をより良い状態にすることが、今の日本の社会人の使命なのではないかと、僕は思っているのです。
僕らは製造業に特化をしたSaaS企業です。製造業は日本が正解に誇れる業界であり、日本を世界の中心に引き戻すことができる業界です。その業界向けの仕事をしているのですから、僕は「製造業向けのサービスを展開をしている、という事実に対して、日本を成長/再興させるサービスである、と解釈をして仕事をしているのです」。

これが「自分の解釈」であり、且つ「重要性」についても触れましたが、こんな感じです。


4. 人材紹介のキャリアカウンセラーの「求人紹介」にもこのノウハウを活用することができます

本ブログは採用企業様を対象に書いておりますが、人材紹介のキャリアカウンセラーの「求人紹介」にも活用することができると思っています。
僕は人材紹介のキャリアを積んできたのですが、求人紹介はかなり注力していました。各企業を紹介する際のスクリプトには拘っていて、求職者さまからのご評価をいただけることが多かったです。

この「解釈」をどのように求人紹介に適用するかというと、前項で記載した内容の通り、

「事実」⇒「魅力」⇒「重要性」⇒「自分の解釈」

です。
そして、「採用企業の面接官」と「キャリアカウンセラー」には大きな立ち位置の違いがあり、当事者なのか第三者なのか、という違いがあります。採用企業の面接官は当事者でしょうし、キャリアカウンセラーは第三者として意見を言うことができます。そのため、「自分の解釈」という点においては、キャリアカウンセラーのほうがダイナミックに伝えることができるかと感じています。

僕はよく「自分の意見は、自分が著作権を持っている」とメンバーに伝えています。ある「事実」に対して、自分はどう思ったのか?は「自分の意見」になるため著作権は自分にあります。つまり、キャリアカウンセラーの求人紹介については、自分の意見/解釈を伝えることが仕事ですし、(もちろん事実を曲げて求人紹介をすることはダメですが)、自分の解釈はお話しいただけると良いかと思います。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。

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