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勤務0日目 十年無職の引きこもり、介護士と郵便配達員の選択

働きたくない働きたくない働きたくない働きたくない!

というほど働きたくないわけではないけれど、タイミングを見計らっている間に十年の月日が流れました。
30代後半。十年無職の引きこもり(しかも高卒)。

「お前の歳じゃもうどこも雇ってくれんぞ」
「あとは野垂れ死ぬだけだな」
「自業自得! 社会のゴミ!」
「自殺したほうが楽だから早く死ね」

そんな声が聞こえてきますが、誕生日を迎えて30代後半に入り、それといろいろあって、さすがに仕事を見つけないと手遅れだと思い(すでに手遅れ)、ついに引きこもりをやめる決意にいたりました。

それで、当初はハローワークで介護職を目指すつもりだったのです。
決して介護を馬鹿にしているわけではないのですが、なんの資格もない自分が社会に貢献できるとしたら、介護しかないと考えていました。

幼いころから知らない高齢者の方と接する機会があり、よくしてもらっていて、認知症にも理解があるので、元々介護職に興味がありました。しかし、一歩踏み出すことができなかった(踏み出すまでがあまりにも遠かった)
もし誰かに「ウチの施設こない?」と誘われていたら、これが神の思し召しかと尻尾を振って喜んで働きにいっていました。

まあ友達0人のぼくにはそんなことないわけですが。
とにかく「ついに働こう! 介護職に就こう!」と決意したわけです。

しかし!

ハローワークに行こう、と決断したその日、ちょうど年末年始で閉まっていました。なので、あらゆる情報を調べまくって介護士になる心構えをしておこうと思ったのです。

これがまずかった。

ぼくのハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)を発動させてしまいました。

当然というべきか、調べるほどネガティブな情報しか出てこなくて、

「男性は介護士に向かない」
「女性ばかりの職場だから男はやめたほうがいい」
「30代未経験で介護施設の面接を受けましたがどこも受かりません(涙)」

などの意見を読むうち、不安が胸を苦しめたのです。
その不安から、調べることをやめられず、連日連夜、何時間も何時間も介護のことをネットで調べていました。
それがさらに不安を重ね、悪循環にはまっていくことがわかっていても、調べることをやめられませんでした。

そんなとき、年賀状と共に郵便配達スタッフ募集のハガキが届いたのです。

(これに名前と住所を書いてポストに投函すれば楽になれるよ)

脳内で囁きが聞こえました。
ぼくは名前と住所を書き、出してしまったのです。

こうして、ぼくの郵便配達員としての道が始まりました。

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