記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」で頭痛がするほど泣いた日


地上波初放送を祝して、公開当時に大歓喜のまま書き散らしたものを投稿しておきます↓


#ネタバレ


MCU版のスパイダーマンがついに!ついに本当の意味でスパイダーマンになった、なりましたよ!!!大げさに言えばこれ、生きてて良かったと思えるほど抜群に圧倒的な体験だった…

実写映画20年の歴史、ちょっと頭痛するくらい泣いた、こんなに極端で偏った愛情表現を許すMCUに感謝したい、あぁもう


とうとう全世界に正体がバレたスパイダーマン、乗り切るための策が失敗したせいで別世界のいろんなヴィランが現れて…ということで、過去作の敵が大集合のお祭り映画的な幕開け

冒頭でイ・ジンブラが流れたのは予想外で嬉しかったな〜、アメリカン・ユートピアのおかげで知ってる曲になったこれ


まず、というか何より嬉しいのは過去作ヴィランの大集合、これが雑にCGとか別人とかじゃなくてもう完全に当時のキャストだったので!!!話の内容とかより前にまずその事実でもう最高、サンドマンとかリザードとかのCGキャラは例外か〜と思わせといての本人、まじで演出がズルい

そこに加えて、過去作の突っ込みどころとか不満点をもうこれでもかと回収して、ベストな形で展開してくれる理想的なファンムービーというね!こんなにも一致する需要と供給よ、奇跡か



🎃グリーンゴブリン🎃
スーツの改良が嬉しいのはもちろん、素顔の場面が多めで!ウィレム・デフォーの相変わらず極端で繊細な演技が当時よりくっきりするし、手のつけようがない悪としてのゴブリンが画面いっぱいに大活躍
初代ヴィランということもあってか、大ボスとしての扱いが嬉しかったな〜、好き

🐙ドクターオクトパス🐙
あれやこれやの名言をばっちり繰り返してくれるサービスがあざといけど結局嬉しい!当時よりCG描写にごまかし感がないというか、スピード感と重みが正しく同居してるからアクションの見応えもすごいのよ…
保護チップ丸出し問題もきっちり回収されるしノーマンとの初絡みも衝撃、本来であればこういう共闘もあり得たんだよね〜っていう感慨と共にしみじみ楽しんだ、好き

🐫サンドマン🐫
のっけからスパイダーマンと共闘っていう素晴らしすぎる展開ね!マルコだって根っからの悪人ではないわけだし、今回も戦う動機がはっきりしてるから相変わらず魅力的
映像としても砂の質感が大きく進化してる、当時のサラッとしたトウモロコシ感もあれはあれでクセになるけど…とにかく単なる迫力担当で終わらない見せ方が嬉しい、好き

🦎リザード🦎
この人に関しては当時と変わらずやや薄味ヴィランで笑ってしまった!切実さが他の人らと比べて弱い分、ドラマの掘り下げも難しいんだろうな…でも等身大サイズの敵として派手に盛り上げてくれる、好き

⚡️エレクトロ⚡️
これがね〜また当時と全く別の描き方になってて驚いた、ジェイミー・フォックスが本来のかっこよさを存分に発揮してるけど中身は間違いなく当時と同じ人物、外見がいい意味でアップデートされてた、コミック準拠の仮面もばっちり
何より衝撃なのがスパイダーマンの正体に関するマックスの見解よね、中身は黒人だと思ってたからこそ大好きなヒーローだったなんて後付けの動機が出てくるもんだからもう、ひるがえって2がやっぱり名作になるわけですよこれは!!認めてほしい欲求の歪みには人種のしがらみもあったなんて…だからこそ今回の行動も納得感が高い、好き


新規のヴィランは登場しないけど、過去作の素晴らしい敵役たちをさらに魅力的な形で再登場させてくれるというね…ここまで気合の入ったファンムービーがありますかねこの世に

そして各々の決着がこれまた素晴らしい、単なる大集合のお祭り映画で終わらせないという作り手の本気がまずここにあって
過去作だと幕引きが微妙だったエレクトロを筆頭に、ちゃんとキャラの良さを信じて最後の最後まで輝かせるだけの技量と愛、素晴らしいです本当に




スパイダーマン映画は基本的に性善説ベースで語られるお話というのが共通点であり魅力、特にヴィランの悲しい背景をちゃんと描く丁寧さがどの作品にもあるんだけど、それぞれやっぱり最終的には決着をつける必要がどうしてもあるわけで!

