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次世代VR表現「Scarecrow」の幕引き

毎年9月、10月頃開催されるRaindance映画祭。
今年はXR(主にVR)技術を中心にRaindance Immersiveという項目が追加され、VRChatをも巻き込んだ大イベントになっていました。

30作品以上を誇り、VRChat内で遊びに行ける大使館もあるのでそちらの方に興味のある方には大使館ワールドをおすすめします。

その中でも話題となっていた「ScarecrowVR」。参加型の演劇というのはハードルが高いとは思っていたけど無料なのとVRChat内で体験できるとのことでチケットを予約。

ここから先はネタバレというほどのネタバレはありませんがネタバレあります(どっち)

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体験自体は短く、15分から20分程度。
指定のアバターに着替えるとモニターに紙芝居風のストーリーが流れ、世界の背景を教えてくれます。シンプルだけどとても悲しい話。

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世界が廃れた後、一人心を保ち続けた案山子。その案山子の心に触れると案山子は目を覚まし、その場にいる人と出会い、友達になり、一緒に冒険をして行きます。道中危ない目にあったり、子供の様にはしゃいだり、無言の世界の中でコミュニケーションをとる不思議な体験。
一緒に参加した方とも面識がなかったため、言葉を使わず自然に思いが伝わる度に強く心を動かされました。

お世辞抜きで唯一無二の体験だと思っています。

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参加者は後日、グランドフィナーレと称したRaindanceを記念しての後夜祭に招待されました。無論私も速攻でRSVP。

どんな感じになるかもわからず、集合したらVRC界でも名前をよく聞くクリエイターの方や有名な方がたくさん!Raindanceに参加されてる他のクリエイターさんもたくさんいてアウエー感すごかったです…

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そして集団でScarecrow VRを再度体験。

ただし、演者は指定された3人と案山子の役者さんだけで、ほかの参加者は静かにその様子を見守る。とっても不思議な感じでした。
ただ、完全に外野というわけでもなく、とある演出のあと案山子が突然他の参加者を認識するようになり唐突に体験に引っ張りこまれました。

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ペンを持たせ絵を描くように促されたり、みんなで走り回ったり。

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私は案山子が他の参加者を認識しだしたのに気づかず、最初自分が指名されていることに気づきませんでした(笑)
画伯ながら猫ちゃんの絵を描かせていただきました。

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皆で鳥を撃退するシーンはとってもダイナミック(処理落ちもすごかった)

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そしてお別れ。二回目のはずなのにお別れを認識するとどうしても悲しくなっちゃいます。一人一人に手を振ると、案山子は光の中へと帰っていきます。

数十人の参加者がいると体験が濁るのではないかと思っていたのですが、意外とそういうわけでもなく皆が楽しんでいるからこそ自分もはっちゃけていい気がして逆に楽しめたり。

映画や舞台よりもインターラクティヴで、ゲームよりも人間味があって、こういう表現の間にまだ未開拓の何かがある、そう思わせてくれる体験でした。

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全VR民に体験してほしい、「心」の詰まったScarecrow VR、お疲れさまでした。

いつかまた再演できるといいな。

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