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世帯年収2500万円越え!在米ポスドクのお金と生活のリアルな話(と医師研究者へちょっとぼやき)


こんにちは、現役ポスドクの毒太郎と申します。このnoteはあくまで毒太郎のアカデミア研究の体験を元に、偏見に基づいた知見を語っていく場です。ですのでほとんど統計値などは出てきませんので悪しからず。いちポスドクの意見、感想だと思って下さい。


今回は皆さん大好きお金の話をしたいと思います。研究者以外の方も興味があるかもしれません。

お金の話をすると筆者の住んでいる場所がバレそうですが、今回は留学って実際にどれくらいお金がかかるか語っていきたいと思います。筆者は、現状身バレしてもいい範囲でしか記事を書いていません(大丈夫だよね?)。しかし、身バレは嫌なので、今回の記事で筆者の住んでいる場所や職位を特定しようとしないでください。

また筆者は米国でもなかなかの都会に在住していますが、世界各国間でお金の感覚は全く違うこと、はたまた米国内でも大きな振れ幅があることにご注意ください。

筆者ほど生活費が高いことはあまりないと思いますので、この記事を読んで留学を考えている皆様が二の足を踏まないことを祈っています。

ポスドクはどこに行っても低収入ですが、慎ましやかに暮らしていれば収支はマイナスにはなりません。

数値は出来るだけ正確に述べたいですが、身バレの危険性もあるので、大体の相場とします。また現在1ドル160円くらいになってますが、今記事では分かりやすく1ドル150円換算してます。

また、下の以前の記事では、米国のポスドクの給料を含めた留学のメリットについて述べていますので、併せて読んでいただけましたら幸いです。


少し長めの記事ですが、以下の目次から気になる部分だけでも読んでいただければと思います!ではどうぞ!!




収入

筆者は共働き子連れ研究者です。一応性別は伏せています。名前は明らかに男性ですが、女性の可能性もありますよ。

ではまず筆者の年収からいきましょう。。。

まあぶっちゃけてしまいますと

額面は大体84,000ドル/年

なので、日本円にすると1250万円程度です。ちょっとぼやかしていますが、職位とかPGYとか類推しないで!!給料でマウントを取るつもりはありません、なぜならこれは米国では低収入に位置するからです!!

日本のポスドクの給料はこちらの記事を参照ください!!

米国では低収入ですが、額面だけ見ると日本のポスドクでは考えられないほどの高収入ですね。しかも日本と違って年々ちょっとずつ上がっていくんですよー。

ただし、税金(FederalとState)や、保険料等が引かれるので、実際に払い込まれるのは、年に60,000ドル(下説明のTIAAを除く)ほどです。それでも日本円にすれば900万円ほどあります。

税の専門家じゃないので分かりませんが、日本より引かれる率は少なく感じます。

夫婦で同業ですので、手取りは夫婦合わせて1800万円-1900円(額面は2600万円程度)くらい、この給料で日本に住みたい!!

TIAA、年金

米国では国民年金はない(ハズ)ので、アカデミア研究者の場合は自分の裁量で大学研究者御用達の年金機構(TIAA)にお金を入れることができます。数年の短期で留学される際は加入する必要はないと思います。というか職位によっては利用できません。

筆者は税控除にもなるし、一応投資目的でも得をするらしいと聞いたので毎月お金を入れていますが、年金を受け取る年齢前に解約するとペナルティがあったりし、日本に送金する際も手間や手数料などめんどくさそうなので、正直得するのかはよくわかりません。

ちなみに海外にいる際は、日本の国民年金を払う必要がありません(ハズ)。ただし免除になっているわけではなく、未払いとしてカウントされてはいるので、将来自分が受け取る金額が減るだけです。

海外にいながら日本の年金を払い続けることは可能なので、日本の預貯金に余裕がある方は素直に払いましょう。ここらへんの話は筆者も詳しくないので、実際に考えている方は役所などに相談してください。

