見出し画像

ポテンシャライトの最良トレーニングのひとつである「1分間プレゼン」で身につけられる能力

当社ポテンシャライトでは、「1分間プレゼン」というコミュニケーションのトレーニングを実施しています。このトレーニングが、山根の15年間の社会人人生の中で、最も良いコミニケーションにおけるトレーニングだと感じています。
今では、毎週金曜日の全社MTGの後に30分ほど時間を確保して、このトレーニングをしています。個人的にも「このトレーニングは良い」という抽象度でメンバーには伝えておりましたが、「なぜこのトレーニングが良いのか?」「具体的にどのような能力が身に付くのか」などを個人的にも残しておきたく、本ブログの執筆に至っています。
そのため、僕の頭の整理をするために本ブログを書いているのですが、もし本ブログをご覧になっていただいた方が必要性を感じ、このトレーニングを導入いただけるのであれば、それは嬉しい事象です。

では、ご覧ください。


0. 1分間トレーニングとは?

端的に申し上げますと、ある出題に対して1分間でプレゼンテーションを実施することです。
概要をご紹介すると、

 - 出題内容は非公開
 - 出題範囲はHRに関わること全て
  (回答者の知識範囲外もあり)
 - 出題内容の粒度も様々
  (細かい状況の描写もあれば、ザックリもあり)

という感じです。
現在は、様々な背景があって主催者としては僕(山根)が固定となっており、回答者はメンバーという構図になっています。
具体的な出題内容をご覧いただいた方がイメージが湧くかと思いますので、下記ご覧ください。

(1)先週金曜日に某媒体のスカウトメールを50通送信したのですが、翌週月曜日の朝の時点で返信が1件も来ておりませんでした。これはどのように対処すれば良いでしょうか?
(2)職種が10を超えている中で、スカウトメールを用いてプッシュ型の採用をすべき職種についてはどのような選定基準でピックアップすればよろしいでしょうか?
(3)採用活動は割とうまく進んでいるのですが、社員の帰属意識にやや課題があります。ただ、人事組織のダイナミックなアクションは現場ごとに取りにくい状態なのですが、「採用」活動という範囲において、帰属意識を上げるためにどのようなアクションがあるでしょうか?
(4) 12月のクリスマスケーキ商戦において、従業員数を増やしたいと思っているのですが、どのような手法でどういう風に動けばよろしいでしょうか?
(5)人事評価制度において、「ヒューマンスキル」を評価項目に入れようと思っているのですが、入れるにあたりどの程度の粒度のスキルを記載すればよろしいでしょうか?

こんな感じの質問が出題されます。
また、この様々な内容、且つ様々な粒度の質問に対して、下記のルールが設定されています。

◆ルール
 - 出題後 10秒は思考タイムでok
  (頭で考えて良い時間、何も発しなくてok)
 - 質問は2回まで
  (質問に時間がかかると回答の時間が減る)

出題者は、本当にざっくりした質問することもあり、そのざっくりとした粒度ですと、とてもじゃないですが回答ができない場合も多いです。その場合は、周辺情報の確認を質問することが必須になります。
一方で、出題者が2分程度話し続けることもあります。この場合はとにかく出題者がたくさんの情報をアウトプットしてくれます。ただ、アウトプットする量が多いが故に、主催者が何を確認したいのかを見極める作業が必要になってきます。
といった感じのトレーニングになります。

このトレーニングを社内でし始めたのは、大体1年程度前になるかと思いますが、このトレーニングにおいてどのような能力が身に付くのかを個人的にも棚卸しする機会がなかったので、記載してみたいと思います。


1. 質問を「抽出」する能力

日常におけるコミュニケーションにおいても、質問者と回答者が分かれている場合、質問者が具体的にどのような質問をしたいのかよくわからない事がありませんか?
「〇〇さんは、何を質問したかったのか…?」
「すごくたくさん話をしてくれたが、結局何が言いたかったのか…?」
という場合です。
ただ、相手を不快にさせないためにも、「あなた、何が言いたかったのかわからなかったですよ」というコミニケーションを、ビジネスの世界においてするのは良くありませんよね。

