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スタートアップ/ベンチャー企業の選考における『見極め』と『惹きつけ』とは? アッテル様との合同ウェビナーを開催しました!

はじめに
先日、ポテンシャライトがお世話になっているアッテル様(旧:TRANS.HR)との合同ウェビナーを実施しました。
自社の魅力を伝えられているのかわからない、自社に合った人材の見極め方がわからない、何をどうやって見極めるのか?、といった疑問を解決するtipsをウェビナーでは伺うことができました。
同じ課題を持つ方へのご参考になればと思い、レポートにまとめさせていただきます。


ゲストスピーカー

株式会社アッテル 代表取締役 塚本 鋭

塚本さん

-株式会社アッテルとは-
2018年に創業した、AI(機械学習)が採用候補者の入社後活躍・退職確率を予測する将来予測型ピープルアナリティクスサービスを展開している企業。
採用から退職までの HRデータを一元管理・分析できる基盤と、HR に特化した機械学習(AI)の予測アルゴリズムを備え、100 種類以上の適性検査データに対応するほか、未来予測に最適化された独自の適性診断(アッテル診断)の提供している。

モデレーター

株式会社ポテンシャライト 代表取締役 山根一城

1.選考の分類について

山根:今日ご参加いただいた方は、日々面接をされている方やこれから選考官としてご活躍される方など様々ではないかと思います。
前提としては、面談/面接は惹きつけと見極めの2項目に別れます。まずはここを認識していただければと思います。
惹きつけについては私から、見極めに関しては塚本さんよりお話いただきます。

2.惹きつけについて

2-a.  何で惹きつけるのか
山根:惹きつけに関しては、何で引きつけるのか、誰を惹きつけるのか、どうやって惹きつけるのかをお話できればと思っています。

はじめに、何で惹きつけるのかですが、こんな魅力は魅力ではありませんという事例をお伝えします。

・裁量権があります
 →どこのスタートアップ企業も打ち出しています。
・風通しがいいんですよ
 →普通のスタートアップ企業はそうですし、良くなくてはならないと。
・部長以上のポストががら空きです
 →人数が少ないから普通そうです。
・手をあげたらなんでも出来ます
 →職域が広いから当たり前です。


このように、自社の魅力とは何か?を十分に理解されていない企業様は多いです。
魅力は同人数の企業と比較して、他の会社にないものです。候補者が企業に対して感じる魅力を大別すると4つのPに分けられます。
・philosophyは、理念、VISION、バリューなどのことです。
・professionは、職務内容、事業内容などのことです。
・privilegeは、福利厚生、人事制度などのことです。
・personは、社員、社風などです。

候補者を面談/面接で惹きつけるための自社の魅力は、この全ての項目で訴求できるように準備しておくと良いでしょう。
なぜならば、候補者様によって4Pの比重は変わるからです。

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会社を決めるのにミッション・ビジョンを重視する方もいれば社風を重視される方もいます。そのため、面談/面接官は、候補者の志向性に合わせて伝える魅力をカスタマイズしなければなりません。

2-b. 誰が惹きつけるのか
山根:次に、誰が引きつけるのかです。まずは、選考担当のタイプを分類するところから始めます。
面談/面接を担当される方はタイプ(性格)が明確に分かれていると考えています。
・Attracter:とにかく惹きつけが得意
・Interviewer:見極めが得意
・Follower:相手に寄り添って話ができる方
・Closer:惹きつけも見極めもできる方
当社では惹きつけに適したタイプはAttracterの方だと考えています。

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当社では惹きつけに適したタイプはAttracterの方だと考えています。

Interviewerタイプは惹きつけよりかは見極めが得意です。強烈なInterviewerだと候補者が圧迫感を感じてしまうこともあるため惹きつけよりも、見極めを担当していただくのが良いです。もしくは、Interviewerの方はFollowerタイプの方に一緒に面接に入ってもらうと、候補者があまり圧迫感を感じなくて済むかと思います。
当社では、Attracterは若いメンバーにお願いしています。

また、4P別に誰が何を惹きつけるのかも設計できると面白いかなと思っています。
Philosophyはattracterやcloserが強烈に惹きつけられると思いますし、 ProfessionはInterviewerがいいでしょう。
選考担当のタイプを分類し、誰が何を候補者に伝えるのかを戦略的に設計できるといいのではないのかなと個人的には思っています。

