最終稽古を終えて|西居澄
お芝居を作ってて尊い瞬間は、人間が、つまり役者がそこにいるというまさにそのときで、つまり、私が書いた脚本という、それはどこまで突き詰めていっても永遠に私の中での出来事という枠から逃れられないそれらが、その不可避的な枠組みから華麗にしかも当たり前に自然のこととして自ら逃げ出して、しかもそれが役者というあらゆる一通りを兼ね備えたひとりの人間であるということ、そしてその本人がまた芝居や役というものと全身全霊(文字通り全身全霊で)で向き合っているという逆向きの方向性が生じてるというそ