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ポテンシャライトが目論む2023年のHRトレンド予測

2022年の振り返りブログを書いてから1週間程度が経過しました。

せっかくですので、2023年のHR業界におけるトレンド予測を個人的な主観で書いてみたいと思います。

書く前からこんなことを言うのもアレですが、
毎年この類の予測をするのですが、1年間を振り返ってみると、当社も予想だにしなかったようなトレンドが生まれていることがほとんどです。当社において、それらのトレンド(ノウハウ)が生まれるきっかけとなるのは、HR活動をしている際の「課題」が起点になっており、その課題を解決した結果、ノウハウが生まれ、トレンドとなっていきます。

そのため、今回の予測は、2023年の1月3日時点の予測だとご理解いただけると幸いです。では早速見て参りましょう!


1. 媒体上の有効求人倍率が2回転目に入る

まず前提として、日本には様々な採用媒体が存在しています。リクナビネクスト、DODA、エン転職、マイナビ転職、Wantedly、Green、Forkwell、Findy、転職ドラフト、LAPRASなど挙げればキリがありません。

そこで認識していただきたいのは、各採用媒体における「有効求人倍率」が存在すること。どんなに多くの求職者さまの登録があったとしても、莫大な企業(求人)がその採用媒体を利用していれば、有効求人倍率が上がってしまいます。つまり、現時点でどの採用媒体における有効求人倍率が低いのか、すなわち採用企業にとって有利な状態なのかを見極める必要があります。

本項のタイトルに「2回転目」という表現をしました。どういうことかというと、直近5年程度 目ぼしい採用媒体が生まれておりません。当社は、ベンチャー企業における採用支援を中心に行っており、エンジニア採用が多くございますが、最も直近で誕生したのは、おそらくFindyさんかと思います。Findyさんが誕生してからおそらく5年程度は経過しており、繰り返しになりますが、直近は新しい採用媒体が生まれておりません。そのため、あらゆる採用企業が、現在存在している目ぼしい採用媒体を「一巡」してしまった、そんなイメージです。

そんな中、Wantedlyは2016年ごろに1回目のブームが訪れた認識でいます。その頃は有効求人倍率が低く、成果報酬も不要な本サービスにおいて、主力の採用媒体として設定していた企業様も多いのではないでしょうか。

話を本題に戻すと、ある程度採用媒体が一巡してしまった感があり、2020年の年末頃から「Wantedlyでエンジニアを採用できた」「Wantedlyでスカウトを実施したら思った以上に返信が来た」という声が耳に入ってきております。2020年頃は「Wantedlyでエンジニアの採用は難しい」という声の方が大きかったのですが、おそらくその認知は広がっており、逆に、採用企業様がWantedlyの利用を検討から外している可能性も出てきています。

そのため、「2回転目」というのはそういう意味合いであり、数年前にトレンドになっていた媒体の使用後、採用企業各社がノーマークとなっている状態の可能性があり、有効求人倍率が変化してきている、そんな印象を持ちます。

そのため、2023年では「〇〇職であればこの媒体が良い」という教科書のバランスが少々崩れてくる1年になるのではないか、そんな所感を持っています。


2. 採用広報ブームが2回転目に入る

前項で採用媒体別の有効求人倍率の話をしましたが、採用広報も同様の所感を持っています。採用広報が認知され始めたのは、2016年の頃。メドレーさんやMoneyForwardさんが開始したことがきっかけだったのではないかと個人的には捉えています。それを真似する形で各社が採用広報を始め、2018年頃にはなんとなく作成した採用広報が世の中に蔓延しており、採用広報疲れが起きていた。そして2020年以降は「とは言いつつも、採用広報は必要だ」という流れになっており、各社が精一杯取り組んでいる。ただ、採用広報は、KPIを設定しにくく、取り組むコースを考えると、費用対効果が合わないと感じている方も多いのではないかと思います。そのため、どうしても後回しになってしまい、結果的に採用広報に取り組む企業が少なくなっている、そんな印象を持ちます。