今、面白い質問がきたので、触れさせていただきますね。
「候補者をAttractする人は会社のビジョンや未来を語る必要があるため、弊社ではシニアメンバーが担当する場合が多いです。ジュニアメンバーにされている理由を教えてください」とのご質問をいただきました。
ジュニアメンバーは純粋に会社のことが好きだったりします。これは当社の場合ですが、目指している場所やビジョンなどは若手の方が白いキャンパスの上に伝えていることなので、伝わり易かったりするのかなと思っています。会社の文化浸透や、未来の戦略的なところは若干シニアが良かったりします。
もちろん、30代後半のシニアクラスの面接では若手を充てないですが、ある程度20代前半から中盤の求職者の方がいらっしゃる場合は若手が熱量を込めて惹きつけています。

2-c. どうやって惹きつけるのか
山根:最後にどうやって惹きつけるのかです。当社は3つの方法を推奨しています。

1つ目は、採用ピッチ資料の作成です。
企業として、求職者に伝える内容が統一されていない、面談/面接時に面接官の話す内容が本人の主観に寄ってしまう、企業の魅力が求職者に伝わっていない、などの課題を解決するためには採用ピッチ資料を作成すると良いです。
以前、各社採用ピッチ資料を比較したところ、50以上の掲載項目があり、順番や、内容が各社バラバラでした。企業が何を大切にしているのか、求職者に対し何を伝えたいかを可視化できるため、企業理解のファーストステップとして最適です。

2つ目は、面談/面接時の質疑応答です。
惹きつけといってもいつ惹きつけるんですか?という質問をよくいただきます。
質疑応答は「惹きつけ」の大チャンスです。候補者がまず質問をしているということはそこに関心があるのは紛れもない事実なので、質疑応答の際に惹きつけをしてもらいたいなと思います。
極端な例をスライドに挙げてみました。

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要は、1の質問に対して1の返答はなんの惹きつけにもなりません。質問をいただいたら、候補者の志向性に合わせた返答を意識していただければと思います。

3つ目は、ストーリーテリングを活用していただきたいです。
企業様に対し魅力を設計しましょう!とお伝えすると、自社はそんな魅力ないよ。返答されるケースがあります。ですが、自社をストーリー立てて話すと意外とそれが魅力だったりします。
事業をスタートして、若干危機にあって、今のコロナがそうだと思うんですが、そういったアップダウンをドラマチックにまとめて伝えていただくのも魅力を伝えるテクニックの一つです。

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次に、見極めについては塚本さんからお話いただきます。

3.見極めについて

塚本:採用で何をどう見極めるのか、ということに悩まれていたり、これが経験に紐づいてしまっている方も多いと思います。私からは、採用のデータからどのようなことが言えるのか、お話をさせていただければと思っています。

3-a. なぜ見極めが必要なのか
塚本:そもそもなぜ見極めが必要なのか。これはみなさん釈迦に説法なのかもしれませんが、経営において軸となるのは、ヒト・モノ・カネの3つです。その中で、ヒトという人事戦略が経営において重要であると私は思っています。
人事戦略とは、是非があるのですが、「経営の目標を達成するのに貢献する人材を作る」ことと言われています。
Google人事部門トップの方の著書『WORK RULES!』にも書かれている内容ですが、平均的な人材を、上位10%の優秀な人材と同じ水準に育成するのは非常に難しいことです。彼らは「採用は組織における唯一にして最重要の人事戦略」と言っており、採用でいかに自社にマッチした人材を見極めるかが、経営の大きなポイントになるのです。

3-b. 採用で何を見極めるのか
では、採用で何を見極めればいいのか。
自社で色々な企業様の採用基準を分析させていただいたところ、見極めのポイントは3つに整理できると弊社は考えています。
   1.ビジョンマッチ(ミッション)
   2.カルチャーマッチ(バリュー・行動規範)
   3.スキルマッチ(基礎スキル、専門スキル、マインドセット)
これに時間軸を組み合わせることで(現在/未来)、ほとんどの会社が何を見極めれば良いのかが明確になると思います。例えば、今のビジョンマッチを見極めるのか、将来的なビジョンマッチを見極めるのかということです。

3-c.  自社の採用で何を見極めるのか
では、より具体的に、自社での採用基準(見極め)はどう決定すればいいのか。
自社の採用基準を作る際、自社のハイパフォーマーを分析し共通する特徴を採用基準にするという企業様は多いですが、この方法はおすすめしません。例えば、適正検査の情報からハイパフォーマーの数字を分析します。結果、ハイパフォーマーは達成意欲が高いので今後は達成意欲が高い人を採用すればいい!、と結論付けてしまうのは少し気が早いです。

