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「判断力」を上げるために重要な「要素」を加えるというアクションについて

皆さん、こんにちは。ポテンシャライトの山根です。

12月は「Potentialight Advent Calendar 2023」と題して、25日まで毎日(営業日)ブログを公開する企画を実施中です!

今年度、当社のブログ公開数は「累計500本」を突破しました!
このままアウトプットのスピードを緩めることなく、今年を締めくくることができるよう本企画を進めています!

スケジュールはこちらです 👆

当社メンバーからの発信をぜひお楽しみください!
全てのまとめnoteは [こちら]!では、本ブログをご覧ください。


「判断ができない場合は、何か「要素」を入れてみて。判断できるから」

そんなアドバイスをメンバーにすることがあったのですが、確かに僕が20代の頃に「判断力」をご指摘いただくことが多数ありました。自分が判断して決めたことを正解にすれば良いだろう、と思っていたのですが、これは個人であれば通用する考えで、チームや組織において向こう見ずな判断をすると歪みが発生します。
ましてや、お客さまを巻き込む判断であればなおさらです。では、どのような「時空」で判断をすれば良いのか?この内容に触れたブログを書いたことがなかったので、記載したいと思います。



0. 判断はなぜ難しいのか?

端的に言うと、「判断」は「選択すること」だと思います。①なのか②なのか、やるのかやらないのか、イエスなのかノーなのか。二者択一の選択の場合もありますし、複数の選択肢がある中で1つを選択する場合もあります。ただ、正解を選ぶのが難しい。なぜならば、何が正解か想像がつかないからです。では、なぜ正解が想像できないのか?≒判断ができないのか?

その答えはシンプルで、

判断する上での材料が足りないから

です。

材料は「経験値」から生まれるものです。そのため、経験値が高ければ高いほど判断をするスピードは上がります。ただ、勘違いしてほしくないのは、判断の「スピード」が上がるだけで、判断が必ずしも「正解」になるわけではありません。なぜならば、、判断すべき事象は、過去の経験と「全く同じ」というわけでは無いからです。あらゆる変数がある中で、過去に判断した時と「全く同じ」というケースはほぼなく、何かしらの変数が発生しているはずです。そのため、「大まか」には判断できるかもしれないのですが、繰り返しになりますが、それが「正解」とイコールなわけでは無いことをご理解ください。

ただ、「経験値」が判断において重要になってしまうと経験が少ない方にとっては有益な内容ではないため、もう一つ深掘りをして参ります(むしろ、次項が本ブログでお伝えしたいことです)。


1. 「要素」を加えることによって、簡単に判断することができる(こともある)

事例を用いて説明します。

一つ皆さまに質問をします。

今日(明日)の夜ご飯は何が食べたいですか?

人それぞれ希望は様々であるかと思うのですが、その希望は何を軸に決められましたか?「シンプルに今食べたいもの」を答えたかと思うのですが、答えに窮した方もおられると思います。

では、質問に一つ「要素」を追加します。

今日(明日)の夜ご飯は何が食べたいですか?昨日のランチと夜ご飯で食べてないものにしましょうか。

皆さまいかがでしたでしょうか?1つ前の質問よりは回答しやすくなったのではないでしょうか?なぜ回答しやすくなったかというと、「要素」を加えたからです。その「要素」とは、昨日のランチと夜ご飯で食べて「いないもの」です。夜ご飯の「系統」は多くて、10パターン程度だと思います。例えば、中華、洋食、和食、もう少し細かく申し上げると、ハンバーグ、スパゲッティー、チキン南蛮、牛丼、おそば、うどんなどです。このうち昨日のランチと夜ご飯のパターンの2つが消えたわけですから、おそらく皆さんの好みと考え合わせると判断しやすくなったのではないでしょうか。

今、皆さまに読んでいただいたこの内容について、「当たり前だろ」と思っておられるかもしれないのですが、仕事になると急にこれができなくなったりします。


2. 「要素」を加えた判断の事例

当社はHR系の企業ですので、採用関連の事例について触れたいと思います。

 2-1. 事例①

あなたは30名程度のIT企業の社長です。3ヶ月間でエンジニア採用をしなくてはなりません。どの採用媒体が適切でしょうか?

