見出し画像

[組織ブログ Ver.33]真相的な素直さ/謙虚さとは何か?U理論から紐解いてみる

僕は人材業界に17年ほど携わっておりますが、「素直ではない人を採用したい!」という言葉は聞いたことがありません。むしろ、「素直/謙虚さを持った方を採用したい」と言うご要望をいただいた事は無数のようにあります。

皆さまにとって「素直さ/謙虚さ」とはどのような定義でしょうか?

僕自身は社会人になってからこの言葉を探求し続けていました。そして、ここ最近アップデートがありましたので、本ブログにてご紹介したいと思います。




0. 素直さ/謙虚さとは?

素直さ
 1. 「素直」は、物事や人の話などをそのまままっすぐに受け取ったり受け入れたりするさまや、性格などがひねくれたりしていないさま。
 2. 「柔順」は、性格的におとなしく逆らわないこと。「従順」とも書く。
 3. 「温順」は、性格の穏やかさ、人に逆らわない性格であるさま。
 
謙虚さ
 1. 「謙虚」は、へりくだってすなおにうけいれるようす。

goo辞書より参照


1. なぜ素直さ/謙虚さが求められるのか?

これは完全に持論で記載していきたいと思いますが、素直さ/謙虚さをなぜ採用活動において求めるのか?

1-1. マネージメント/育成コストの生産性が高い

どんなに即戦力であっても、新しい会社にジョインする際には、一定のオンボーディングをしなくてはなりません。その企業のカルチャーや、細かい業務の進め方、勤怠管理の仕方など、さまざまな「伝達」をする必要があるのですが、この際に「え、でも」と毎回逆説で返答をされてしまうととても大変です。もちろん本人に悪気は無いかもしれないのですが、「そこは素直に受け入れてくれ」と言う場面ももちろんあります。

1-2. 吸収力がある

素直さ/謙虚さがあると、あらゆることに対して吸収をする素地があるため、戦力になっていただくまでのスピードが早いです。頑固な方だと、自分自身のこれまでの経験や知見で形成された「枠組み」を飛び越えないことが多く、吸収を無意識的に阻害してしまうことがあります。
素直さ/謙虚者は吸収力を高めることができる1つの要素になり得ると思います。

1-3. 対話ができる

「対話」の対義語が「議論」だと思います。
※対話と議論の違いは下記ブログをご覧ください。

素直さ/謙虚さがないと、すべてのコミュニケーションにおいて「勝ち負け」を求める場合があります。もちろん業務において、結論を出さなくてはならない場合は、その場で議論をする必要があります。一方で、感情や価値観を伴う会話においては、正解が存在しない場合もあります。その際に素直さ/謙虚さがないと、自分が感じたことを正解だと捉えたり、自分の価値観のおしつけが発生します。

1-4. アンラーニングスキルが高い

VUCAの時代において、時代のトレンドの移り変わりが本当に早くなってきています。昨日までの正解が、今日は不正解になってしまう、そんな時代になってきてると個人的には思っています。その際に、「アンラーニング」する必要性は高く、素直さ/謙虚さがなければ、アンラーニングを進めることが難しくなる事は事実です。

1-5. 話をしていて気持ちが良い

素直さ/謙虚さがある方と話をするのは、シンプルに気持ちが良いと思います。コミュニケーションにおける精神的な疲弊もないでしょうし、日々気持ち良く仕事ができる事は言うまでもありません。これは当たり前なことですが、素直さ/謙虚さがない方とお話をすると、ボディーブローのように効いてきます。


2. 本質的な素直さ/謙虚さとは?

半年ほど前に、こんなブログを執筆しました。
簡単に要約をすると、

業界/職種未経験の方は素直さがあって当たり前、なぜならば、その領域に無知な方は真っ白な紙のような状態であるため、反論のしようがないから。
ただ、その業界/職種の知見が身につくと、その知見を正解だと思い込むことが発生する。そしてその後、知見が身に付けば身に付くほど素直さを失っていく。本質的な素直さ/謙虚さとは、知見を身につけたとしても、人の意見を受け入れることができることなのではないか。