また日本でいう確定申告もあって、タックスリターンと言います。ここでは、下で語る保育費や、病院費などを申請することでお金が返ってきます。

次に大きな出費です。

家賃

筆者はマンションの一室(2ベッド, 2バス)に住んでいます。田舎でしたら一軒家が普通かもしれませんが、ある程度の都会ではマンションが一般的です。

また住む地域や、部屋のサイズにもよりますが、筆者の住んでいる部屋の家賃は月約4,200ドルです。日本円で60万円超です。

日本在住時は10万円台の部屋だったので、金銭感覚がバグりますね。

大学から遠のけば遠のくほど安くなりますが、子供の学区等を考えて今の場所に住んでいます。また場所によって住んでる人種がガラッと変わるので治安も気になります。

現在住んでいる場所は大学の近くということもあり、アジア人が多い印象です。差別も今の所体験したことなく、銃声も聞いたことがありません(筆者が銃声をわからないだけかも?)。

また安いマンションの場合は、古いマンションで外観はレトロでおしゃれですが、エレベーターがなかったり、ネズミがいたりとあるので、新しめのマンションをおすすめします。

家賃は一年分に換算すると、4,200x12=50,400ドルですね。

あれれー手取り(60,000ドル)のほとんどが吹っ飛んだぞー。
まっ、まだ配偶者の給料が残ってるから汗。

感覚ですが、一人暮らしであれば2,000ドルくらいで済みます。それも払うのが嫌な場合は、ルームシェアになると思いますが、ポスドクではあまりないでしょう。

家の大きさはスタジオ、1ベッド1バス、2ベッド1バス、2ベッド2バスという感じで大きくなっていきます。ベッドとバスはそれぞれベッドルームの数とバスルーム(トイレ/風呂)の部屋の数をそれぞれ意味します。

子供がいる場合は2ベッド2バスをおすすめしますが、子供が一人くらいであれば実際には1ベッドルームでなんとかなります。

こちらのマンションでは食洗機が常備されていますので楽です。ただし日本から食器を持っていく際には、食洗機に対応しているものを持っていくことをお勧めします。IKEA製品などでしたら問題ないと思います。実際は木の箸等も食洗機にかけてます。流石に味噌汁の椀は避けています。

ちなみに筆者が考えるに日本の弁当箱は非常に優れているので、米国で弁当生活をしようとしている方には、日本で食洗機セーフの弁当箱を買うことをお勧めします。

こちらの人が使っている弁当箱は真四角のプラスチックタッパー重い金属製、ガラス製です。良い弁当箱がないかと、米国のAmazonでも探してみましたが意外といいのがなく、日本に一時帰国した際に購入しました。

特に長方形の弁当箱はバックパックに入れやすくお勧めです。

Japan is the best!!

ぜひこれから留学する方は日本で買っていってください!!

また大きなオーブンが完備されているので、趣味でパンやらクッキーやら焼く人は色々捗るでしょう。魚も焼けます。ザ アメリカ生活って感じですよね。

サンクスギビングにターキーを丸ごと焼いてみたこともありましたが、パサパサであまり美味しくありませんでした。

ご存知の方も多いと思いますが、米国は服の外干し文化はありません。ちょっといいマンションだと、各部屋に洗濯機、乾燥機が完備してありますが、基本的にはマンションの一階か地下に洗濯機、乾燥機が並んでいる部屋があってそこで週に1度か2度洗濯をします。

毎回お金がかかりますが、アプリで洗濯機の使用状況が遠隔で確認できたり、お金もアプリ上で払えるのでコインをわざわざ準備する必要はありません。まあまあ楽です。一回この生活に慣れると、外干しには戻れないかもしれません。

またこれは別記事でまとめて語ってもいいですが、家賃は冬に契約すると安く、米国の引越しシーズンである6月前後に契約すると高くなりますので、できれば 冬のうち(12-2月)に契約しましょう(大学が所有する寮の場合は別)。

日本と違って、シーズンと景気でかなり家賃が変動して、同じ建物内でも人によってかなり家賃が違う現象が見られます。コロナ中はめちゃ安かったそうで、知り合いの情報強者(中国人)はコロナ中に家をだいぶ安値で購入していました。

またこちらはトイレとバスタブが同じ部屋にある、日本で言うユニットタイプが普通になります。子供は子供用の折り畳みバスタブをバスタブに入れてお風呂に入れてますが、大人はもっぱらシャワーのみになります。


保育園(Daycare)

