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採用インタビューを受ける「スピーカー側」が意識すべきこと

「なぜ、魅力を魅力と感じることができるのか?」

そんな問いを最近考えることが増えましたが、これまでアウトプットしてこなかった「スピーカー」について言及しながら、1つブログを書きたいと思います。


0. なぜ魅力に感じるのか?

魅力とは:
「事実」を相対比較して、希少価値を上げた事項

人によって魅力の感じ方は異なります。また伝える人(発信する人)が変わると、魅力と感じないこともあります。
つまり、「魅力」は「事実」がベースになっており、事実を「装飾」することによって「魅力」に変換されるのだろうと気づきました。ここでいう「装飾」というのは、わかりやすく言うと「比較」と言い換えることができます。
そのため、ある人が説明すると「魅力」に聞こえるのに、別のある人が説明すると魅力に感じない事象が発生するのは、これが起因してるのではないかと感じました。つまり、魅力に感じない場合は、「比較」観点が薄く、希少価値もないのです。


1. スピーカーとリスナーの関係性

当社ポテンシャライトは、採用ブランディングや採用広報を実施する際に、話の聞き手(リスナー)になることが多いです。社長様やCxOクラスの方にスピーカーとしてご参加いただき、当社側がリスナーとして深掘りの質問をしていく、という立ち位置になります。
当社の仕事は、できる限り採用企業様の魅力を引き出すことです。そのため、リスナー側のノウハウを中心に整理していたのですが、それらを整理しているうちに「話し手(スピーカー)」についてのノウハウが整理できてきました。ノウハウと言いますか、注意点と言いますか。
ただ、本ブログに記載するノウハウは覚えておいていただいたほうが仕事で役に立つかと思います。


2. リスナー側の状態

リスナー側の状態から話を進めて参りましょう。
結論から申し上げますと、リスナー側の状態は大きく3つに分かれます。ある企業様の魅力をヒアリングするミーティングに参加したと仮定して、以下記載をご覧ください。

 2-1. そもそも話が分からなかった

話が分からなかった=話の「意味」を理解することができなかったという意味です。そもそも「魅力」まで辿り着けておらず、話の「事実」の理解も進んでいません。

このヒアリング時間は双方において無意味であり、リスナーは「ふむふむ」と話を聞いていたのにも関わらず、意味が分かっていなかったという悲惨な時間になります。
ただ、これはスピーカー側の責任と捉えたほうが改善しやすいです。なぜならば、そのヒアリングの「時点」におけるリスナーの「知識レベル」を変えることはできません。仮に、会社の話をしているとした場合、業界の話や専門知識の話も出てくるでしょう。目の前にいるリスナーの方は、スピーカ以上に知識がある事はほぼありません。それにも関わらず、リスナーの方が理解できなかった、という状態においては、スピーカーの方の話の仕方が悪かったと言って良いと思います。

 2-2. 話の内容は理解できたが、魅力に感じなかった

この状態もよく発生します。

そもそも、なぜ人は「魅力」と感じるのか?
その回答は、

「その事実に対して希少価値を感じたから」
になります。

相対比較がなく、オリジナリティーもなく、希少価値がなければ、必然的に魅力として感じることはなく、それは事実に過ぎないです。
話を戻すと、本項の「話の内容は理解できたが、魅力に感じなかった」というのは、スピーカー側の「比較観点」における話が少なかったのだと推測できます。ただ、リスナー側の「知識」にも要因があります。仮にスピーカー側が「事実」のみのアウトプットをした場合、リスナー側の「知識」が豊富であれば、リスナー側の脳の中にある情報の中でリスナー側が勝手に相対比較し、勝手にその事実が魅力であるかどうかを判断します。

1つ事例を用いて説明しましょう。
「建設業界は、日本でも大きな業界の1つ。業界規模は50兆円を超えます。DX化がそこまで進んでおらず、これから推進するタイミングである巨大な業界であるが故に、DX化をするやりがいも感じられるのではないでしょうか?」
このような話をスピーカーの方がおっしゃっていたとしましょう。リスナー側としては、この話を聞くと、幾つかの疑問が生まれます。
例えば、
「50兆円というのがすごいことは分かるけど、どれくらいすごいのかな…」
皆さまも感じたのではないでしょうか。ただ、もしリスナーの方が日本のGDP(国内総生産)と他の日本の大きな業界の市場規模を知っていたらどうでしょうか?その場合、下記のようで情報を変換するかもしれません。
「日本のGDPは550兆円です。つまり、建設業界の市場規模が50兆円である場合、日本の全産業の10%にあたる業界になります。すなわち、建設業界のDX化推進をして建設業界が大きく変われば、日本の20%程度の良い影響を提供することが可能だな」
これはリスナー側に知識があるパターンです。リスナー側で勝手に魅力として変換してくれます。この場合は、スピーカーが稚拙な説明をしたとしても問題ありません。

