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対面セミナーで感じた、ウェビナーでは気づけなかったポイント8選

2023年の2月に「ポテンシャライトアカデミー」という対面のセミナーを実施いたしました。

実は、2020年の5月に同じくアカデミーという、人事未経験の方向けの育成セミナーのようなスクールを実施させていただいていたのですが、その第2弾の取り組みになります。
今回は、「対面」で実施することを念頭に準備をして参りました。本ブログの執筆をし始めたのは2月12日。第2回ポテンシャライトアカデミーは合計3回で構成されているのですが、その第1回は2月11日でした。僕が講師を務めたのですが、ウェビナーと比較してたくさんの気づきがあったので、本ブログにして共有できればと思います。
ちなみに、今回の気づきは対面セミナー「のみ」で活用できる気づきというよりは、結果的に対面セミナーでもウェビナーでもどちらでも活用できる気づき/ノウハウとなりました。
是非ご覧ください!


1. 参加者の経歴/キャリアを認識する

参加者がどのような経歴なのか、キャリアなのかは、事前に出来る限り細かく把握しておいたほうが良いと思いました。
ポテンシャライトはZoomのウェビナー機能を使ってウェビナーを実施するのですが、この場合リスナーの顔や表情を確認することができません。ウェビナーで登壇されたことがある方はご理解いただけるかと思うのですが、Zoomのウェビナーは、ひたすら話をすることになります。リスナーの反応はなく、静かな空間でひたすら話し続けます。1人で登壇する場合は、誰も何も反応しない中で1人で喋り続けます。最初は違和感があったのですが、1人でぶつぶつ話す形式に最近は慣れてしまっていました。

一方で、対面セミナーの場合は、セミナー内容に興味がないリスナーさんは見ればわかります。自分のPCを見ていたり、スマートフォンを見ていたり、何よりメモをとっている/聞いているという雰囲気がありません。僕も久々に対面セミナーをやりましたが、「あ、これ懐かしい」と思いました。
何が言いたいかというと、リスナーの経歴やキャリアを細かく把握しておくことによって、そのリスナーの立場に合わせたトークが可能になります。例えば、ポテンシャライトのセミナーでいうと「人材紹介出身」の方と、「事業会社の人事」の形に分かれます。この二者は似て非なるものがあります。例えば人材紹介出身の方は「媒体」の話がめっぽう弱いです。なぜならば、媒体を用いての採用活動の経験がないからです。一方で、事業会社の人事の方は「他の企業の採用事情」にめっぽう弱いです。なぜならば、自社の採用活動にコミットしているからです。この二者の両者が訪れているセミナーにおいては、そもそもどちらにターゲットを絞るのかという議論はあるのですが、結果的に参加者のキャリアがこの二者になった場合は、セミナーの各コンテンツにおいて、両者に配慮した発信が必要になると感じました。それが故に、異なるターゲットの方が混在しているセミナーの場合は、満足度で10点を獲得するのが難しいなと感じました。


2. どの参加者がどの席なのか

対面イベントにおいて「ポジティブリスナー」の存在は重要です。ポジティブリスナーとは、前のめりに(ポジティブに)話を聞いてくれるリスナーのことです。スピーカーからすると、ポジティブリスナーの存在は非常に頼もしく、気持ちよくプレゼンテーションをすることができます。
前項でも触れましたが、ウェビナー形式だとリスナーの顔が見えません。そのため、どのような反応をしているか分からないので、一定のモチベーションで話すことができます(ウェビナー登壇に慣れるとモチベーションが上がったり下がったりはしません)。一方で、対面イベントの場合は、リスナー全員の顔が見えます。そのため、どのような経歴の参加者が、どれぐらいメモをとっていて、どれぐらい前のめりなのか。セミナーのどのコンテンツがどの参加者に響いていたのかなどは話しながら頭の中で整理できるとすごく良いと感じています。

前項で触れた事例の話をすると、
例えば、人材紹介会社出身の方に対して、人材紹介と媒体の違いを細かく話をすると、ポジティブリスナーになります。一方で、事業会社の人事の方に対して、今 採用市場において元気のある企業の紹介をしたり、他社の成功事例の話をすると、ポジティブリスナーになります。
ただ、プレゼンテーションをしている際に、各コンテンツにおいてポジティブリスナーが変わることをスピーカーが確認できたとしても、そのポジティブリスナーのキャリアがわからなければ、プレゼンテーション中に検証することができません。そのため、ざっくりとどの席にどのような経歴の方が座っているのかを把握できるとすごく良いなと感じました。

