【財務分析 Vol.50】 ラクスルの「ネクスト・シェアリングエコノミー」

すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。

従来の"当たりまえ"を破壊し、新しい"当たりまえ"を作った会社を、メインモデルとして取り上げていきたいと思います。(すべてでない)
テーマは"Think Different"です。(Apple)

今後は三部構成にて、内容展開していきます。

①ビジネスモデルを見て、その会社の裏側を理解する。

②結果の数字はどのような形になっているかを把握する。

③未来はどのようになっていくだろう、と予測してみる。


Vol.50 『ラクスル』
理念:「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」
ビジネスカテゴリー:情報・通信

①印刷業界の革命児ラクスル

ラクスルは「印刷業界の革命児」と言われています。

このブログで取り扱っている会社はほとんど革命児的な扱いをされています。それは、”当たり前”を破壊して”当たり前”を作っているからに他なりません。

「不便だけど、そういうもんなんだよ。。。」に対して本当にそうなのか?と気付くことと、解決するために全力を注ぐことが何より大切です。

それを私は『思考の癖』と呼んでいます。

日常からも、「寿司って高級料理な部類のはずなのに、なんで100円で提供できているんだ?」とか「マックは100円で、モスは500円ってどういうこと」など、小さな気づきとその理由を探すことで、その幅と質は大いにあがると思います。

『思考の癖』=『”Why”を持つ』と近いかもしれないですね。

▶印刷業界への”当たり前”

前置きが長くなってしまいました。。。

何をもって革命児となったかと言えば、まずは印刷業界の”当たり前”を認識する必要がありますね。

業者側の”当たり前は”大きく三つ挙げられる。

「下請けビジネス」、「タスク変動性」そして「稼働率5~6割」

大別したがこの三つは関連性があり、ビジネス上仕方がない。と思われてきたものです。

そして発注者側にも、「なじみの業者しか知らない」、「本当は柔軟に規模感やサイズ感に併せて仕事をお願いしたい」という”不”満があった。

▶ラクスルのビジネスモデル

その事実に気付くことができれば、それはもうビジネスチャンスです。ビジネスは常に人の”不”から始まります。

よってラクスルがおこなったビジネスは、この両者の”不”を解消して”Win-Win”にする仕組み作り。

簡単にまとめるならば、インターネットを駆使することで、印刷業界の交通整備と受発注の窓口をおこない、実質的な”マッチング”を実現した。

このビジネスモデルは”シェアリングエコノミー”とも言われていますね。

(“インターネットを介して、使われていない資産を活用すること”)

Airbnbなど、ここにあたると思います。私的にはKUMONのフランチャイズなどをこの考え方の応用であると思っています。

要するに無駄と考えられている部分を、いかに活用し収益に変えるか。ということですね。


②ラクスルの財務分析

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収益性 ★★
安全性 ★★★★
生産性 ★★★★★
成長性 ★★★★

まだまだこれから、といった感じでしょうか。上場による、資金調達の様子が如実に表れている形です。(純資産額と流動資産が大きい理由)

売上高は順調に伸び続けているため、広告宣伝費へ多くの投資をおこなっている結果、そのサービスが世に知れ渡ってきていると判断できそうです。

またPLを見ると、原価率が高いことがわかります。それはプラットフォームでありながら、その受発注を代行しているため、印刷業者へ発注したものを”仕入”として計上する必要があるからです。

これを完全プラットフォーム化できなかったことは、品質などの信頼面を請け負っていることを理由としており、今後はここにいかに付加価値をおいて、収益化を進めていけるかが肝となりそうです。


キャッシュフローを見てみると、「THEスタートアップ」の形を取っているのがわかります。おもしろいですね。

③未来の数字を作ってみる

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買い手より売り手が多い昨今の世の中、印刷や広告などの需要はまだまだあるように思えます。また、自社にて印刷の機能を持たないラクスルが、投資活動にて固定資産に投資を仕掛けている点を鑑みると、なにか次なる施策を練っていると考えることができます。

それはシェアリングを超えたネクスト・シェアリングになるのか、どうなのか。

といった期待を込めて、数字は結構良い成長率を載せて算出してみました。

あなたはどう思いますか??

~まとめ~

スタートアップの会社がどのような軌跡を歩んでいくか。。。

よりサプライヤーである印刷業者向けへ「こんなものができたらおもしろいんじゃないか」であったり、「この仕組みでやればもっと生産性が上がり付加価値があがる」などの提案ができるかが今後の成長の可否をわけるであろう。

「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」

これは本質を捉えている。



過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考えみると、その企業や経営者の意思が垣間見れます。

一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!


参考
財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。

財務諸表ハック|各種企業財務チャート、複数社比較も簡単にできるXBRL財務分析ツール
財務諸表ハックは、XBRLをベースに企業財務情報を財務分析チャート、帳票に展開するWebアプリです。
www.tukuttemiru.biz


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