 2-3. その話の事実も魅力も理解できたのですが、その魅力の重要度を理解できなかった

前項の事例の話をしましょう。
建設業界の市場規模の話をしましたが、ここで皆さまへ質問です。
「転職先を選ぶ際に、市場規模を重要視されますか?」
この質問に対して「Yes」と回答される方は、おそらく100%ではないと思います。僕の予想としては50%いらっしゃれば良いほうだと思います。ただ、市場規模が大きいという事実については、リスナーの方々も「なんとなく魅力なんだろうな」と感じるかとは思います。

ここまでの話を整理しましょう。

「事実を正確にわかりやすく話すことができた」
「その事実に希少価値を加えて、魅力として変換して伝えることができた」

現時点でここまでの説明をして参りました。
そして、それに加えて、

「その魅力が「なぜ重要なのか」という根拠を説明することができた」

ここまでいけるとほぼパーフェクトかと思います。
何が言いたいかというと、事実を伝えて、魅力に変換して、そしてその魅力が重要である理由を伝えたら、おそらくリスナーの方はワクワクしてくれるはずだと思います。一方で、魅力だけを伝えたとしても、そのリスナーの価値観によってその魅力が刺さるかどうかは変わってきます。

話が少々ずれますが、前述した内容を考慮したうえで、「ペルソナ」の設計における重要性があるということですね。
なぜペルソナを設定するのか?
本ブログの内容を考慮したうえでの回答としては、
「勝手に事実を魅力と変換してその重要性にも気づいてくれるから」
という意味なのかな、とブログを執筆していて個人的に思いました。

話を戻すと、本項の
「その話の事実も魅力も理解できたのですが、その魅力の重要度を理解できなかった」というリスナーの状態は、スピーカーに責任があると捉えた方が良いでしょう。スピーカーが伝えた事実と魅力について「なぜ重要なのか」という説明もできていれば、リスナーの方はその重要度を理解してくれるはずです。
少し話がズレますが、スピーカーとリスナーの知識量の兼ね合いについて、こんなスライドを作成しました。

横軸がリスナーの知識レベル、縦軸がスピーカーの知識レベルだとご理解ください。


3. スピーカーが意識すべきこと

では、スピーカーは何に注意して、何を意識して説明を進めれば良いのかを説明したいと思います。

 3-1. リスナーの知識レベルの確認

リスナーがどの程度の知識レベルなのかを確認することによって、説明する「事実」の理解度を推測できます。
説明する業界の知見はあるのか、職種の知見はあるのか、当社のお客様で言うのであれば、ベンチャー企業との取引はあるのか、ベンチャー用語は理解しているのか等を確認することによって、「事実」の説明をする際にどの程度の補足説明をするのかを、事前に想定することができます。
また、知識レベルが高い方であれば「事実」を「魅力」に勝手に変換できます。そのため、事実だけ伝えれば良いという判断もありますが、さすがにそれは危険ですので注意しましょう。

 3-2. 事実を魅力に変換させる

前項でリスナーの「知識」に言及しましたが、知識が少なければ「事実」を「魅力」に変換する事はほぼ不可能です。そのため、自分が発信している話(事実)に対して相対比較をしながら、そして希少価値観点を加えながら説明する事がマストかと思います。

一方で、知識をお持ちの方への説明については、スピーカーの方からすると「あなたはある程度知識があるから、この辺は説明しなくて良いですよね」とある部分を割愛して話を進めることがあるかと思います。これについては否定はしないのですが、そのリスナーの方がどの部分の知識を持ちなのか等が明瞭に分からない中で不要意に話を割愛してしまうと、生産的な時間になる事はありません。とは言いつつ、全てを説明する必要は無いかと思いますので、リスナーの雰囲気を見ながら話を進めると良いかと思います。

ちなみに、もし仮に知識があったとしても、「事実」についての知識は持っているものの、その事実自体を「魅力」に変換できていない可能性は大いにあります。つまり、その業界や職種に対しての知識/知見がある、という尺度は人それぞれであり、また自社が説明したい事実に対して自社が独自の相対比較観点を入れる場合、そのリスナーの方の知識/知見がどれだけあったとしても説明をするべきです。なぜならば、事実を相対比較しながら希少価値を加える「角度」が異なるからです。

 3-3. 魅力の重要度を話す

これは難易度が高いです。
「話をしている事実/魅力が「なぜあなたにとって重要なのか」という視点で話をしてください」と、最近ご支援をさせていただく企業様にはお伝えするようにしています。
(前述にて詳しく説明しましたので、なぜ魅力の重要度の説明をしなくてはならないのか?については こちらでは割愛します)

魅力の重要度を話すだけでも、御社の「惹きつけ力」の向上に直結します。ただ、自分が話しているその事実/魅力の「重要度」をどのように説明できるのか?という点においては、説明の難易度が高いです。なぜならば、その視点で物事を説明したことがある方が少ないからです。


4. 整理をしてみる

まずこちらのスライドをご覧ください。

本ブログにおいて「スピーカー」にスポットを当てた話をして参りました。
スピーカー側がやるべきことと、リスナー側がやるべきことがあると感じました。ただ、前述しましたが、リスナー側の知識レベルが急に向上することはありません。
そのため、スピーカー側が上記のスライドを意識して説明していただくようにするとリスナーの理解も深まるかと思いますので、是非意識していただければ幸いです。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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