3. 資料に書いていない「雑談」が勝負

どのようなセミナーであっても、プレゼンテーション資料は準備するかと思います。その資料を投影しながら話をしていくわけですが、何十分も同じペースで話をしていると、リスナーにも疲れと飽きが出てきます。
リスナーは、ウェビナーにおいては疲れと飽きが出てくると勝手に休んでいたのではないかと思います。繰り返しになりますが、ウェビナーではスピーカーがリスナーの顔や表情を確認することができません。そのため、リスナーがあからさまにつまらなそうな顔をしてもウェビナーだと認識できないため、何事もなかったようにプレゼンテーションが進みます。ただ、対面イベントはリスナーの顔や表情がバッチリ見えます。そんな中、何十分という長時間にわたり、リスナーに飽きがこないような内容や話にするためには、何をすれば良いのか?

僕の感想としては、「雑談」なのではないかなと思います。
雑談と表現すると分かりづらいかもしれないのですが、つまり資料には書いていないけれども「こんなことがありました」というスピーカーの体験談ほど、リスナーはスピーカーの顔を見てきちんと話を聞いてくれるなと感じています。蛇足ですが、僕が人材紹介のキャリアカウンセラーを本業にしていた時に、「求人票」に書いてある内容をいくらプレゼンテーションしても、目の前にいる求職者さまは求人票ばかり見ていました。ただ、「これは求人票に書いていない内容なのですが」という補足を入れると、僕の顔を見て話を聞いてくれます。むしろ、僕の顔を見て聞いてくれている話のほうが、後に求職者さまが話を覚えてくれていることが多かったです。

では、雑談とはどのような話をすれば良いのか?
個人的には「具体的な事例」だと感じています。
どのようなセミナーであっても、「知識」や「概念」に寄った内容であることが多いかと思います。事例だけを話すセミナーもあるかもしれませんが、数としては少ないはずです。別の角度で説明をすると、プレゼンテーション資料に事例を細かく書いてしまうと、ページの体裁上、文字が多くなってしまい格好悪くなる。そのため、「事例」については、口頭で話したほうが良いと思っています。
そんな中、資料には書いていない内容で、かなり具体的な情景が思い浮かぶような事例を話すと、リスナーのほぼ全員が前を見てくれます。リスナーはPCやスマートフォン、そしてノートを持参している方もおり、おそらくセミナーの半分以上の時間はスピーカーを見ていないことが多いです。僕の体感値としては、全体の3割程度の方は前を向いていて、7割程度の方はたまに前を向きます。ただ、7割程度の方が悪いわけではなく、一生懸命メモをとっている人ほど前を向く回数や時間が少なかったように思います。

話が行ったり来たりしてしまいましたが、事例をかなり具体的に話すことによって、リスナーの満足度も上がるのではないかと思うのと同時に、プレゼンテーション資料に内包しきれていない内容をどこまで魅力的に、面白おかしく話すことができるのかがキーポイントだと思いました。

4. 資料のどこの箇所の話をしているのか

ウェビナーと対面セミナーの違いの1つに、「画面」の大きさがあると思います。

ウェビナーにおける画面の大きさは「リスナーのPC/ウインドウの大きさ」に帰属します。ほとんどの方が、PCからウェビナーに参加するかと思います。そして、プレゼンテーション資料を自分のPCでご覧になられるかと思います。つまり、自分のPC以上に大きな画面にはなりません。
一方で、対面セミナーでは前方に置いてあるスクリーンの大きさが画面の大きさになります。スクリーンに近ければ近いほど、画面が大きく見えます。映画を例に挙げると分かりやすいです。1番前の席で映画を見たとき、1番後ろの席で映画を見たときで、画面の大きさや文字の大きさが凄まじく異なります。対面イベントでも同じようなことが発生していると感じました。

そんな中、セミナーは何十分もの時間で実施されるため、前方に投影される画面のどの箇所の話をしているのかをリスナーが把握できなくなると、そのセミナーについていくことが難しくなります。むしろ諦めてしまうかもしれません。前項で具体的な事例の話をしましたが、プレゼンテーション資料に内包されない内容の話をしているときに、リスナーが「どの会社について説明をしているのだろうか」と一生懸命 画面を目で追っているかもしれません。
そのため、これはウェビナーでも同じことが言えるのですが、画面(スライド)の中で、「どの箇所」の話をしているのかは「カーソル」を用いることがお勧めです。「この箇所の話をしていますよ」とカーソルを動かすことによって、リスナー側の負担はかなり軽減されるかと思いました。


