脳がつながる快感、現実と未来 映画「アメリカン・ユートピア」
再上映を記念して、公開当時の書き散らかしを投稿しておきます
今回の再上映では当時よりも大きい劇場で観ることができて、より細かいところまで味わえたのはもちろんシンプルに音圧がライブのそれだった
公開から数年経過した今、現状は良くなるどころか、、、という感じではあるけれども、この映画およびライブで提示してくれたものを我々は受け取って繋げていかなければならないと強く思いました
市民としても個人としても力をくれる、ひたすら楽しく前向きな作品 ↓
これはゴッチが推してたことで知ったやつ、予告ちらっと観て以来これは本気のやつだな〜〜とそれはそれは楽しみにしてた
トーキングヘッズは名前だけ知ってる程度だったので当然デイヴィッド・バーンも初、予習でちょっと聴いてみたらXTCみたいで好みの感じだなとは思いつつまぁその程度、だったのだけど
いやーーー圧倒されたなこれ生で観れた人ちょっと羨ましすぎる、ひたすら痛烈で緻密
ブロードウェイでのショーを映画として編集した作品で、まず音も光も編成・隊列も徹底的に計算し尽くされてるのがもう一発で分かる圧
生で観てみたかったとは思うけどこれもこれで、観客には見えない部分もかっこよく見せてくれる良さがあった
それでいて全曲しっかり生演奏っていうのがまたね、見渡す限り一面のプロフェッショナルっていうそれだけでもう観てて気持ちいい
とんでもなくハイレベルなのに頑張ってる感の無さ、歌も楽器もダンスもできて何なんだこの人たちほんとに
そういう技術面とは別に、あえてのグローバルな人選もショーのコンセプトを補強してて頼もしい、無国籍な音楽性もスッと馴染むし
あとはギリギリまで無駄を省いた舞台装置と衣装も問答無用でかっこよくて、スーツに裸足とか妙にコミカルな振り付けとか、ラーメンズかな?とか思いながら
そして曲もね〜和訳付きで聴くとやっぱ全然違うし、パッと聴きでは普通にクールなポップスって感じだけど、この社会をどう生きるかっていう明確な問題提起がしっかり刻まれてた
歌詞が詩的で難解な印象は否めないけど、目と耳で気持ちいいので何も問題ない
MCとうまく絡む曲順もばっちり、彼/彼女の名を呼べ!のやつはさすがに食らったな…外国の事情とはいえ全く他人事じゃない問題ばっかりで
そうそうそのMCもいちいちユーモラスでありつつウィットに富んでいて社会派、先頭に立つ大人としてシンプルにかっこよかった、投票率の低さはアメリカも同じらしい
トランプのこともBLMのことも、現在進行形の社会問題なんだということを堂々と提示してくれるし、この辺の意表を突く表現方法はブラック・クランズマンを思い出すところでもあった
そしてすごいなと思うのは、単に問題提起するだけじゃなくてこの人、さりげない話題をきっちり繋げながら最終的に「それでも人間は良い方向に変わっていける、繋がり合えるはず」ってメッセージを掲げてみせるんよね
目にも耳にも訴えかけながら最後には完全アカペラまで、いやはやその手際と説得力たるや、、、
音楽と政治が立体的に混ざり合って、いや〜クールながらもしっかりパンクだったな!!!本当かっこよくて目を離せない場面がいっぱいあった
横山健が言うところのDance, Sing, then Thinkそのものって感じで、まさに理想的なエンタメを体感することができました、ポスターの通り全部が溶けて混ざる感覚が幸せ
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?