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[組織系ブログ Ver.13] 本質的な素直さ 謙虚さ / 価値観のアンラーニングについて

「素直さ」と「謙虚さ」は持っているに越したことがないかと思います。

どのような組織においても、素直さと謙虚さを持ち合わせている人材のほうが仕事はしやすいですし、組織にも馴染みやすいのは、皆さん概ね同意いただけるのではないかと思っています。

ただ、ある方と初めて会ったときに感じる素直さと謙虚さが、時間が経過するにつれて感じられないようになってしまうことはよく発生することです。これは悪いことではなく、無意識的にそうなってしまっているのではないか、そんなことを思ったのが本ブログの課題提起です。

では、「本質的な」素直さと謙虚さとは何か?

本件について、本ブログに書きたいと思います。



1. 新入社員は、素直さと謙虚さがあって当たり前

ミスリードなると思うので、きちんと説明をすると、新入社員というのは、新卒入社と中途入社の両者を指します。また「当たり前」と記載しましたが、これについてきちんと説明します。

新しくジョインする会社のカルチャーや、各メンバーのパーソナリティーなどは、入社直後は理解が薄いかと思います。

郷に入れては郷に従え、という言葉がありますが、入社直後から自分自身(新入社員側)の価値観やパーソナリティーをひけらかすことは少ないかと思います。

なぜ「当たり前」と表現をしたのか。

仮にあなたが即戦力の中途入社だったとすると「業務スキル」と「人間力」については、即戦力として期待されているのではないかと思います。一方で、その会社のカルチャーや各メンバーのパーソナリティーをほぼ無知な状態で、業務において成果を上げることは簡単なことではないと思います。特にチームプレイを求められる仕事においては、会社に「慣れる」ことが重要です。

何が言いたいかというと、
どんなに優秀な方であっても、新しい環境に所属するという事は、その環境自体が「未経験」であり、未経験の領域において、素直さと謙虚さが全くない方はほぼいません。なぜならばわからないからです。

もう少し身近な事例を表現をすると、
世界でも有数のプロサッカー選手がいるとしましょう。そのプロサッカー選手が「明日から卓球をやってください」と言われたら、卓球のコーチが言うことをほぼ信じて練習をするかと思います。卓球が未経験であるフェーズにおいて、卓球の先生に歯向かうことはほぼしないでしょう。

つまり、新しい環境に飛び込む際に、そして新しい「仕事」に取り組むにあたって、局所において未経験である事は多く発生するのが社会人としての使命と言えると思います。ここでいう局所というのは、その会社のカルチャーやメンバーのパーソナリティという意味合いです。


2. 素直さ/謙虚さが崩れる1つ目のタイミングは一人前になった時

本ブログをご覧いただいてる方が、社会人2年目以上である場合は一度は経験をしたことがあるかもしれません。

最初は右も左もわからなかった業務において、ある程度慣れが出てくる。そしてレベルの高低は別として、「一人前」というレベルに達する。

一人前になると、ある程度の「正解パターン」を知ることができた状態になります。この「正解パターン」はポジティブにもネガティブに作用するのです。

どういうことかというと、
皆さん、仕事やスポーツ、そして勉強において、1つの生活パターンを見つけ、その生活パターンが「通用しなくなった」経験をお持ちなのではないでしょうか?

「あれ、この手法でうまくいったのに、なぜうまくいかなくなってしまったのか?もしかしたらたまたまかもしれないから、このやり方を継続してみよう」

などと考え、ふと気づいたら、数ヶ月、数年同じ手法で取り組み続けていた。

これは「正解パターンを知った上での弊害」になります。
本項では「一人前」という言葉を使いましたが、一人前になってから、その後次のステージに上がれない場合は、ほぼほぼこのパターンであることが多いです。

最初にたどり着いた「正解パターン」が、局所的な課題解決をすることができる正解パターンである可能性も高いでしょうし、もしかすると、あなたの業界/仕事において、概ねすべての課題解決をすることができる正解パターンなのかもしれません。前者である場合は、成功の継続ができないでしょうし、後者である場合はすぐに失敗のループに入るでしょう。

何が言いたいかというと、
社会人数年目に訪れる「一人前」になったという感覚においては、ポジティブな意味ですぐにアンラーニングする必要もありますし、だからといって、そのパターンを全て伏せてください、というわけでは無いことを認識いただければと思います。


3. 個人の領域ではなく、リーダーやマネージャーになった時

個人で完結することができる仕事と、メンバーや組織を巻き込む仕事の正解パターンは全く異なる、と言っても過言ではありません。

何故かというと、ステークホルダーが異なるから、そしてその仕事に感情が伴うから、などの理由が考えられると個人的には思っています。

個人で実施する仕事はマネージメントをするのは個人だけです。そして、ある程度様々な正解パターンがなんとなく分かってくると、1人で仕事ができるだろうと感じる事は多くあると思います。

ただ、1人で完結することができる仕事には限界があり、そして自分よりもレベルが高い、そして自分とは異なる職種、そして異なる価値観の方々と共に仕事をすることが増えてきます。

自分の正解パターンを相手に共有し、そのやり方に合わせてもらうことはできるかと思うのですが、先ほど申し上げた通り、人間には「価値観」が存在します。つまり、誰一人として全く同じ価値観の人間は存在しておらず、あなただからこそうまくいった正解パターンである可能性もありますし、何より、物事の感じ方や仕事の進め方などが異なる中で、様々な価値観を共有しながら進めていかなくてはならない。

自分と限りなく、マッチしたメンバーもしくは自分の言うことを聞いてくれるだけのメンバーと一緒に仕事をするのであれば問題ないかもしれないのですが、それには限界があります。

となると、
自分「以外」を巻き込んだ仕事(プロジェクト)における正解パターンは、無限に存在しており、その正解パターンを探し続けなくてはなりません。ここで諦めてしまう人が多いように思えます。


4. 本質的な素直さ/謙虚さとは?