事例①

抽象度が高い質問です。先に結論を申し上げてしまうと、この粒度の質問である場合は、正確に判断(回答)をすることが難しいのですが、この質問をいただいたときに、仮に回答するのであれば下記のような回答になるはずです。

「もし仮に業務エンジニアの採用であれば、エージェント/Greenが該当します。一方で、もし仮にWeb系エンジニアであれば、forkwell、Findyなどが該当します。さらに、採用ターゲットが年収帯が高い方であるなら、ビズリーチだと思います」

回答①

この回答の中にある要素は「職種詳細」と「年収帯」です。この要素を加えることによって回答しやすくなっています。

 2-2. 事例②

あなたは80名程度のIT企業の人事部長です。これまで採用広報/採用ピッチ資料の類である採用マーケティングには取り組んできませんでした。今期の採用目標人数は20名です。採用実務に加えて採用マーケティングにどの程度予算を継ぎ込みますか?

事例②

これもよくある事例ですよね。では、判断(回答)してみます。

「仮に、前期までの採用人数が20名を超えているようであれば、採用マーケティングに無理に取り組まなくても良いと思います。なぜならば、同じ手法でも採用目標の達成はできると想定されるからです。一方で、前期までの採用人数が20名を超えていない、もしくは別の採用職種が発生している、さらによりレベルの高い人材を採用したい、というご要望があるのであれば、採用マーケティングに取り組まなくては目標を達成できないかもしれません」

回答②-a

この回答の中にある要素は「前期までの採用人数の達成可否」「採用職種」「採用の質」です。これらの要素を加えることによって回答がしやすくなります。

では、本項における「好ましくない要素」を加えた事例を下記してみます。

「確かに、最近採用マーケティングが流行っているので取り組んだ方が良いと思います。様々な企業様で採用広報の記事をSNSで拡散されているのをよく見かけますしね。取り組んでいきましょう!」

回答②-b

この回答の中にある要素は「流行っている」です。この要素の加え方がなぜ好ましくないかというと、「ゴール」を意識できていないからです。ゴール=目標と仮定します。そして採用マーケティングという手段は、何かしらの「問題を解決するため」に実施されると思います。問題とは、理想(目標)と現実のギャップです。このギャップに対して必要な「要素」を想定すべきなのですが、「流行っているから」という要素は不適切に近いとご理解いただけるかと思います。


3. 日々のディスカッションにおいて観点を置くべきなのは「判断結果」ではなく「要素」のほうが良い

社会において様々な判断が無数のようにされています。僕らも日々生活する上で、ものすごく多くの判断に強いられています。

本ブログで最も伝えたい事は

「何かを判断するときには「要素」を加えることによって判断がしやすくなる」

ですが、これを理解することによって、「判断結果」に惑わされることなく、「要素」つまり「何を軸に判断したのか」を聞いた方はその判断に対して納得感が深まります。一方で、納得感が得られない可能性も高いです。なぜならば、「判断結果」には合意しているけれども、「要素」には合意しにくい、というパターンが発生することがあるからです。

例えば、「経営側」からこんな発信があったとします。

「20時以降の残業を禁止します」

これは「判断結果」です。ただ、経営側は何を軸にこの判断をしたのでしょうか(要素)?よくよく聞いてみると、「残業代を抑制したいから」という理由だったとします。これが要素なわけです。

経営に携わるものとしては、よくある事例ではあるのですが、仮に僕が若手社員だとしたら、20時以降に会社に残ってはいけない、というルールは合意し兼ねます。なぜならば、会社に残って自己研鑽もしたいですし、日によって仕事の強度は変わりますし、今日やらなければならないことが山積みになってることがあります。そのため、「残業代を抑制したいから」という理由(要素)での判断であれば、納得感がそこまで強くないかもしれません。