5. 休憩までの時間を随時伝えること

対面イベントとなると、休憩を挟んで第2部にコンテンツの準備をしていることもあるでしょう。諄いようですが、対面イベントとウェビナーの違いとしては、リスナー側の緊張感だと思います。ウェビナーは好きな時間に休めますし、興味がない内容であれば聞かないこともあるかと思います。ただ、対面イベントは途中退室をする方は少なく、終了時間までその場に居続けなければならないことが多いです。
そのため、仮に第1部、第2部と分かれているのであれば、休憩時間まであと「何スライドなのか」を常に発信することによって、リスナーの負担を減らせるのかと思います。

2月11日に実施をした当社の対面セミナーは、3時間ほどの長い時間をかけての実施でした。そのため、大体半分くらいの時間が経過したタイミングで休憩を取ろうと思っていたのですが、「あと10分ほどで休憩に入ろうと思いますので、あと10分集中しましょうね」と伝えました。すると、リスナーは、それ以降10分間は集中してお話を聞いてくださったような印象を持ちました。これは、休憩時間までの分数だけではなく、終了時間までの分数なども随時アウトプットすることによって、リスナー側の負担は軽減できるのではないかと感じました。


6. 参加者の目線(顔の角度)

ウェビナーでは、リスナーが自分のPCで視聴して、そして大事な部分のメモをされる方が多いかと思います。つまり、プレゼンテーション資料とメモの両方を開きながら話を聞くことができます。これは対面イベントよりもリスナーは話が聞きやすかった可能性もあります。
一方で対面イベントでは、会場の広さや形によって、机や椅子の角度が異なります。そのため、自分のPCやスマートフォン、そしてノートを見る顔の角度と、前方にある画面(スクリーン)を見る顔の角度が異なる場合がほとんどかと思います。

皆さん古い記憶かもしれないのですが、中学校や高校時代に授業で先生が黒板に書いていた内容を、自分のノートに書き写していたことがあるかと思います。ノートに書いている途中で先生はすでに次の話をしている。対面セミナーにおいては、そういった事象が発生し得るのです。そのため、ウェビナーのほうがマシンガントークをしてもついていけるのではないかと感じております。対面イベントでは、どの参加者がどの箇所をメモしているのか、などの空気を読みながら、スピードの強弱をつけることが大事だと感じています。
スピーカー側としても「ここは大事だから、皆さんメモを取っていただいても良いかなと思います」という箇所があるのですが、それがリスナーの方に伝わり、メモをとってくださることがあります。ただ、そのメモをとっている最中に、次のスライドに進めると、リスナーはついていけないのかなと感じました。リスナーによってメモを取る/取らない、そしてメモを取るスピードの速い/遅いなどがあるのですが、様々なユーザが心地よいスピードを担保しながら、次のスライドに進むタイミングなどを調整できるかなと感じました。


7. アンケートの工夫

これまで個人的に参加をしてきた対面イベントについては、アンケートはほぼ「紙」でした。ペンが置いてあり、設問に回答していき、最後に感じたことを文字で書くことが多かったです。
一方で、ウェビナーにおいては、Googleフォームを用いてデジタル上でアンケートの回答をしてもらうことが一般的かと思います。コロナの影響で、対面イベントよりも、ウェビナーの方が圧倒的に増えた中、対面イベントにおけるアンケートをどのように実施すれば良いのか、という論点があります。

先日の当社の対面セミナーでは、Googleフォームにおけるアンケートを実施しました。ただ、URLを送信することができないため、QRコードをスライドに投影し、リスナーの方々にスマートフォンで読み取っていただき、アンケートの実施をしていただきました。そうなると、スマートフォンでアンケートの回答をしていただくことになります。スマートフォンで長文を記入していただくのは難しいかと思いますので、なるべく「選択式」のアンケートにするよう心がけていました。とは言いつつも、参加者の大半がPCを持参している中で、PCで記入していただくほうが体験設計としては良いかと感じておりましたので、これは要改善かと思っております。

8. 来場してからの体験設計

今振り返ると当たり前なのですが、ウェビナーと対面セミナーを比較すると、対面セミナーのほうが準備するべきことが3倍程度あります。
例えば、参加者の確認、バックとコートをどこに置くのか、席の配置をどうするのか、どの席に座っても同じようにスライドの確認ができるか、トイレの場所、Wi-Fiの提供、挙げればキリがありません。これらはウェビナー実施の場合は考慮しなくても良く、かなり生産性が高かったのだと感じています。そのため、対面イベントには準備に悲鳴をあげる企業様が今後増えるのではないかと思うのですが、それもあって今後対面セミナーの体験設計にこだわっている企業様は目立つんだろうなと感じました。

最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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