少し話がずれてしまいましたが、「本質的な」とは何かというと、

自分の正解パターンに固執しすぎずに、アンラーニングしながら、仕事を進めることができる人

だとは思っています。
そして、本件において厄介なのは、正解パターンに「固執」してしまうことを「無意識的に」行ってしまうことです。

そのため、本ブログをご覧いただいている方が、

「自分は正解パターンに固執する事はないだろう」

と思っていたとしても、自分が様々な正解パターンに触れた後に、その正解パターンに無意識的に固執してしまう事をものすごく多く見てきましたし、また僕個人としてもその傾向がある事は、自分でも強く理解しているつもりです。

そのため、今 目の前にある最良の手法をアンラーニングすることが非常に重要である事を強く、組織として、個人として認識する必要があると感じています。

本課題については、100人いたら100人直面するのではないかと思います、と言い切っても良いかもしれません。そして、本ブログを書いたキッカケになったのは次項の話を書きたかったからなのです。


5. 正解パターン/アンラーニングしなくてはならないのは3通り存在する

これには最近気づきました。

本ブログでは「正解パターン」という表現をしました。仕事における正解パターンと聞くと「業務面」をイメージされるかと思いますが、正解パターン/アンラーニングをしなくてはならないことは3つ存在するのです。

 5-1. 業務スキル

これは皆さんイメージしやすいかと思いますが、いわゆる業務をするための専門スキルです。例えば、営業スキル、経理財務スキル、エンジニアリング力、デザイン力など、「職種」に紐づいた専門スキルと言えば良いかもしれません。
前述した通り、この業務スキルによる正解パターンは一人前のフェーズでアンラーニングがどの程度できるかで、その後の成長が変わってくるあと思っています。

 5-2. 人間力

次に人間力です。例えば、問題/課題解決力、コミュニケーション力、プレゼンテーション力など、「全職種」に共通して必要なスキルと言えばわかりやすいかもしれません。
人間力は蓄積型で身につけることができるのですが、より高みを目指すために蓄積をした人間力を一定アンラーニングをする必要も出てきます。

 5-3. 価値観

これが最も難しいアンラーニングです。
価値観とは、「尺度で良し悪しがない」ことです。例えば素直さ/謙虚さは人間力に該当すると思っています。なぜなばら素直さ/謙虚さは「あったほが間違いなく良い」ため、尺度で良し悪しを判別することができます。一方で「大胆or慎重」のどちらのほうが良いか?と言われると、職種によって異なりそうですよね。営業職であれば大胆なほうが良いかもしれない、管理部門であれば慎重なほうが良いかもしれない。そのため、尺度で良し悪しが計りにくいことを指します。

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実はこの「価値観のアンラーニング」を個人的にも直近でやっと理解できたと感じたため、本ブログを書いています。

価値観のアンラーニングと聞くとわかりにくいかもしれないのですが、もう少し噛み砕いた表現をすると、

「異なる価値観の許容」

でしょうか。

価値観のアンラーニング=自身の価値観を曲げる、というわけではありません。自分自身で価値観は持ち続けたほうが良いですし、それが貴方のパーソナリティになります。

ただ、自分の価値観とは「異なる」人を受け入れることを拒絶してしまうと、そこから前に進むことができなくなります。いや、より大きな弊害としては、

「自分と価値観が合わない人の言動が、すべて不満を生み出してしまう」

これが一番の弊害かと思います。

価値観が合わない人とは積極的に付き合わなくて良いかと思います。ただ、自分の価値観が100だった場合、70の人は付き合ったほうが良いのか?50だったら付き合ったほうが良いのか?と考えた際に、差分の30や50は異なるわけです。この30と50を許容できない場合は、仕事にも大きな影響が出るでしょう.

何が言いたいかというと、
異なる価値観を許容しながら自分の価値観を相手にも共有する、そして目の前の相手に対して価値観を許容し合いながら生きていくことができたら、人間はもっと楽に笑顔で生活をすることができます。

話が長くなるので、本ブログはこの辺までにしたいのですが、

価値観のアンラーニングと表現をしましたが、価値観は良し悪しはありません。もちろん会社という組織において価値観は持っておくべきです(当社でいうとカルチャーという類です)。そのすべてのカルチャーに100%合致する人材はいないでしょうし、メンバーそれぞれの価値観を許容し合いながら、対話し合いながら組織を作っていくと、より強固な組織が生まれるのではないか、と直近で感じることができたので本ブログを書きました。


最後に

誤解が「ある」言い方をすると、採用活動において「業務スキル」「人間力」が最重要ではないと個人的には思っています。

そして最近までは「価値観」がマッチしていることが最重要だと思っていたのですが、そうではなく、

「自分の正解パターンに固執しない経験を持ったことがある方」
「価値観を許容することができる姿勢がある方」
「自分自身を正当化することに固執していない方」

このあたりが採用活動においては最も重要であると感じています。
当社の採用基準も変えようかと思っておりますので、また後日発信したいと思います。




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