一方で、「社員の健康管理」という理由でしたらいかがでしょうか?20時という変数は一旦さておいて、この仕事における顧客からの精神的効果は非常に高く、その精神的負荷が高い中で業務時間も多くなってしまうと、長期就業が難しくなってしまうというデータがある。そのため、20時という目安を作って業務時間を抑制していく。

前者の要素は「コスト(残業代)」、後者の要素は「社員の健康」であることがわかります。ただ、社員に伝わるのは「20時以降は残業をしないでくれ」という「結果論」だけであることが多いのですが、「判断結果」ではなく「要素」を理解することが非常に大事であることはご理解いただけるのではないでしょうか?


4. ディスカッション結果は「要素」によって「真逆」になる

「①の案と、②の案、どちらが良いですか?」

というディスカッションがあったとします。このディスカッションは「要素」の加え方によって、真逆の判断になることが多いです。

例えば、

「今だけを楽しみたいのであれば、①と②のどちらが良いか?」
「あなたが経営者だったら、①と②のどちらが良いか?」
「あなただけが得をしたいのであれば、①と②のどちらが良いか?」
「会社のミッション/ビジョンを達成するためには、①と②のどちらが良いか?」
「あなたの感情を置いておくのであれば、①と②のどちらが良いか?」

これらを「要素」に加えることによって、びっくりするぐらい判断ができてしまうことがあります。さらに、デスカッションにおいて、あなたに有利な「要素」を加えると、すぐに判断ができてしまうかもしれません。

よくあるのは、SaaS企業のThe modelの事例でしょうか。

マーケティングの結果のみを最大化をすると、インサイドセールスに歪みが出る。
インサイドセールスの結果のみを最大化すると、フィールドセールスに歪みが出る。
フィールドセールスの結果のみを最大化すると、カスタマーサクセスに歪みが出る。

そのため、各部門において「自分たちに都合が良い要素」を加えると、ディスカッションの結果は簡単に出るのですが、「全体最適」という要素を加えなければ、いつまで経っても「全社的」に良い結果が得られないことが多いです。

もう1つ会社でよくある事例を記載します。

CxOクラスの結果のみを最大化すると、事業部長に歪みが出る。
事業部長の結果のみを最大化すると、マネージャーに歪みが出る。
マネージャーの結果のみを最大化すると、メンバーに歪みが出る。
1人のメンバーの結果のみを最大化すると、他メンバー/マネージャーに歪みが出る。
Aさんの結果のみを最大化すると、Aさん以外の他メンバーに歪み(不満)が出る。

このように問題はシステムのように繋がっています。

本ブログは「判断」の話になりますが、判断の「要素」は「自分」に視点を置いても良いのですが、「周り」にとってはデメリットが存在する判断になってしまうことをご認識いただければと思います。

ちなみに最後の話を記載します。

当社は「組織OKR」という仕組みがあります。組織OKRとは、本来部署を作って役割を担ってもらう職域を、OKRとして切り出して、社員の誰でも携わることができる仕組みです。

例えば、営業部、マーケティング部、営業企画部、人事部、ブランディング部などが会社には存在するかと思います。部署で分けてしまうと専任者が発生します。この手法自体は合理的ではあるのですが、僕が若手だったら何でも手を出したいし、そういったチャンスを提供できる企業のほうがワクワクします。という背景で組織OKRを作っています。

なぜこの事例を本ブログに記載したかというと、各組織OKRの効果を最大化させると、横にいる組織OKRに歪みが出ることもあります。また本ブログの主題である「判断」については、特定の組織OKRに偏重(要素) した判断をすると、全体最適にはならないこともよくあります。

そのため「要素」は可能であれば「全体最適」が良いでしょうね。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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