1分間プレゼンでは、質問者(出題者)がさまざまな粒度で話をします。5秒で質問をすることもあれば、2分程度で状況を細かく伝えてから質問することもあります。
そのため、「出題者がどのような質問をしたかったのか」などコミュニケーションの中で「抽出」する能力を得ることができると思っています。


2. 質問を「明瞭化」する能力

こちらも日常のコミュニケーションにおいてよく発生するのですが、質問者が何を聞きたいのかがわからないことも発生するかと思います。例えば、
「なんとなく何を質問されているのかは理解できたんだけれども、具体的に何を最も聞きたいのかがわからない」
という場合です。

因みに、質問者のご質問に対して真摯に回答したつもりではあったが、質問者から「いやいや、それを聞きたかったのではなくて」とずれた回答を指摘されたご経験を持ちではないでしょうか?僕もあります。
本件が発生した場合、正直どちらが悪かったのかを判断することができません。質問者の質問の仕方が悪かったのか、回答者の質問の捉え方が悪かったのか、どちらの可能性も大いにあります。ただ、1つ言えるのは質問者と回答者の共通認識が取れていなかったことが挙げられます。

繰り返しになりますが、1分間プレゼンでは様々な粒度の質問が飛んできます。そのため、具体的に質問者がどのような回答を求めているのかをイメージできない場合もあります。その場合は1分間プレゼンのルールである「質問を2回してよい」を活用して、質問を「明瞭化」します。このアクションをすることによって、質問者と回答者のズレを軽減することができます。


3. 回答の「範囲」を設定する能力

皆さん、こんな経験はありませんでしょうか?
「〇〇という事象についての質問をしていて、〇〇についての回答はさらっとしていただいたが、△△や●●についての回答もいただいた。ご丁寧な回答を感謝はしているが、本来質問したかった〇〇について理解することに苦しんだ」
僕も、社会人経験の中で、とてつもなく話が長い方と一緒に仕事をしたことがあります。有難いお話ではありますが、とにかく話自体が全て入ってくるわけではなく、且つその長い話を要約してみると、正直たいした話をしていないことが多いです。

少し話がずれましたが、1分間プレゼンは回答時間が1分間です。そのため、出題される質問がどんなに壮大な質問であっても、逆にどんなに小さな質問であっても1分間で回答する必要があります。つまり、質問に対して回答の「反映」を自分なりに設定して、回答する必要があります。

蛇足ですが、当社ポテンシャライトでは全メンバーが集まる共有会においては、各メンバーからの発表時間を細かく計測するようにしています。例えば、週次で実施されるウィンセッション(月次締め会)は、1人の持ち時間を2分間にしており、タイマーを画面に大きく映しながら話をしてもらっています。また、朝礼のあとにミッション/ビジョン/バリュー/カルチャーに沿った事例を持ち回りで発表してもらっているのですが、その時間も2分で設定し、フィードバック担当は1分で設定しています。
なぜ時間を意識しているかというと(これは僕の価値観ですが)、同じ価値がある「アウトプット」を5分でできる方と30秒でできる方では、圧倒的に後者の方がコミュニケーション力があると思っています。それが故に、僕はテレビアナウンサーのコミュニケーション力は最強だと思っています。テレビはCMまでの時間が限られている中で、その場の状況に応じて様子が変化する中で、ニュースを伝えなければなりません。そして先にコメントを求められることもあります。その際に、最適な時間で話をするスキルはすごく尊敬します。

話を戻し、この1分間プレゼンでは、回答時間が1分間であるが故に、回答者が回答の「範囲」を自己判断して、頭を整理して回答する必要があるため、これは良いトレーニングになっていると感じています。


4. 回答の「ピン」を立てる能力

これは前項とやや重複しますが、あえて分けて記載したいと思います。
何度も記載して申し訳ありませんが、1分間プレゼンでは出題者の質問は粒度が様々です。且つ1分間で回答しなければならないというルールがあります。そのため、質問の内容は問わず、1分間で何を説明するのかはジャッジが必要です。

