【財務分析 Vol.51】 出前館の「出前2.0」

すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。

従来の"当たりまえ"を破壊し、新しい"当たりまえ"を作った会社を、メインモデルとして取り上げていきたいと思います。(すべてでない)
テーマは"Think Different"です。(Apple)

今後は三部構成にて、内容展開していきます。

①ビジネスモデルを見て、その会社の裏側を理解する。

②結果の数字はどのような形になっているかを把握する。

③未来はどのようになっていくだろう、と予測してみる。


Vol.51『出前館』
理念:「あったらいいな。をカタチにする夢の卵 ゼロから創り出す。委員会活動のように活発に!」
ビジネスカテゴリー:情報

①いまや主役??

先日の「ラクスル」に続いて、シェアリング第二弾として登場させてみました「出前館」です。

今の世の中、”出前サービス”めちゃくちゃ便利で使う頻度えげつないんじゃないかと思います。

でも日本での手数料などの相場観がわからないので、日本においての利用者サイドからの費用対効果まで少しわかりませんが、実際どうなんでしょうか。。

インドネシアでは物流サービス(タクシーなど含む)はすごく安く、出前の手数料一回で80円とかなので、もやは気にならないですね。

なので私はここ二ヶ月くらい、ほぼ毎日出前してます。(自宅自粛×昼飯だけ食事というダイエットしているので一食分だけですが、、。)


いずれにしてもその需要が上がっているのは確かであると思います。

▶出前=ラーメン屋

出前やデリバリーと言えば、イメージに紐づくのはラーメン屋かピザじゃないでしょうか。

そう改めて考えなおすと、”ラーメン屋の出前”というサービスって物凄い価値あることを昔からやっていたんだな。と感心しますね。

ただラーメン屋にとっては”当たり前”になってしまっていたがために、付加価値と捉え直すに至らなかったのが残念ですね、、。

▶打破するべき二つの”当たり前”

今回もまた日常に自然に溶け込んでいて見落としがちであるが、ふと気づけば誰もが欲しがるサービスがそこにあります。

”なんで出前やデリバリーって他の飲食店やらないんだ?”といったところでしょうか。

ならば打破するべきは、

店舗側の「やらないのが当たりまえ(やるという選択肢がそもそもない)」

消費者側の「デリバリーの気分のときに頼むのがピザ」

こういった”当たり前”です。

▶「やらないのが当たりまえ」

ここでも”なんでやらないのが当たり前”なんだろうと考えなおす必要があります。

そう考えてみると、やらないんじゃなくて、「そもそもやれないんじゃないか??」と仮説立てることができます。

理由は「人手が足りない」「デリバリーのための機器をそろえる必要がある」「認知から効果が出るまでが読めない」など様々、、。

どれも固定費をあげる一方、どうなるかわからないし、店舗集中でもまぁいけるだろう。って感じだったんだと思います。

その点、マクドナルドなどはすごい早くから自社にてもバイクデリバリーなど始めていた記憶があるので、市場を読むスピードの早さに驚かされますね。

▶思考、仮説から垣間見る”不”

ここまで見てみると、「なるほど、やりたいけど”不”可能な状況にあったり”不”安で踏み切れない」という感じになっているんだなとわかります。

だったら、そこに集中したサービスを始めてしまえばいいわけですね。

常日頃から思考を止めないことが、こうしたビジネスチャンスの芽をしっかりと手にすることにつながると考えると、小さなことにも気付ける眼がいかに重要か。。。

▶出前館による「シェアリング・デリバリー」

簡単に言えば、デリバリーしてくれる人をシェアしていきましょうってことです。

この仕組みを確立することで、上述したできない理由をすべて解決することができます。

さらにこのサービス自体の認知が広まれば、利用状況などから効果を測定することもできるから、自社にて始めるよりも明らかに自信を持ってローンチできる。

これにより店舗は提供の幅が店舗のみにならず、広げることを可能としました。革命的ですよね。

利用者にとっても、限られた紙のメニュー表とめんどくさい電話をすることから、ネットでできることは生活に豊かさをもたらすに決まっています。

そこに発生する手数料は当然”付加価値”として払うに納得できるものとなるでしょう。これが”ビジネス”ですね。

▶Uberとの違い

ここは一般人の隙間時間などを活かしたシェアリングエコノミーによる展開か、自社にてサービスを展開するかといった違いがあります。

母数は一般人含めたほうが確実にあるでしょうが、その分管理が難しい点があげられます。(インドネシアでもこっちなのでたまーにイラつきます。笑)

自社にてサービス展開できる点はサポートの質の担保ですね。

飲食物ですので、難しいところもあると思います。一個の事故で、マクドナルドやモスバーガーのように大打撃を受けかねないので。。。

②出前館の財務分析

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収益性 ★★★
安全性 ★★★★
生産性 ★★★
成長性 ★★★★★

ぐんぐん成長してながら、安全性にも考慮していることがわかる。特に2019年度の数字では、借入をおこなうことで負債が大きく膨らんでいる点が注目でしょう。

また伴って、利益率が赤転も気になるところですね。前期まで平均営業利益率15%であったのが急落している理由はなんなのか。。

多くに「シェアリングデリバリーの拡大に伴う投資」との記載があるが、FS上はよく読み取れなかった。

販売費における”雑給”の中身がどういったものかというところもあると思うが、もしこれが出前館における人手不足により発生しているのであれば、手を打つべき課題といえるのは確かです。(サービス軸がブレるので)

またソフトウェアへ多く投資をしていることから、ネット上のサービスの質向上の施策ではと予測することができる。

果たして「シェアリングデリバリー拡大」とどうつながりがあり、どのように課題を解決していくのか。。。

③未来を予測してみる

こういった状況の場合は、二パターン作れるといいんですが今回は”うまくいったパターン”にて。

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定期的に規模拡大などに向けた投資が必要となってくることが予測されるので、今回作成したものよりは苦戦する可能性が高いです。

ただ利益率もあり、将来性からもっと借り入れをおこなうことも可能な点から、将来性はかなりあるように思えます。

タクシーなどの他業種との協業や生活必需品までを網羅できるようなトータルサービスを展開してもおもしろいかと思いました。

~まとめ~

シェアリングは意外と自社にての負担が大きいため、圧倒的な利益率を叩き出すことが難しくも、サービス付加価値が高いため、やり方や見せ方でどうとでもできるという印象をうけました。

まずはそこに気付けるかどうか。

まさに「あったらいいな。」ですね。


過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考えみると、その企業や経営者の意思が垣間見れます。

一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!


参考
財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。

財務諸表ハック|各種企業財務チャート、複数社比較も簡単にできるXBRL財務分析ツール
財務諸表ハックは、XBRLをベースに企業財務情報を財務分析チャート、帳票に展開するWebアプリです。
www.tukuttemiru.biz


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