そんな内容になっています。
このブログは、これまで僕が様々な方々とお仕事をご一緒させていただき感じたことです。僕自身は、いわゆる「育成」が好きなタイプです。そのため、未経験からの育成についてはやりがいを感じ、自分で言うのもアレですが、おそらく数百名程度の人数のHRパーソンの育成に携わりました。どんなメンバーでも第1ステップは通過します。

第1ステップとは未経験から1人前への道のりです。
その後、第2ステップについては、一気に難易度が上がります。

第2ステップとは、1人前からハイパフォーマーの道のりです。
難易度が上がると表現しましたが、ここも何とか気合で乗り切ることも可能です。

第3ステップとは、ハイパフォーマーから一流への道のりです。
非常に難易度がある故に、数千名に1人レベルになっているのかもしれません。

これらのステップがある中で、時間の経過に比例して、自分自身の知見や経験が蓄積され続けていくわけですが、この道のりの中で「本質的な素直さ/謙虚さ」がなければ、第2ステップを通過する事は難しいでしょう。もちろん第3ステップを通過することも。

本項でご紹介したブログを執筆したタイミングで、自分自身納得感がありました。ただ、「本質的な」と言う言葉を凌駕した「深層的な」素直な/謙虚さと出会うことになったのです。


3. 深層的な素直さ/謙虚さとは?

きっかけは、下記の言葉と出会ったことでした。

「評価」を加えずに「観察」をする能力は、人間の最大の知性。

最初は理解ができませんでした。
ただ自己内省を探求した結果、この重要性に加えて難易度が非常に高いことも理解することができました。話を戻して、深層的な素直さ/謙虚さとは何か?それは下記にて整理することができると感じました。

  • 相手の助言を受け入れることができる素養がある(一般的な素直さ)

  • 知見/スキルが身についたとしても相手の助言を受け入れることができる素養がある(本質的な素直さ)

  • 相手の助言を受け入れている“風”ではなく、相手の助言に対して個人の主観的な過大解釈をせずに、受け入れることができる(深層的な素直さ)

解説していきます。

3-1. 相手の助言を受け入れている“風” について

皆さまもご経験をお持ちかと思うのですが、相手の助言/言動について、「はい、わかりました。」という返答をしたのにも関わらず、心中では、(いやいや、それってさすがに違うでしょ。それは間違えでしょ。どうやってこれをやらずに回避しようかな。)と考えながら、相手の話を聞くことってありませんか?これは人間としては当たり前のように発生する感情的な反応です。

ポイントは助言をくださった相手はあなたのことを「素直だ」と勘違いしているのです。ただ、心中では文句を言っています。この「心中」もポイントになります。皆さま「心中」で文句を言っていることを「どこで」吐き出してますか?おそらく仲が良い同僚だったり、友人、家族なのかと思うのですが、そういった「吐き出し」で僕らはマインドを安定させています。つまり、自分が納得できなかったことを誰かに吐き出してバランスを取っている、と表現したほうがわかりやすいかもしれません。

3-2. 相手の助言を受け入れていると思い込んでいる

「いやいや、山根さん。僕は相手のアドバイスはほとんど受け入れてますよ!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。現に、当社のメンバーも僕のアドバイスはほとんど受け入れてくれます。一方で、下記の状態が考えられないでしょうか?それは、

「相手のアドバイスを無意識的に拒否してしまっている」

ポイントは「無意識」です。前項は自分がそのアドバイスに納得していないことを「心中」で理解しています。そのため、納得していない感情を心に留めておくか、もしくは相手に吐露することによってバランスをとっています。少し話がずれますが、前項の状態で吐露しなければ、精神の安定が徐々に取れなくなって、最終的に闘争or逃走という結果になります。つまり、大きな対立が起きるか、もしくはその場からの離脱、社会においては退職と表現したほうがわかりやすいかもしれません。
心中に留めておくことで、精神安定を図ることがすごくセルフマネジメントができている方はできるかもしれませんが、なかなか人間は難しいと思います。

本項に話を戻すと、ポイントは「無意識」であること。
そのため、自分では「受け入れているつもり」です。ただ、無意識的に拒否してしまっていることによって、アドバイスを着実に実行して「いない」場合もあります。もしくは、「やらねば」と言う気持ちが強過ぎてしまい、義務感のようになってしまう。その結果、長くその環境で働くことができない、そういったサイクルにもなるのかと思います。