例えばこのような質問が出題された場合、皆様はどのように回答いたしますでしょうか?
「ベンチャー企業の採用活動で重要なことを教えてください」
さて、どうしたものか。
質問者が知りたい内容は、「ベンチャー企業の採用で重要なこと」です。「重要なこと」については、様々な解釈がありそうですよね。例えば、
 - まず何を実行するべきなのか?
 - どのような心構えが必要なのか?
 - 何の媒体に出稿すると良いか?
 - 予算なのか?
 - 採用活動に投じる時間なのか?
上記以外にも想定されるかと思いますが、様々な角度の回答ができる可能性があります。
1分間プレゼンでは2回の質問が許されておりますので、質問者が何を求められているのかを追加質問してみます。例えば、
「ベンチャー企業の採用で重要な事というのは、「心構え」なのか「手法論」なのか「予算感」なのか、などいかがでしょうか?」
この類の質問すれば、質問者がイメージしている「重要なこと」のイメージのすり合わせができるかと思います。ただ、その質問に対してこんな回答がをいただいた場合、どうしますでしょうか?
「そうですね、全般的に回答いただきたいです」
日常のコミュニケーションにおいても、質問者が欲張りであり、様々な情報収集をしたいが故に、このような回答をいただくこともありますよね。この場合、1分間という時間において何に「ピン」を立てるのかが非常に重要です。もちろん質問者がどのような回答を求めているのかを確認/察知したうえで、になりますがここは回答者の腕の見せ所です。
上記の事例においては、「ベンチャー企業の採用活動で重要なこと」については、「心構え」にピンを立てるのか、「手法」にピンを立てるのか、「予算」にピンを立てるのか、という話ですね。


5. わかりやすく「説明」する能力

これはいわゆる「コミュニケーション力」と認識されている能力ですね。
前項までで説明をするにあたり必要な「土台」を整えたかと思うのですが、その土台となる情報を得たうえで、わかりやすく「説明」する能力は勿論必要になります。
これは1分間プレゼンであってもなくても、日頃のロープレであっても同じように身に付けることができるかと思いますが、敢えて言うのであれば、やはり「1分間」という時間の中で、どこにピンを立てて、説明していくのかが重要です。

また、コミュニケーションにおいて一般的に必要である、

 - 結論から
 - その後に詳細を
 - 相手がわかる用語で
 - 端的に明瞭に
 - できるだけイメージがつきやすいように

などは1分間で説明する際に求めています。


6. 補足で説明をする能力

1分間プレゼンでは、時間が指定してあるが故に、1分間を丸々使うことを是としています。そのため、仮に時間が余ってしまったら減点としています。
ただ、質問が明瞭であるが故に1分間も話をしなくても十分である場合もあります。その場合は、「補足」をするようにメンバーには伝えています。
「補足」とは何かというと、質問者が聞きたい内容は網羅できたけれども、その回答に対して、さらにその後に重ねて質問をするのであれば、どのような内容なのか。

例えば、「wantedlyの運用のベストプラクティスは何ですか?」という質問があった場合、仮に30秒でベストプラクティスを説明できたとしましょう。ベストプラクティスを説明できた後に、質問者が次に質問してくると想定する内容は何なのか?例えば、「同時並行で使っているGreenについても教えてください」なのか「wantedlyのベストプラクティスは変わりゆくものなのか?」という質問が「想定」されます(あくまで想定です、もちろん他にも想定されます)。
「質問者が最低限求めていることを凌駕する形で回答する能力」と表現するほうが適切かもしれないですが、この能力を身につけることができます。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。

最近リリースしたポテンシャライトのノウハウを取り入れたATS Opela(オペラ)にご興味をお持ちの方はこちらよりご連絡ください 👇

今後も採用/人事系のアウトプットを続けていきます。
よろしければフォローもよろしくお願い致します(左上クリックいただき、「フォロー」ボタンがあります)👆


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?