次に子供の保育園代です。大学によっては保育園を保有している、または大学が大手のチェーン保育園と契約しているので相場より安く済みます。

幾らかと言いますとなんと月々1,700ドルです。日本円換算で26万円です。

ちなみに大学が保有してない場合は、3,300ドル程度します。日本円で50万円ほどです。

安いところを探したら1,800ドル程度で済むと思います。がその場合筆者が住んでいる場所から離れているので、連れて行くのが大変です。

ただし子供が公立の学校(最低3歳から3Kクラス)に通えるようになると、学費は無料となります。保育園は高いので共働きでない場合は、学校が無料になるまでは保育園に出さないで家で世話をすることも多いです。それで月々30−50万円浮くわけですからね。

当然公立の学校には定員があるので、なかなか入るのは難しいです。特に公立の学校は"Sibling Priority"というのがあって、要は同じ学校に兄、姉が通ってると、その弟、妹は優先的に入ることが出来ます。なので一番下のクラスの定員は大体この枠で埋まります。

公立学校のデメリットとしては、全てのFloating holidayが休みとなるので、その度にバックアップケアを考えないといけません。

また日本でも同じかもしれませんが、学校は3時とかで終わるので、共働きの場合はアフタースクールプログラム(いわゆる学童保育)に入れる必要があります。

そこでも市営、公立の無料と、私立の有料のものがありますが、無料のところは当然競争率が高いです。

これこそ市がやっているところから個人でやっているところまであるので何とも言えませんが、月に800ドル程度でしょうか?

ですので年に10,000ドル程度、日本円で150万円ほどです。これは最低限のプログラムでここから別でバレエとかサッカーとか習わせるとさらに高くなります。日本語学校はまた別格の値段となります。。。

また治安が良いところに住めば、そこには日本人が集まってきます。ですので日本人がいなくて不安という方は、ちょっとお金を出していいところに住みましょう。

逆に「日本人がいるのやだぁ、海外来た意味ないじゃん」という方は少しチャレンジされても良いでしょう。そちらの方が家賃や保育園代は安く済むことと思います。

また当然ですが、共働き研究者の場合、子供をデイケアに預けたところで結局ラボ滞在時間は9時5時となります。共働き研究者の苦悩はまたいづれ語りたいと思います泣。

日本では子供が小学生に上がる頃には一人で通学したり外出できるかもしれませんが、こちらは小学4年生までは出来ません(地域によって違う可能性あり)。

米国の感覚に慣れてしまうと、日本で小さい子供が一人歩きしているのを見るとがめちゃくちゃ危険に感じます。

食費

食料品の購入に関しては、筆者の近辺では、ホールフーズマーケット(Whole Foods Market)トレイダージョーズ (Trador Joes)コスコ(Costco)とあります。

これらに関しては次回、写真(多数)も含めて筆者の考えるおすすめの製品を紹介したいと思います。気になる方は今のうちにフォローお願いします!!

日本の食料品、調味料やお菓子等は、ある程度の都会ならアジア系の食品を売っている店があるはずなのでそこで購入しましょう。もしくはWeeeという中国企業で日本食品が安めにデリバリーできるので、こちらもおすすめです。


外食は安いところから高いところまで様々です。

フードトラックという日本でいう屋台や、ピザなら6ドルくらいから、マクドナルドでは9ドル程度、他のチェーン店なら13ドル程度、個人経営の店だとさらに高額になっていきます。

マクドナルドは圧倒的にアプリを使いましょう。ポイントも貯まるし、毎週金曜日はFridayということでポテト(French Fries)Mサイズがアプリ利用時でだけ無料となります。

スタバもポイントがつくので、もっぱらアプリです。よく意識高い系英語youtuberとかが、「スタバでコーヒー頼んでみた」みたいな動画で店員と会話を楽しむみたいのが散見されますが、素直にアプリで頼みましょう。別にスタバは意識高くないです。

基本的に店に行って店員に話さなくても大体アプリでなんとかなります。Seamless、Slice、各チェーン店のアプリを入れておきましょう。

Chipotleなど注文がややこしい場合は特におすすめ!!

ここら辺はコロナで一気に広がって筆者にとっては楽なのですが、筆者の英語レベルは一向に上がらず、決まった店しか使わなくなる副作用があります。

筆者は節約と健康も兼ねて昼食は弁当を作って持って行っています。

まとめ

はっきり言って貯金は出来ません。ポスドクは米国でも低収入という意味が分かりましたか?