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実は、ハイパフォーマと、ローパフォーマーを比較すると達成意欲に関してはさほど変わらず、それほど重要ではないということがわかります。
それよりも、ハイパフォーマーとローパフォーマーを比較することで、明らかに差のある項目を見つけることができます。
会社でより精度の高い採用基準を作るときには、差が一番大きい項目を見極めのポイントとしていただくことを当社はおすすめしています。

山根:1つ質問がきていて、「今、活躍する人ではなく、将来活躍する人を採用しようとすると、今のハイパフォーマーをモデルにしていいか迷います」とのことです。
確かに会社のフェーズによるかと思っていて、この辺りは塚本さんとしてはいかがですか?

塚本:やはりベストは、未来を予測できることに越したことはないと思っています。
いくつかやり方がありますが、1つは自社の企業戦略に基づいて考える方法です。組織拡大で2〜3年後にマネージャーの採用が増える見込みであれば、現在マネージャーとして活躍している方をハイパフォーマーと再定義するんです。
また、自社より少し先のステージの企業を基準にするのも有効です。現在30名であれば50名の企業を、50名であれば100名の企業を設定し、その企業で活躍しているハイパフォーマーをベンチマークするとよいです。

3-d.  採用でどう見極めるのか
それでは、最後にどう見極めるのかです。
今回のテーマの一つでもある、オンライン面接で求職者様を見極められているのか心配という内容に関してですが、実は、この状況になる前からそうだったのではないかと思っています。
弊社でお付き合いをしている経営者の方1000人にアンケートをとったところ9割の方が、見極めが正しいかを定量的に評価したことないと回答しています。

弊社のお客様で、オフラインでの面接時に候補者をABC評価していただき、入社後にも同様の評価をしていただくと、6割以上は異なる結果になりました。

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オフラインでの面接でも、見極めの精度はあまり高くないんじゃないかというのが弊社の見解です。

実は日頃行っている口頭での面接手法はその他のワークサンプルテストや一般認識能力テストなどと比較すると精度が高くない手法であることが解明されています。

なので、オンラインになって不安と思っている方は、今までは対面で会っていることによって見極められていると思っていただけなのではないか?ということが、データから考えられます。
問題点が浮き彫りになったので、採用面接のオンライン化は選考フローを見直す機会と捕らえ、より見極めの精度を上げていただくことが大事になってくるのではないかと考えています。

では、どのような選考方法をすれば良いかというと、ワークサンプルテスト、一般認識能力テスト、構造化面談のこの3つの手法が、精度が高いと言われています。

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さらに、どういうHow toでやるのかというと、弊社ではこちらの3つと結論づけています。

1:面接と適性検査(学力・性格)を組み合わせる
  面接だけで全てを見極めようとするのではなく、客観的なテスト結果を
  判断材料に加えることで、ワークサンプルテストを1回行うより高い精
  度が得られることがわかっています。
2:選考フローでカバーする
  AmazonやGoogleで実際に行われている手法で、一度不合格になった候
  補者も、再度選考に復活する救済のフローが設けられています。日本企
  業の採用の常識では考えにくいことですが、正しい見極めができないこ
  とを前提にすることで、優秀な人材の採用機会を逃すリスクを減らすこ
  とができます。
3:マッチングの精度を定量的に算出する
  面接結果と入社後のパフォーマンスを定量的に検証し、きちんとPDCA
  を回すことも重要です。これを継続することで、採用基準がブラッシュ
  アップされていきます。

最後に、弊社では10万人の実データに基づき開発した、見極め精度を高めるための適性検査や、人材データを定量化して分析・予測・改善までをノンストップで行えるようなツールをご用意しておりますので、ご興味のある方はぜひ詳細をお話させていただければ嬉しいと思います。

おわりに
今回のウェビナーでは面談/面接の「見極め」と「惹きつけ」についてお伝えさせていただきました。明日から実行できるノウハウもいくつかあったかと思います。少しでもみなさまのお役に立てていると幸いです。

また、ポテンシャライトでは面談のノウハウ提供をはじめとする、採用の要件定義から入社後のオンボーディングまで、採用課題に対するサポートをさせていただいております。採用担当として、少しでもお困りの方はお気軽にご連絡ください!

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