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「気づきを提供」する 選考「惹きつけ」の最新ノウハウのご紹介

「求職者さまに内定は提示できるようになったのですが、入社承諾までいただけるイメージがわかなくて…」

このご相談をいただいたのは、2023年の年末ごろの話でした。

選考活動において「内定」を提示できるフェーズまで進めることができれば、あと0.5歩で「成功」と言えるフェーズだと思います。ただ、最後の最後で逃してしまうのも非常にもったいないです。そんな中、僕の中で新たなひらめきがありました。

※本ブログの冒頭には詳しいお話をしないのですが、順を追って説明していきたいと思います。




0. 当社の面接惹きつけトレーニングという支援について

当社ポテンシャライトに「面接惹きつけトレーニング」と言う支援内容があります。その名の通り、面接や面談における「惹きつけ」の超具体的な研修をさせていただくご支援となります。

前提として、面接/面談は「見極め」と「惹きつけ」に分かれます。本トレーニングは「惹きつけ」をするためのテクニックをロープレ形式で実施していきます。
例えば、御社への入社理由、

・職務内容
・今の仕事のやりがい
・御社のカルチャー
・御社の課題

これらの質問は、どの企業さまの面接でも質問をいただくことが多いかと思います。この一種「ありきたり」の質問に対してどのように回答していくのかが大きなポイントとなります。
本内容については、別のブログで詳しく記載したいと思いますので、ご認識まで。


1. 面接惹きつけのある種の限界について

「ある種」と記載しましたが、誤解がないように説明します。
選考における「惹きつけ」は非常に大事です。そして、この「惹きつけ」がうまくできれば、採用、競合企業を凌駕することも十分に可能で、仮に惹きつけが得意なメンバーが1人でもいれば、これまでの2倍から3倍の成果を上げることも可能だったりします。ただ、

「もし仮に御社がメルカリさんやサイバーエージェントさんと採用競合になった場合に、勝つことができますでしょうか?」

メルカリさんやサイバーエージェントさんのお名前を突然出してしまった事は非常に恐縮ですが、何が言いたいかと言うと「誰しも印象が良い企業」と採用競合してしまった場合に、「どうしても超えることができない壁」が存在することがあります。誤解がないように申し上げると、もし仮にあなたが「スタートアップ思考」であれば、メルカリさんやサイバーエージェントさんを選ぶ事は無いかもしれないのですが、これは一般的な話をしています。もう少し詳しい話をすると、仮に御社がメルカリさんやサイバーエージェントさんとある求職者さまが並行して選考に進んでいた場合に、御社はありとあらゆる手を尽くして「惹きつけ」を施すと思います。もちろん御社を選んでいただける可能性もあるかと思うのですが、その勝率は高くは無いかもしれません。

では、なぜ高くないのか?

それは「これまでその求職者さまに蓄積されたその企業の魅力」が潜在的に蓄積され続けているからです。もちろん人それぞれ尺度はあるでしょう。ただ、悪い印象を持ってる人はごくわずかなのではないでしょうか。大きな企業さまですし、福利厚生も持っている、そしてダイナミックなチャレンジもさせてもらえる、ブランドもしっかりしている、一般的に印象が良い。そんな話をしています。「どうしても超えられない壁」と記載しましたが、これは100%超えることができないと言うよりは、「超えにくい壁」と表現したほうが適切かもしれません。

話を整理すると、冒頭に「ある種」と記載しましたが、それは100%と言うわけではなく、かつその求職者さまの潜在的に蓄積された情報などがパラレルに作用された上での話です。ただ、一般的に御社がメルカリさんやサイバーエージェントさんと採用競合してしまった場合は、勝率は低いかもしれません。そんな話です。


2. メルカリさんやサイバーエージェントさんに勝つために何をすれば良いのか?

前項で記載した通り、勝率は低いかもしれません。
ただ、「どうにかして勝ちたい」そんな気持ちがあるかと思います。ただ、「気合」や「熱量」だけでは戦うことができません。では、どうすれば良いのか?考えていたところ、山根が実施していた「ある面接」における気づきがありました。

2-1. 「これ、生まれて初めて人に話しました」と言う一言

当社ポテンシャライトの自社採用面接でのことです。
僕はカジュアル面談、もしくは最終面接に登場することが多いのですが、確かその求職者さまの選考においては、一次面接に入ったときのことでした。最近、求職者さまの「内面」についてを探るような面接をすることが多いのですが、単純に「なぜ」「なぜ」と深掘りをするのではなく、その求職者さまの「ニーズ」「メンタルモデル」を探るようにしています。
本ブログではニーズやメンタルモデルの説明は割愛しますが、ご興味お持ちの方は下記ブログをご覧ください。