3-3. 納得できなかったことを口に出す

これは令和の時代において素晴らしいと思います。
自分が納得できなかったことをきちんと相手に伝える。ただ、何でもかんでも相手のアドバイスに対して反論をすることが正しいとは必ずしも言いにくいかもしれませんね。

正当な反論であれば素晴らしいと思います。ただ、本ブログの「1」で記載したような「素直さ」が生むメリットをなかなか享受しにくい方々なのかもしれません。そしてポイントとなるのは、その納得できなかったことを口に出すことの「話題」だと思います。僕個人的には「感情」「価値観」が伴う会話については、年次/年齢問わず、限りなくフェアだと思っています。なぜならば、感情/価値観については、年次/年齢によって尺度がないと思ってるからです。一方で、能力やスキルは、年次/年齢、そして役職に比例をする場合も多いです。その場合は、受け入れてもらいたい気持ちもあります。もちろん相手の言ってることを許容したいと言う気持ちもある一方で、ビジネスですから、スピード感持って物事を前に進めたい。

何を申し上げたいかと言うと、「反論せずに、とにかく物事を前に進めてくれ」と言うつもりはないのですが、その話題が「能力/スキル」が起因してるのか、「感情/価値観」が起因しているのかによって、相手方も話を受け入れるのかどうかをうまく調整しながら進めるべきです。

3つの項目を記載しましたが、いずれにせよ共通点があります。
それは、

「相手のアドバイスを本質的に納得していないこと」

です。

誤解のないように申し上げると、「相手のアドバイスをすべて受け入れなさい」と言いたいわけではありません。ただ、なぜ「受け入れにくい」人と、「受け入れやすい」人が存在するのでしょうか。それはものすごく深い話に遷移すると思っています。


4. 人間は無意識的に「逆U」のプロセスを辿ってしまう

突然「逆U」と言われてもわからないかもしれません。

その前にU理論をご存知でしょうか?ものすごく深い理論である故に、本ブログで1つの項目で説明できるほど簡単な理論では一切ありません。むしろ僕の理解も甘いと思います。

U理論とは:
マサチューセッツ工科大学 スローン校 経営学部上級講師であるC・オットー・シャーマー博士によって生み出された、「過去の延長線上ではない変容やイノベーションを個人、ペア(1対1の関係)、チーム、組織、コミュニティ、社会のレベルで起こすための原理と実践の手法を明示した理論」です。

オーセンティックワークさんのサイトより

本ブログでお伝えしたいことは、このU理論とは「逆」のプロセスを辿ってしまう、ということです。

オーセンティックワークスさんより

逆Uとは上記の図における「上半分」のことです。

少し具体的に説明します。

4-1. ダウンローディングとは?

これはいつもの当たり障りのない状態です。正も負もなく、皆さまが日頃から受け取る情報をただ無意識的に得ている状態。

ただ、僕らは生活する中で莫大な情報が入ってきます。今、僕は会社に行く途中ですが、様々な建物を通り過ぎる人々、保育園の先生との会話、コンビニの店員さんとのやりとり、そして会社に到着すれば、メンバーとのコミュニケーションが発生します。

これらの膨大な、そして無数のコミュニケーションにおいて、僕らも意識的に情報を得ています。
そんな中、あらゆる情報に触れる中で、僕らの「感情」が動くことがあると思います。例えば、「イライラする」「うれしい」「びっくりした」「哀れな」などの類です。では、なぜ「感情」が動いたのでしょうか?
それは「これまでの自分の人生経験で形成された枠組み」を超えた事象が発生したからです。少し話が飛躍しますが、映画のクライマックスで、大どんでん返しがあると思います。あの事象は、僕らのこれまでの人生経験上「予想外」なことが起きた故に、「びっくりした」と言う感情が生まれるのだと思います。話を戻します。

この「ダウンローディング」と言うのは、無意識的にあらゆる情報を受け取っている状態です。無意識的に情報を受け取っている場合、僕ら人間は自分の「枠組み」に収まる事象はそのままスムーズに受け入れられることができ、「枠組み」を超えた事象が発生すると、何かしらポジティブ/ネガティブな感情が芽生える、と言うわけです。ここで言う、「ポジティブ」「ネガティブ」が前述した図における「創造の体系」と「破壊の体系」とリンクしているとご理解ください。
本ブログでは「ネガティブ」すなわち「破壊の体系」について言及していきたいと思います。