その結果として墓場で終わる率が非常に高いシリーズなのも特徴、あの人があの場面でああなってなければ…と悲しく想像したりするそれを!まさに当の本人たちが実践してくれるというね!!なんと優しい、なんと温かい仕掛けであることよ

で、その当の本人たちというのがね〜ヴィランはもちろん、やっぱりピーター・パーカーなんですよね!!!ニュースでは「声がかかってないんだよ〜」とかヘラヘラしてたトビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールド、やっぱり登場しました信じてました、本当に心からありがとうの気持ち…劇場内で声を抑えきれない人がたくさんいたのも含めて最高の瞬間だった

観客と同じだけの時間を二人のピーターも過ごしてきたという設定、変に若くしたりしないその設定にまず愛があるよね!!!小学生の頃から観てるファンとしては、繰り返し観る中で自分の成長とともに登場人物のいろんな側面を発見してきたという部分があり


単なる映画の出来・不出来とは全く別の魅力として、ともに大人への道を歩んだピーターというくらいの思い入れがあるわけで、まさに親愛なる隣人…その二人のピーターが今現在の少しだけ老けた姿で堂々登場、泣かないわけがない


二人の会話、MCU版ピーターに対する先輩としての振る舞い、その全てが過去作を徹底的に反映させた過剰なまでのファンサービスになってて!全てのセリフがまぶしいくらい魅力的、コミカルもシリアスも三倍というか三乗というか


そしてそれぞれが戦ってきた、なんならその死を見届けてきたヴィラン達と改めて向き合うっていう展開なんてさ〜もうズルいから、約束された勝利だからそれは!!ピーター達さすがに科学力ありすぎて無茶苦茶だけど、それはもう最高だから!!!

アメイジング版のピーター今回は間に合って良かったよ本当に、あと印象的だった過去作の音楽もきっちり流してくれて最高、まじで怖いくらいに抜かりない
それでいて、しれっとデアデビルのMCU参戦を匂わすとかね〜〜クレイヴンもいた、本当どこまで広げるつもりなの


MCU版のスパイダーマン2作についてはアベンジャーズ本筋のスピンオフ的な性質が強くて、胸に刺さる決定的な要素が欠けてるような物足りなさがどうしてもあったんだけど

今回はもうその感じがほぼゼロ、ドクターストレンジも単なるヴィラン大集合の理屈付けとして出てるようなもんだから、実質これようやくトム・ホランド版の初単独スパイダーマン映画!と位置付けても問題ないくらい別の映画になってた


MCU版ピーターが遂に経験する悲劇、そして最後に出す結論、あんなに幼かった彼がこんなにも堂々たる選択をするなんて…思い出すだけで切なくなるけど、これでピーターは本当の意味でスパイダーマンになったのよね、新スーツも含めて

ヘラヘラしてるだけって印象だったMCU版のメイおばさんも今回は素晴らしかったな〜


MCU版ならではの小規模感とかみずみずしさは削られてて、MJとかネッドも今回は脇役に徹してる印象、ただ話の流れとか動機づけを考えれば引き続き重要人物ではいてくれた

今回どちらかと言うとヒーロー論、さらに言えばスパイダーマン論ね、スパイダーマンとはどういうヒーローなのかを徹底的に問い直す話になってたと思う

そのために参照される先輩二人とヴィラン達、全員が過去作の描かれ方を前提としてアレンジしたり踏襲したりしてる映画なので!あざとさは気になりつつ、とにかくファンムービーとしてはもう隅々まで魅力ザブザブすぎて呼吸できないくらい、なんだけど



そういう文脈を無視して単独映画として観るのはもう無理なんじゃないかってくらい極端なファンサービスてんこ盛りなので、やっぱり万人向けとは言えない、これ要はエンドゲームをスパイダーマンでやりましたってことだとも言える

まぁそれの良し悪しは批評家の人らに頑張ってもらえばいいことで、私にとって唯一無二の人生大肯定映画になったのは間違いない、誰が何と言おうと私はこの映画が大好きだし!!作り手の意図もファンムービー方向に振り切ってくれてて頼もしい、やっぱり本気の映画



過去作7本を全部、あとMCUも主要作ひと通り観てないと分かんない要素が多いので一定のハードルはあるし、思い入れが薄ければ何これって程度の話かもしれない、実際劇中で起きてることは客観的に見ればやや小規模な気もする

それでもね!!!三人のピーターが今も頑張ってるんだから私もここ頑張ろうみたいな、フィクションだけど日々の生活にポジティブな影響を及ぼすほどの力がこのシリーズにはあると私は思うし、今回の驚異的な売れ行きを見れば世界中にそういう人いっぱいいるんじゃないかな〜とも思う、作中の全員が生きてる


これは当然のことながら是非とも繰り返し観たい、こんなにも感謝の気持ちでいっぱい、あーもう新年早々とんでもない体験してしまった最高…くじでA賞のフィギュア当てちゃったしね、もう最終回かな人生、大丈夫かな



#映画 #スパイダーマン #ノーウェイホーム #感想 #映画感想文

この記事が参加している募集

#映画感想文

66,723件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?