話を戻して、僕は面接で下記のような質問をするようにしています。

「仮にあなたがイライラするときは、何を失った時ですか?」
「仮にあなたが冷静さを失う時は何を与えられた時ですか?」
「どのような一言を言われることが、あなたをゾワっとさせますか?」
「これまで質問をして回答してくれた内容は、あなたの過去のどのような経験がそうさせていると思われますか?」

ほんの一部ですが、こういったご質問をあらゆる角度からさせていただき、その方の「内面」を探っています。
最近はその方の内面を深く探ることで、「この話は自分の心の奥底にしまっていたのですが、初めて人に話しました」という類の言葉をいただくことが増えてきました。

2-2. 自分も気づけていない自分

皆さん、「自分も気づけていない自分」をご存知でしょうか?
人間は、周りにいる他人の観察はするけれども、自分の観察はあまりしない生き物だと個人的には思っています。自分が日々とっている言動について、客観的にその言動を見ると言う行為は、滅多にされないのではないでしょうか。そして、「あなたの性格を教えてください」と言うありきたりな質問をいただいた際に、いくつか回答はできると思うのですが、それは「本当のあなた」である保証はないと思います。
ただ、第三者的にあなたの話を聞くと、あなたから出てくるあなたの自己紹介とは、別の話が出てくることが多いです。
どういうことかと言うと、

「自分が認識している自分」
「第三者が認識している自分(あなた)」

これは異なることが多いのだと思っています。

話を戻して、「自分も気づけていない自分」と記載をしました。前述の通り、自分自身の内面を深く掘り下げる機会はめったにないと思います。掘り下げる手法もわからないでしょうし、掘り下げたくない過去もあるかと思います。ただ、「自分も気づけていない自分」を明瞭化でき、且つそれを「在籍企業の方」がもし理解していたら、働く上での安全性は担保できるのではないでしょうか。
また話がずれてしまいました。

結論としては、「自分も気づけていない自分」を気づいてもらう、いや、あえて表現をすると「気づかせる」ことができると、相手⇒自分(選考企業)への見え方が変わってくるのではないかと思っています。

2-3. (仮)メルカリさんやサイバーエージェントさんにどう勝っていくのか?

本ブログにおけるこの回答としては、「自分が気づけていない自分」これを選考中で導いていくことなのかなと。
これは僕の持論ですが、誰しも人生において「仮面」をかぶっていると思っています。その仮面の「種類」や「分厚さ」は人によって異なります。そして、その「仮面」を「無意識的に」かぶっていらっしゃる方もいると思います。その「仮面」をかぶり続けながら、生活することはもちろんできます。ただ、人生の多くの時間を使うであろう「仕事」の場において、仮面を被り続けるのは大変だと個人的には思っています。

誰しも、

「この人の前では本音で話せる」
「この人の前では本当の自分を見せることができる」

という信頼してる方がいらっしゃるかと思います。それは素晴らしいことです。一方で、そういった信頼ができる方が目の前で仕事をしているすべての方であれば、どんなに素晴らしいことなのか?考えるだけでも素晴らしい職場になるかと思っています。少し話がずれますが、少しわかりにくい話をここでします。あなたが特定の相手に対して「この相手には何でも話せるし、信頼している」と思っていたとしても、その相手の話を「あなた」は聞いていない、と言う関係性もあり得ます。

どういうことかと言うと、人間は「自分の話を聞いてくれる」「自分の話を否定しない」人を好きになる傾向があると個人的に思っています。そのため、誰の話も「受容」して聞いてくれる人には人が集まります。ただ、その「話を聞いてくれる人」は、誰に自分の本音を話しているのでしょうか?あなたに本音の話をしていない可能性も十分に考えられます。つまり、「相互理解」がなされていない可能性もあります。あるべき姿としては、双方において「理解」がなされていて、本音で語れる関係性だと思っています。

本ブログの主題に戻すと、
「相手(求職者さま)」に対して、求職者さまも気づけていない自分を選考や面談の場で気づかすことができれば、その企業への信頼感はぐっと増しますし、素晴らしいことになると思います。


3. 具体的に取り組むこと

本ブログの内容をご覧いただいて、なんとなくお伝えしたい事は伝わったかもしれないのですが、具体的に何を取り組むのかがポイントになるかと思います。僕が感じていることを記載したいと思います。

3-1. 議論と対話の違いを理解する

本ブログに記載がある内容に取り組むためには、相手の「感情」を理解しようとする「姿勢」が必要です。そのため、面接や面談における会話において「議論」にどうしてもなってしまう方は、まずそのトレーニングが必要になると思います。
具体的には「議論」と「対話」の違いを正確に理解し、実行することが求められます。