そんな中、2023年に入り、採用広報を精力的に取り組むだけで、目立っている時代が訪れるのではないかなと。つまり、採用広報がトレンドになり始めた2017年頃と同じような時代になるのでは?と少し感じています。誤解がないように申し上げると、採用広報が世の中にリリースされる数が少なくなるという意味合いで、ブームが再燃するというよりは、今がチャンス感を割と強く感じています。

ちなみに、直近2年間ほどの中で、採用企業様が満足いくような採用広報の質を担保できていた企業様はほぼ見たことがありません。2回転目に入ってくるこのタイミングで強化すると良い成果につながる可能性があるのかなと感じています。


3. 新卒エンジニア採用の本格検討化

これは2023年だからというわけでは無いのですが、エンジニア採用の難易度が年々上がり続けています。その背景の1つが本ブログの次項に記載をしている大手企業のDX採用になるわけですが、本項では詳細を割愛するとして...。

話を戻して、即戦力のエンジニアの中途採用における難易度が高く、採用活動に投資した時間に対して採用人数が割に合わないと思っている企業も増えているかと思います。そのため、各社が採用ハードルを下げたり、外国籍のエンジニアの採用に注力したりと動いています。

そんな中、ポテンシャル採用になる事は間違いないのですが、新卒エンジニア採用を検討し始める企業様が年々増えてきている印象です。そのため、2023年にブームが訪れるというより、去年と比較して新卒エンジニア採用に取り組み始める企業様が増えるのではないかと予想しています。

僕の感覚ですが、中途採用と新卒採用を比較した際に、スカウトの返信率は3倍程度新卒エンジニアの方が高い印象を持ちます。もちろん、中途採用と比較して新卒採用は別の勘所が必要になる事は間違いないですが、(本ブログでは詳細は割愛)採用活動全体における費用対効果は新卒採用の方が高いのではないかと感じている企業様もいらっしゃるはずです。

言うまでもないですが、採用活動を事業を成長させるために実施している方もいます。中途採用にこだわり続けるが故に、採用/入社が遅れて、事業の成長が鈍化するくらいであれば、新卒採用を実施し、教育/育成をしながらシステム開発をする方が良い、という判断をする企業様も増えてくるのかなと予想しています。


4. 大手企業のDX採用がさらに過熱化

2021年頃から、いわゆる法定企業がDXへの取り組みを本格始動しています。もちろん、企業によって取り組み開始時期は様々ですが、2023年に入るとDXへの取り組みを全くしていない大手企業様は少なくなるのではないかと思います(山根の感覚値ですが)。

DX、つまりITに関連する職種においては、企業様と採用バッティングすることが増えているのではないでしょうか? シャープさん、ニトリさん、その他多くの企業様がDXへの取り組みについてメディアに取り上げられており、採用活動を強化しているのは有名な話です。

当社の主戦場は、ベンチャー企業の採用活動ですが、当社へのご依頼についても大手企業様が増えています。また、特にエンジニア採用において、大手企業様とバッティングする機会も増え、さらに採用難易度が上がってきているように思えます。これからさらにこの動きが活発化すると予想され、年々厳しくなっていくのではないかと思います。そのため、大手企業のDX採用へのバッティング対策を今からでも準備しておいた方が良いのではないでしょうか。


5. エージェントの再燃時代

これは2年ほど前から発信し続けているのですが、エージェントが採用市場において猛威を奮う威力が年々上がってくるのではないかと個人的には思っています。

本ブログの冒頭にも記載しましたが、5年ほど前まで採用媒体の数は増え続けていました。求職者さま側の立場に立つと、求人を選ぶプラットフォームが増えすぎてしまってる印象を持ちます。そして、各社の採用マーケティング活動が上手になってきています。そのため、どの企業が自分にマッチしているのかを、採用媒体の情報だけでジャッジすることが難しくなってきているのではないかと思っています。

そんな中、日々僕らが使っているWeb/スマートフォンで使用するサービスのUXはどんどん優れていき、少しでも使い勝手が悪いと、そのサービスを利用することをやめてしまう、そんなことも増えているかと思います。

ただ、転職活動はサービスの使い勝手/心地よさだけで安易に決めるものではありません。面接をして「この企業はすごく良い」と思ったとしても、ミスマッチを完全にする事は不可能です。そのため、僕の個人的な主観ですが、日本からエージェントの存在がなくなる事はないと思っています。