4-2. 他者の意見の黙殺

前項の、3-1、3-2の状態を指します。
僕ら人間は1日と言う単位においても「黙殺」をおそらく数十という単位で実施しています。前項で記載をした「ダウンローディング」の状態において、自分の「枠組み」を超えた事象が発生した場合、自分にとっては「予想外」なわけです。「普通、こんなことはしないよね。」と言う言葉を発したことがあるかと思うのですが、ここで言う「普通」は人によって異なります。その枠組みを無意識的に作っている中で、枠組みを超えた、つまり予想外なことが発生した場合に、仮にその事象をネガティブに捉えてしまった場合、僕ら人間は「黙殺」をするわけです。

これはあらゆる場面において発生します。
例えば、今日実施される/した朝礼においても、黙殺が多数発生するはずです。そして、今日実施されるあらゆるミーティングにおいても黙殺は多数発生します。

4-3. 他者を非難する

前項で記載をした「黙殺」を超えると、何が発生しますでしょうか?
これも皆さまも間違いなく何度か経験があるとは思うのですが、自分にとって「普通」を超えた事象が発生した際に、ネガティブな感情が生まれ、そしてそのネガティブな感情を「周りの同僚/知人/友人」に話をしたご経験はありますでしょうか?

もちろんあると思います。ポイントは、「ただ話をする」ではなく、「同調を求める」と言うコミュニケーションが発生していることです。
「同調」とは何か?わかりやすく表現をすると、

「こんな事象が発生して、私はネガティブに思ったんだけれども、間違っていないよね?」

と言う類です。おそらく当事者からすると、その話を聞いてもらいたい相手に一定の信頼があるかと思うので、心を許してるかと思うのですが、話を受けた相手からすると「いや、それは違くないですか?」と言う反論する事はおそらく少ないのではないでしょうか?なぜならば、そこで「勝ち負け」が発生する議論をするメリットが少ないからです。

ここまでの話を整理すると、ダウンローディング状態において様々な情報をインプットし、そして自分の「枠組み」を超えた事象が発生した場合、それをネガティブに捉えたとして、そしてそのネガティブに捉えた内容を黙殺し、そして黙殺では、耐えきれなくなって、他者にその「同調」を求める。この同調というのが、すなわち「非難」につながることをご理解いただけるかもしれません。

4-4. しがみつき

ここで1つ補足をしたいと思うのですが、ここまでのプロセスを踏んでしまうと、「派閥」が発生するということです。
僕はベンチャー企業育ちなので、いわゆる派閥を体験した事は少ないと自認していますが、皆さまご経験をお持ちでしょうか?

僕がこの理論を学んだ際に、教えてくださっているオーセンティックワークさんがおっしゃっていたのですが、いわゆる「派閥」は、このプロセスで生まれるそうです。話を戻すと、「しがみつき」と表現したのですが、ここまでのプロセスで「相手を非難する」と言う言動を既に起こしています。そして、当事者は、第三者に対してその事象に「同調」を求めているわけです。そして、相手もことを大きくしたくない故に、それに対して同調を「返す」と言うプロセスを踏んでいます。ここで、もし仮に当事者が「あ、自分が間違っていたのかも」とわずかながら思ったとしても、その意見を撤回するために必要なパワーは大きくなります。そのため、ここまでのプロセスで同調した相手、そして自分が感じた感情/意見に対して「しがみつく」という言動をするようです。

4-5. 不正化と緩慢

ここまでプロセスを踏んでしまうと、「自分の意見が正解である」と証明しなくてはならなくなってきます。なぜならば、自分の意見に折り合いがつかなくなってきたり、相手も巻き込んでしまっているからだと思っています。
「正しいことをしなくてはならない」と言う思いはもちろんあるのでしょうが、ここで小さな不正が発生したりします。そのうちの1つが「虚偽」の一歩手前のような状態だと個人的には捉えています。
話を進めます。

