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ドイツ生活|怖すぎる外国人局編〜新生活・移民にとっての最初の難関〜

*タイトルとは裏腹のこの美しい街並みは学生の街Tübingen


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ドイツの外国人局(Ausländerbehörde)は悪名高くて有名ですが、
外国人ならば誰もが通らなければならない道です。
幸いにも、私はドイツに来た直後から夫(当時は彼)という心強い味方(兼通訳⇦これ超重要)がいてくれたこと、運よくいいスタッフに当たり続けている(⇦これも超重要)こともあって、巷に聞くような恐ろしい経験は、有難いことにしたことがありません。

ちなみにドイツの役所は、アポなし突撃は基本できません。
ビザ申請、入籍、書類の受け取り、全てにおいて事前にアポを取る必要があります。
が、これが厄介。
アポそのものが取れないのです・・・
特に外国人局

ドイツは難民の受け入れなども多く、外国人局は常に大忙しだそうで、
ロシア・ウクライナ戦争の時は、私の街の外国人局も、毎日長蛇の列ができていました。

そんな、アポを取るだけでも大変なドイツの外国人局、アポが取れた暁には、一発で申請が通るように、ガチで気合を入れて書類を準備します。

そして、
『いい人に当たります様に』
と毎日祈りを捧げます笑。(半分冗談、半分本気)

本当に、日本人からしたら考えられないお話ですが、
このビザ申請のプロセスは、役所の人にかかっています。

行政の手続きなのに?!と思う方もいるかもしれませんが、
プロセスに必要な書類などは、その人の裁量によるものが大きいのが現状です。



そんなテキトーすぎるドイツの外国人局ですが、
私の友人はつい先日、心をズタズタに打ち砕かれる経験をしたそうで、泣きながら連絡が来ました。

ざっくりこれまでの経緯を要約するとこんな感じ↓

  • 今年1月で語学学校ビザが切れるので、去年12月中に外国人局で面談のアポを取ろうとするも、「今いっぱいだから、こっちから連絡するまで待って」の一点張り

  • 結局アポが取れぬまま語学学校ビサも切れ、語学学校も修了

  • その間にドイツ内の今住んでいるところとは別の都市で職をゲット

  • 就労ビザを申請するために、再度外国人局でアポを取ろうにも、空きは最短で11月中旬

  • 本来、仕事は7月から始まる予定で、今住んでいる語学学校管轄のWohnheim(寮)は6月いっぱいで出なければならない(もう語学学校を修了しているため)


この間、友人はアポを取るために外国人局に100回以上も電話して、メールも何度も書きました。1年近くもアポが取れないなんてあり得ません。

でも状況は変わらず・・・

痺れを切らした友人は、アポなしで突撃、イカついセキュリティをなんとか演技で誤魔化し、外国人局に入ることに成功。
なんと5月中に就労ビザ申請の為のアポを取ることができました!

そもそも5月中にアポ取れたならなんで11月まで待たしてたんだという疑問は残りますが、とにかくアポが取れたので、就労ビザに必要な全ての書類を準備し、いざ当日。

するとなんと、延長された語学学校ビザが渡されたのです。

話が違う・・・

友人は必死に外国人局の人に拙いドイツ語で説明し、準備した必要書類を見せ必死に就労ビザの申請手続きをしてくれるように懇願するも、

「お願い、じゃないわ。無理なもんは無理。私たちも仕事があるからさっさと帰って」
と邪険に扱われ、引き下がらない友人に対して
「お前がやっていることは違法だ」
と捲し立て、泣いている友人を見て笑う始末。

その後、外国人局のホットラインに電話し、事情を説明するも
「何言ってるのか分からない。ドイツ語話せるやつを連れてこい」
とだけ言われ、一方的に電話を切られたそうです。

なんのための外国人局ホットラインなんだ・・・

絶望した友人は、ロビーのベンチに座ってただただ泣いていたそうです。
すると、セキュリティの人がそれを見つけ、友人に話しかけました。
友人が事のの顛末を伝えると、セキュリティの人が友人を別室に連れて行き、そこにいたスタッフに事情を説明してくれ、その場で就労ビザの手続きをしてくれたのです。



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私はこの話を聞いて怒りが込み上げて来ました。

これはほんの一例ですが、これがドイツの外国人局の実態です。

毎日何人ものドイツ語が話せない人たちの相手をしているスタッフは、確かにストレスが溜まっているかも知れません。
それにドイツには移民と言ってもいろんなタイプや事情の方がいます。
一筋縄ではいかないことも多くあるし、無茶な要求をしてくる移民がいるのも事実です。

それでもこんな対応は、あまりにも酷すぎる。
外国人なりに、たとえ拙いドイツ語でも一生懸命説明しようとしているのに、聞こうともしてくれない。

これを一人で乗り越えた私の友人は本当に強いです。


これからドイツに移住しようと考えている人がいたら、
外国人局、最初は通訳をつけて行くことを強くお勧めします。
知り合いがいなくても、お金を出せば幾らでもネットで見つけられます。(実際に通訳連れの人はよく見ます)
特に役所関係は重要なので、知らなかったじゃ済まされません。
念には念を、です!

海外移住、ビザのプロセスはそれだけでもストレスなのに、
さらに職員とバトるなんていうことはもう絶対に避けたい。
ドイツに来てすぐの外国人にドイツ語で問題なくコミュニケーション取れるなんてことを期待しているのがそもそも間違ってるような気もしますが、
ここはドイツ。
英語ではなく、ドイツ語が求められるのです。

そしてこれもとっても大事ですが、
ネットで過去のブログ記事を参考にして書類を集めないほうがいいです。

「この人はこうだったのね」くらいの気持ちで読んでください。


最初に書いたように、ドイツの外国人局(というか役所関連全て)は、
地域によって、人によって、言うことが全く違うのです。

なので、ベルリン在住の人の記事を参考にしても自分の管轄がミュンヘンの外国人局だったらあまり意味がありません。

と言うか同じ地域でも同じ人に当たらなかったらその時点でその記事に書かれた内容はあまり参考にはできないし、同じ人でも日によって言うことが違うなんてこともあります。(これされたらもうどうしようもない・・・)


私も実際に外国人局に行く前に、ありとあらゆるブログ記事を読みましたが、皆さん言っていることが違います。
読めば読むほど訳が分からなくなってきて、夫にそれを相談したところ、
「じゃあ直接聞いてみよう」と言うことで、
管轄の外国人局にメールを書いたところ、割とすぐ連絡をくれました
(これも大変ラッキーですが・・・)。

メールに書かれていた書類+ブログ記事などにも書かれていた書類も念のため持って行ったところ、問題なく通りました。(ちなみにブログ記事を参考に持っていた書類は必要ありませんでした。)
なので経験上、一番確実なのは、自分がお世話になるその外国人局に直接、必要な書類を尋ねておくこと。あとは、地域ごとに外国人局のホームページがあるので、それも参照するのも良いと思います。

ブログ記事が全く参考にならないと言っているのではなく、
私の場合、外国人局に行く前からビビり倒していたので、いろんな経験談や対策方法などは読んでいて参考になったし、覚悟が持てたと言う点でもとっても助けになりました。


準備万端、念には念をで挑めば外国人局も怖くない!
そして優しいドイツ人に当たることを祈っています。笑

ドイツで新生活を始める人に、少しでも役にたてば嬉しいです。

Thank you for reading :)





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