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カラフルな暮らし、世界との出会い「リンダはチキンがたべたい!」


#ネタバレ

こういうアニメ映画もあるのかーー、とても良いものを観ました大満足!!優しくて痛みもある素敵な作品だった



予告を観た時に衝撃だったのはやはりこの画風と色彩感覚、話に没入できるか不安を覚えるレベルで大胆な色づかいだなと思ったものだけど


振り返るとそのあたりに違和感は一切なく、むしろ普通のアニメより没入感は高かったように思う

要因として、音のリアルさが影響してる部分は大いにあるんじゃないだろうか!
どの動作もしっかり空間を感じさせる音が当てられていて、そのおかげで親しみやすくもあり、あるいは痛みがしっかり伝わる作りにもなってた

それと同時に、例えばレンジの音と指輪の輝く音が重ねられるような遊び心もあって、こういうのって映像作品ならではだよな〜とニヤニヤしてしまったな




キャラクターそれぞれ基本的には全く別の色で塗られていて、家族だと同系色だったりするので、これはリンダが捉えている世界の見え方ということなのかもとは思った

けどそういうことを抜きにしても!単純にひたすら目に楽しい色づかいがとても好きだった、構図の良さもあってどの場面も一枚絵として成り立つレベル、逆にスパイダーバースみたいな


引き算の線描画もとんでもない可愛さ、駆け回るニワトリを単なるグルグルで表現したりするようなユーモアも確かで

それでいて観客が想像力を使うことに疲弊するほどではない、絶妙な引き算とそれを裏付ける画力の確かさが見事だと思った、しりあがり寿を思い出したな〜




しかし見た目とは裏腹にハードな面も垣間見えるストーリー、過剰ではない範囲で確かに存在する暴力、色づかいこそ鮮やかだけどやっぱりファンタジーではないと突きつけられる

中でもリンダの母親、最初こそいわゆる毒親かと眉間にしわを寄せながら観ていたけど
ここにもやはり人間を描こうという気概を感じた、短い上映時間の中に確かな生活と変化があった

リンダを含めてそれぞれが互いに関わる中で、説教臭い正しさで前進するのではなく、自分の願いと寂しさにまっすぐ向き合った先の成長と変化、という描き方になっているのがね!本当に良い


指輪にこだわっていたリンダの興味が移り、広がり、最後には命と向き合う…これをコメディの中できっちりやるの本当に見事

やりすぎなくらいドタバタコメディなんだけど、出来事のひとつひとつがちゃんと納得できる理屈で関連し合っているので飽きずに観ていられるし、その上で速すぎるトラックとか普通にくだらない部分もやっぱり笑える



音楽もかわいかったな〜、ミュージカルパート全部良かったしラストの曲はサントラで聴きまくってるし

社会背景としてストライキのことをよく知らなかったのが悔やまれるけど、子どもたちの集団がさながらデモ行進になっていく様子はそれだけで痛快だったり、あるいは緊張感があったりもした



いや〜良いもの観た、リンダの願いが周囲を巻き込んでいく、皆で美味しい料理を食べて笑顔、そして鑑賞後にはこちらもチキンを食べたくなったのだからもう完全勝利!!!
言うことなしの素晴らしいアニメ映画だと思いました、吹替でも観てみたいですこれは


#映画 #リンダはチキンがたべたい#感想

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