4-6. 操る

前項と同じ類になりますが、ここでも「自分の意見」にしがみついた状態になっているため、自分自身の感情、そして同調していただいた相手の意見、周辺の状況などを操るアクションを起こします。本ブログをご覧いただいてる方は「いやいや、本当に意味ないことをしているな。」と感じられるかもしれないのですが、僕らは無意識的にこのプロセスをたどっていることを強く認識しましょう。僕自身も、「自分らしくいられなかった時」を振り返ると、このプロセスを一瞬でたどっていることもあったと反省しています。

4-7. 陰謀と情報操作

少しネガティブな話が続いてしまったため、本ブログではこれ以降はさらっと説明していきたいと思うのですが、この地点まで到達してしまうと、陰謀が生まれたり、情報操作をし始めます。自分に有利な情報をリークしたり、何かを隠したり、そんなアクションが生まれ始めます。

4-8. 嫌がらせ、いじめ

嫌がらせやいじめ、この言葉を聞いたときに、僕が真っ先に思い浮かぶのは「学生」です。ただ、繰り返しになりますが、僕は「勝つか負けるか」と言うベンチャー企業で仕事をした経験が多く、嫌がらせやいじめをしている暇があれば、自分の売り上げを上げる、そんなカルチャーで生活をしてきました。そのため本項を社会人になってから、体感をした、それを第三者として見た経験はほぼありませんでした。

ただ、当社ポテンシャライトにおいては、お恥ずかしながら少なからず発生していた、と思っています。ただ、本ブログでは細かい話は割愛しますが、これは「必然的」に発生した事象であると、今はふに落ちています。また詳しく説明したいと思います。

話を戻すと、嫌がらせ、いじめ、については、当事者は無意識であることもあります。特に社会においては、自分の立場を守りたい、自分がリークした情報が正しいと思い込ませたい、自分が正解でありたい、そのような感情が生まれています。

4-9. 組織崩壊

この地点まで達成すると、取り返しがつかないような事象に到達しています。本ブログを読み進めていただいた方は、「凄まじいな」と言うネガティブ寄りな感情を抱いていらっしゃるかと思うのですが、さすがにここまで到達すると、組織は崩壊します。


5. 逆Uのプロセスの「はじまり」はダウンローディングであること

前項で少し重い話をしてしまったのですが、僕がすごく興味深いと思っているのは、4-1〜4-9 までのプロセスの始まりが「ダウンローディング」であることです。繰り返しになりますが、ダウンローディングとは、いつもの当たり障りのない状態です。正も負もなく、皆さまが日頃から受け取る情報をただ無意識的に得ている状態。
そんな中で、自分の「枠組み」を超えた事象が発生した際に、それをネガティブな感情として置き換え、それを黙殺する、非難する、派閥を作る、しがみつく、隠す、操る、嫌がらせをする、崩壊する。と言うプロセスを辿る、ということです。

何を申し上げたいかと言うと、世界中に80億人程度が存在しているかと思うのですが、その人間同士が無数に取り合っているコミュニケーションの、すべての始まりは「ダウンローディング」であると言うことです。

すごく温和な人でも、怒りっぽい人でも、誰しも各々のコミュニケーションの最初はダウンローディングからスタートします。ただ、ここでとてつもなく大きな「違い」が存在します。それは「創造の体系」をたどるのか、「破壊の体系」をたどるのか、ということです。

5-1. 創造の体系

先ほど貼り付けた図になりますが、前項においては上記の図において「上半分」について説明をしました。本ブログでは「下半分」についての説明は割愛しますが、下半分は「創造の体系」と言われています。つまり、イノベーションを創発するためのプロセスだとご理解ください。「イノベーションを創発するためのプロセス」と聞くと、なんかすごそうだと思いますよね。
自分もこのプロセスをたどるテクニックを得られたら良いと思いませんか?そんな中、僕が非常に興味深いと思うのが、この「創造の体系」をたどる「始まり」はダウンローディングであると言うことです。