URUU 資料抜粋

個人的な意見ですが、価値観や感情は人それぞれ感じ方が千差万別なため、それを否定する事は良くないと思っています。その方のこれまでの無数の原体験が少しずつ蓄積され、あらゆる価値観となり、そして所作言動を構築する感情を誕生させていると思っています。そのため、価値観や感情は「教育」「育成」という言葉は、そこまで適切でなく、相手を否定しないようなコミニケーションを取る必要性があります。
そのために、「能力」と「価値観」の違いを正確に理解する必要があるでしょう。

3-2. 安全性を担保する場作り

その面接や面談の場における安全性が担保されていなければ、本音を話してくれる事は皆無に等しいと思います。求職者さま側からすると「選考」として認識している場で、自分の弱みを見せる事はあり得ません。そのため、その場の安全性を構築する必要があります。前項で記載しましたが、本ブログでアプローチをしたい「内面」と言うのは良し悪しはないと個人的に思っています。なぜならば、内面、つまり価値観や感情は、これまでの無数の原体験から構築されるアウトプットに過ぎないからです。

誤解がないように言うと、価値観や感情については、ある要素を加えると、良し悪しが発生します。その「要素」とは「御社の価値観の考え」です。つまり、価値観には良し悪しがないと申し上げましたが、そこに「企業の価値観」という変数を加えると、それにマッチする/マッチしないと言う事象が発生します。

話を戻しますと、安全性がなければ、価値観や感情について、さらけ出していただける可能性は、ぐっと低くなりますし、繕ったその求職者さましか見ることができません。

3-3. NVCの理解

僕も大それた事は言えないのですが、NVCとの出会いは非常に自分にとって重要なものとなりました。

・NVCとは?
NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)の略語。1970年代に、アメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系化され、提唱された、自分の内と外に平和をつくるプロセス。

https://nvc-japan.net/nvc/

僕がNVCに強い興味を持っている理由は「行動」と「感情」と「ニーズ」という3つの要素があることです。
端的に説明をすると、仮にあなたが「イライラする」と言う「感情」を持った際に、あなたはどのような「行動」をしますでしょうか?
例えば、

・黙りこくる
・周りの人に強く当たってしまう
・トイレにこもって我慢する
・顔に出てしまう

など様々かと思います。この「行動」は人によって千差万別です。
また、同じく、あなたが「イライラする」と言う「感情」を持った際は、
あなたは「何を失った」ときに発生するのか?
もしくはあなたは「何を与えられた」ときに発生するのか?
これは「ニーズ」と言う考え方です。
この考え方を知る前は、特定の「感情」が発生した際に、「自分」を軸に「行動」を決めつけていたことを反省しました。例えば僕は「イライラ」したときに「顔に出る」タイプだと思います。おそらく周りのメンバーもそう思っているかと思います。そのため、他の人も「イライラ」したときに「顔に出る」と潜在的に思い込んでるのではないかと思います。そのため、「顔に出て」いたら、イライラしていると、僕は判別しているのかと思います。ただこれは僕の特徴であって、他の人は別の特徴を持っていると思います。そして「ニーズ」と言う考え方が非常に素晴らしいと思ってまして、例えば「イライラ」「嬉しい」「ハラハラ」「もどかしい」などの「感情」が発生した際に、

「何を失ったら」その感情が生まれたのか?
「何を与えられたら」その感情が生まれたのか?

このアルゴリズムだけ知っておけば、面接における質問にかなり深みが出ると個人的には感じています。

「深み」と言うよりは、求職者さまの内面を理解するにはぴったりの質問なのかなと。僕個人の振り返りとしては、この質問をして即答ができる人はほぼいないと思います。そして、ある程度時間をかけて内省をしていたいただき、深掘りをする事はすごく良いと個人的には思っています。
※補足ですが、NVCについては、僕はそこまで詳しいレベルではありません。専門家の方からすると稚拙な内容を記載してしまっていますが、その点だけご了承ください。

3-4. メンタルモデルの理解

・メンタルモデル(mental model)とは?
誰もが自覚なしに持っている価値観、思い込み
頭の中にある「ああなったらこうなる」といった「行動のイメージ」を表現したもの。

面接/面談の場において、心の内面に深く入り込む事は適切かと言われるとそうではないかもしれません。本項でお伝えしたい事は、「メンタルモデル」と言う言葉が存在しており、メンタルモデルまではいかないかもしれないけれども、その手前くらいまでの理解ができると良いよね、と言う話の前提でご理解いただけるとうれしいです。

僕がメンタルモデルを学んだときに、その講師の方におっしゃっていただいたのが、「山根さん、その〇〇という言葉は、山根さんをゾワっとさせましたか?もっと具体的に言うと鳥肌が立つくらいの拒否反応が起きましたか?」という言葉でした。