筆者は日本でもポスドクとして働いていたので、あまり文句はなく「給料上がったー!」くらいの感覚ですが、そりゃPh.D.を取った米国人はわざわざポスドクを選ばないよなぁとは感じます。

ある程度優秀な外国人に「アメリカに来る権利をあげるから、後は自分の手でドリーム掴んでください」って感じですかね。PIやら、インダストリーに行けば給料は平気で2倍から3倍になります。いわば、ポスドクはサナギ期間と言えます。なので長すぎると中身が腐ります!!

特に子供の教育を考えると、最初の数年は英語を学べるからいいと思いますが、数年以上経つと逆に日本語教育(特に受験)のことや、習い事も色々考えないといけないので心配になってきます。

PIや米国の医師クラスになると、住み込みの家政婦を雇って家事から子供の送り迎え、小学校の宿題程度であれば全てをお金で解決できるのですが、共働きポスドクの給料ではそれも出来ません。

実際に知り合いの共働き医師PIは、なんと日本人の住み込み家政婦を日本から呼び寄せて、子供の日本語教育をさせていました!しかもそれ以外に家事用の家政婦もいるんだよなぁ。。。強すぎぃ!!

こういうお金のある人たちを見て、また留学が長くなってくると、たまに「子供の教育犠牲になってね?」と不安になることがあるのが実情です。それは日本のポスドク共働きでも変わらないかもしれませんが。留学が長くなることのデメリットの記事を作ってもいいかもしれませんね。留学を迷ってるなら若い時から留学することをお勧めします!!

単身、もしくは共働き子なしなら公私共にかなり充実出来ると思いますし、筆者の生活でも一応TIAAにお金をおさめながら、収支はマイナスになっていません!

でもトントンです泣!!

というか筆者はこの記事を書いていて、本当に今の家に住んでいていいのか不安になってきました。ちょっと配偶者と話してきたいと思います。一応冬の安めの時に契約したんだけどなぁ。

最後に医者へのぼやき

最後に医者にちょっとぼやきを入れておきます。医師研究者とお金の話をしたときです。こちらでの給料はMDもnonMDも同じ職位(ポスドク)で給料は変わらないので、割とお金の話は出来ます。
MDと「お金大変ですよねトーク」が出来るのは海外ならではでしょう。日本では絶対できない束の間の連帯感です。ただし下の様な裏切りもあるので要注意です。


筆者「結構生活大変ですよねー」
医者「そうですよねー、税理士に頼んでタックスリターンを計算してもらっているんですけど、日本の収入も明らかにしないといけないんですよ」
筆者「へー日本でも収入があるんですか、医者としての画像診断とかですか?」
医者「いやぁ日本で住んでた家を貸してるんです。
筆者「!?


そうです、あいつらは日本に家を持っているので、それを他に貸すことで所得を得ているんですよ。nonMDのポスドクでは絶対無理なことを平然とやってのける。そこに痺れる憧れるー!

他の医師家庭では、日本の家をそのままにしてきている方もいました。一時帰国の際に非常に便利です。

筆者のように賃貸に住んでいた場合、日本で使用していた家具一式を実家に置いておいてもらうか、処分するしかありません。そこでも差が出るんですよねぇ。もちろんローンの支払いが残ってる可能性もあるので、良いことばかりではないでしょう。では続き。

筆者「そうなんですね、ところでアメリカの家は大きい食洗機がついているから便利ですよね。日本に帰った時、そんないい家に住めるか分からないから心配です。」
医者「あーうちは日本にいた時から食洗機ついてましたよ、デカいオーブンもついてました。ドラム式洗濯機もね。
筆者「!!??

さて今回も差が差を呼ぶ、金が金を呼ぶ資本主義について解説したところで終わりたいと思います。

次回は留学生活編の続きとして、「トレイダージョーズ(通称トレジョ)やその他のマーケットのおすすめ用品」を紹介していきたいと思っていましたが、

ここで緊急速報です!!

皆様のおかげでなんと筆者がnoteでブログを初めて半年が経過したので、筆者の記事のビュー数、どの記事が人気があったかのランキング、そして最後には売り上げまで、3記事に分けて全てのデータを公開しようと思っています。夏休みの祭り的イベントのつもりです!!

トレジョ製品の方が気になる方はすみませんが少々お待ちください。少し先になるので今のうちにフォローしていただければと思います、通知が届きます。こちらは写真多数の記事とする予定です。

現場からポス山毒太郎でした。


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