話を戻すと、採用媒体の数が増えたからこそ、そして採用マーケティングがここまで発達している今だからこそ、「人」の意見を聞いて、転職活動したい、という転職市場における欲求は再燃するのではないかと思っています。

それが故に、2023年はエージェントの登録が減少する事は恐らくなく、横ばいか増え続けるのではないかと思っているのが僕の意見です。そのため、採用企業にとってはエージェントに力を借りる事は必須なのではないかと思っています。


6. リモートの是非が問われる

従業員の働きやすさを第一に考えるとリモート勤務の方が良いという意見もあるでしょうし、会社の成長を第一に考えると出社をした方が良い、といった意見もあるかと思います。

様々な意見がある中で、「出社必須」の企業も増えて参りました。それに対して抵抗を示す求職者さまもおられ、リモートの是非については何とも言えない状態ではあります。

そんな中、2021年頃から、アメリカの著名企業が出社型に切り替えていたり、世界的にも動きが増えています。個人的には、決められた作業を実行し続けるのであればフルリモートで良いとは思っているのですが、ゼロからイチを生み出すようなイノベーティブな業務は対面の方が良いと思っています。そのため、世の中に対して新しい価値をどんどん発揮していきたい、という企業や役職、職種の方は、対面出社の必要が増えてくる可能性があり、一方で、自立した作業者である企業や役職、職種の方はリモート勤務でも問題ないと感じています。

話を戻して、採用市場においてリモート勤務か、出社勤務かを選べる方が応募が集まりやすい傾向にありますが、フルリモート、フル出社の場合は、その意図や必然性をきちんと説明する必要があるかと思っています。


7. 副業/フリーランスの是非が問われる

2019年頃から副業が日本に浸透し始め、あらゆる業界や年齢の方が副業を経験しています。そして、雇用する側である企業においても、副業の是非については結論が出始めているのではないかと思っています。

まず、副業やフリーランスの方々を雇用する場合については、フルコミットではないため、過度な期待をし過ぎてはなりません。繰り返しになりますが、僕の周りのベンチャー企業様においては、業務におけるフルコミットが前提であることが多いため、副業雇用をする側の葛藤が生まれてきているのは事実としてあります。

そのため、2019年頃は副業での受け入れも可にしていた企業様も、正社員のみと限定している企業様が増えてきていると感じています。もちろん、各社の考え方次第ではあるのですが、高いスキルがない方の副業雇用についてのメリットを感じている企業様が少なくなっているのが事実ではあるため、2023年の副業採用における意欲はそこまで上がっていかないのかなと個人的には思っています。


8. EX注力企業が勝つ

採用マーケティング/採用広報の話を前述しましたが、この2つをやりきれている会社はほぼ見たことがありません。一方で、Employee Experienceについての重要性も騒がれ始めているのが実態です。

Employee Experienceとは「従業員体験」です。つまり雇用した従業員に対してどのような体験設計をするのかを考えることです。

詳しくはこちらのブログをご覧いただきたいのですが、やるべき事は本当に多数あります。「マンパワーが足りなくてとてもじゃないけどできない」という声が聞こえそうですが、少しでも余裕があるタイミングにこれらを強化しておくと、採用市場において大きく前進できることは間違いありません。


9. 本ブログを書いてみて思ったこと

カジュアル面談、採用広報、採用マーケティング、Employee Experience、エンジニア採用。

これらの共通点としては「20年前には存在していなかった」ということです。つまり、20年前の採用市場は、募集をして、面接をして、内定を出していればよかったのですが、上記の様々なやるべきことが採用市場には誕生してきています。

何が言いたいかというと、採用市場ではこれから勝者と敗者の2極化が始まってしまうかもしれません。2極化というと大げさかもしれませんが、採用活動において「緊急度は低いが重要度が高いこと」が増えて参りました。その項目に当てはまることに取り組めば取り組むほど、採用市場においては勝者になることができる確率がぐんと上がるのではないかと思っています。

2023年も、当社としてはあらゆるHRトレンドやノウハウを生み続けたいと思っています。僭越ながら日本のHR市場を少しでも引っ張っていけるよう、取り組んで参りたいと思いますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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