僕は「器が小さい」という言葉が自分のメンタルに影響を与えることがわかっており、それを言われてしまうと、ゾワっとします。前項のNVCにおいてその求職者さまの「ニーズ」をある程度理解できたと仮定して、さらにその内容を深掘りしていくと、こんなことに気づきます。

「もしかしたら、この方は心の奥底の本音を隠しているのではないか?」本音を引き出せていないことがネガティブなのではなく、その求職者さまが「その扉を開けたくない」と思っている可能性があると感じています。繰り返しになりますが、「その扉」を無理に開ける必要はありません。コンプレックスを強く持ってる内容の可能性もありますしね。

ただ、「ニーズ」を理解した前提で、さらに深掘りをする際に「もしかしたら」と言う仮説が自分の頭に思い浮かんだりします。その際に、僕はこんな質問するようにしています。

「1つ質問です。今から僕が言う言葉は、あくまでも僕の仮説ですが、その言葉に対してどのような感情が生まれたかを教えていただけますでしょうか?例えば、何も感じなかった、ぞっとした、鳥肌が立ったなど」

という前提の元に質問をするのですが、なぜか、これが当たることが個人的には多かったです。具体的な事例ベースで話をすることが難しく、恐縮ではあるのですが、そんな感じです。

3-5. ビジョンについて


ここで言うビジョンと言うのは、各社が持っているビジョンではなく、「個人」が持っているビジョンのことです。
端的に言うと、遠い先の目標と言いますか、

「成し遂げたいこと」
「大事にしたいこと」

に近いかもしれません。

前項で説明をしたNVCやメンタルモデルと比較すると「未来」からアプローチをしていくイメージです。先日、こんな質問メンバーにしていました。「みんなは、成長した暁に何を得たいのでしょうか?」本ブログをご覧いただいてる方は、成長意欲を一定お持ちいただいてる方かもしれません。そして自分が成長した暁に、自分が得たいものは何なのか?と言われると意外と回答を窮する方も多いかもしれません。そんな中、当社メンバーに質問したところ「自由を得たい」と言う回答が多かったように思います。ただ皆様1つ考えてみてください。

「あなたが自由を得られた先に、あなたは何を得たいのか?」

と言う質問があった際に、あなたはどんな回答をしますでしょうか?そんなことを考えたこともなかったかもしれません。またそれを繰り返してみてください。例えば、自由を得られた先に、プライベートの充実をして旅行に行きたい、そんな回答があったとします。では、

「プライベートの充実をして旅行に行きたい、それを成し遂げられたら、あなたは何を得たいのでしょうか」

例えば、自由を得られて、定期的に旅行に行けたとしましょう。それがあなたのゴールなのか?旅行に行けて新しい刺激をもらうことがゴールなのか?そしてその旅行はあなたに何をもたらすのか?そんなことを考えたことも僕は無いのですが、僕の個人的なビジョンは、「娘/家族の幸せ」だということがわかりました。突き詰めるとココに辿り着きました。僕は、自分の幸せよりも、相手の幸せの方が優先度が高いと自認していて、今仕事をしている理由も、何度も何度も突き詰めると「娘/家族の幸せ」に行き着きました。これを理解してからアクションも少し変わりましたし、その時間を大事にするようになったことも事実です。

話を戻して、個人のビジョンを言語化することによって、その企業さまへの安心感もさらに増すのではないかと思っています。


4. 結局何が伝えたかったのか?

下記をご覧ください。

選考においての要素は、この3つであると、個人的には解釈しています。これまでは「見極め」と「惹きつけ」の2つだと思っていましたが、「気づきを与える」と言う要素においては、非常に重要なのではないかと感じています。半年前は、こんなことは考えてもみませんでした。

ただ、ここ最近組織/個人の内面にアプローチすることが多くなってきており、新たな気づきを採用支援において入れるようにしています。実は、本ブログに書いたことをある企業さまに対して具体的に支援をし始めました。まだ効果は分かりませんが、積極的にワークに取り組んでくださっていて、どのような変化が起きるのか、個人的にはすごく楽しみです。

そして、当社ポテンシャライトがアウトプットするブログの中でも、本ブログはわかりにくい話だったかもしれません。なぜならば、専門的な話が多く、採用活動に携われる方々は未知な領域だと思うからです。ただ、VUCAの時代において、僕らは変わり続けていかなくてはなりません。

もちろん僕も例外ではありません。
そんな中で、当社ポテンシャライトも新しいノウハウの創造すると同時に、新しい価値観を取り入れながら進化していきたいと強く思っています。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。

今後も採用/人事系のアウトプットを続けていきます。
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