前項でも記載しましたが、「破壊の体系」をたどる際の始まりもダウンローディングです。ただ、この図で言うと、上をたどるのか、下をたどるのか、については、僕らの心持ち次第なわけです。ただこれが非常に、非常に、非常に難しいです。僕も、このU理論の「創造の体系」を辿らせていただくセミナーに参加したのですが、何とか体感をすることができたと自負しています。ただ、これを無意識的に、かつ独力でたどる事はおそらく難しいと言い切っても良いかもしれません。ただ、イノベーションを創発される方は、これを意識的に行っている場合もあるんでしょうね。

何を申し上げたいかと言うと、僕ら人間は生活する上で、あらゆる情報を受け取る中で、あらゆる人たちとコミュニケーションを取る中で、すべての始まりはダウンローディングなわけです。ただ、自分の「枠組み」を超えた事象が発生した場合に、「黙殺」をするのか、もしくは「視座の転換」をするのか?前者は「破壊の体系」であり、後者は「創造の体系」です。

5-2. 創造の体系に入るためのテクニック

では、どのようにすれば「創造の体系」のプロセスを日々たどることができるのか?
その問いに対して僕が実践してることをご紹介したいと思います。

ポイントは「保留」だと思います。僕も偉そうなことを言えないのですが、自分自身が「破壊の体系」のプロセスをたどっている途中で気づくことが増えてきました。「いやいや、これはまずいな」と感じたときに、目をつむるようにしています。目をつむると冷静になります。冷静になれると、その状況自体を、「空中に浮いた」状態で客観的に見ることができます。これは専門用語で言うと「客体」という類とのことです。自分の枠組みを超えた事象が発生した場合に、目をつむり「保留」をすることによって、「破壊の体系」に入りかけた自分を、呼び戻すことができる、そんなイメージです。


6. (話を戻します) 深層的な素直さとは?

本ブログの主題に話を戻しましょう。
深層的な素直さは、本ブログの4と5で説明をした「創造の体系」をきちんと実行できることだと思っています。ただ、前述した通り、この「創造の体系」のプロセスをたどることは、ものすごく難易度が高いです。
社会人経験がない人は、「破壊の体系」のプロセスを辿らない人もいます。なぜならば、自分の「枠組み」が形成されていないからです。徐々に経験を積んでいく、年齢が高くなっていくと「頑固」になると巷で言われていますが、これは自分の「枠組み」がはっきりしてきた故に発生すると個人的には思っています。

話を戻すと、深層的な素直さは本ブログで記載させていただいたことを実行できることなのだな、と個人的には感じたため、記載させていただきました。


7. (最後に補足) 本件を組織全体で取り組むことはできるのか?

本ブログを読み進めていただいた方は、こんな疑問を感じていらっしゃるかもしれません。

「この深層的な素直さを個人ではなく、組織全体で持つことはできないか?」

そんなことができたら本当に素晴らしいですよね。
ただ、僕はそれを目指したいと思っています。その答えは、発達指向型組織にあると思っています。

詳しくはこちらのブログをご覧いただければと思っているのですが、発達指向型組織は、「エッジ」と「ホーム」と「グルーヴ」がポイントだと言われています。先程の「創造の体系」のプロセスをたどるためには、自分個人の感情の取り扱いも重要ですが、組織における「状態」も大きく起因すると思っています。

組織において「ホーム」が整っている状態であればあるほど、「創造の体系」に入りやすいと思います。
「ホーム」と言うのは、ざっと説明をすると「心理的安全性」です。もう少し詳しく説明すると、「自分自身の弱さを包み隠さず、周りに言うことができるか」、追加をすると「ホールパーソン」であることが重要です。
ホールパーソンとは、仕事における自分とプライベートにおける自分が同等であることを指します。

つまり、自分自身を偽らずに、無意識的に隠してしまっている自分を仕事における同僚にきちんと開示することができているのか?
これがポイントになります。もし仮に、「ホーム」である状態が作れた場合は、「破壊の体系」にたどる可能性が幾分か下がり、「創造の体系」をたどる可能性が上がる。つまり、本ブログの内容を理解することが発達指向型組織への道のりとなり得るのではないか?という個人的な意見をお伝えしつつ、本ブログは終えようかと思います。

皆さんいかがでしたでしょうか。
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。

今後も採用/人事系のアウトプットを続けていきます。
よろしければフォローもよろしくお願い致します(左上クリックいただき、「フォロー」ボタンがあります)👆


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?